
人事異動の課題を解消!ワークフローとアカウント管理の最適化でトラブルを回避する方法

人事異動や組織編制の時期になると、申請や承認などのワークフローを大幅に変更する必要があります。システムを見直したり社員に周知したりすることに業務の時間を割かれてしまい、困っている担当者も多いでしょう。
そこで、ここでは人事異動の際のワークフローの見直しや内部統制で、混乱やトラブルを避ける方法について紹介します。
人事異動におけるワークフローの課題

人事異動の際に発生する大きな問題の一つが、既存のワークフローの見直しです。ワークフローとは、業務遂行に必要な一連の手順や情報の流れを指します。企業内のほとんどの業務は、複数の関係者が連携し、定められた手順に沿って行われます。
例えば、業務で備品が必要となり、実際に購入に至るまでのプロセスを考えてみましょう。一般的には、以下のようなやり取りが想定されます。
- 備品の購入を希望する社員が上長に稟議書を提出する
- 上長がその稟議を承認する
- 総務部が備品を発注する
「上長に申請し、承認を得る」 というワークフローは、慣れていればスムーズに進行します。しかし、人事異動によって担当者が変更された場合、新たに配属された社員に対して、一からワークフローを教育し直す必要が生じます。
着任したばかりの社員が何かを申請する際には、 「どの書類を使用するのか」 「記載事項に不明な点はないか」 「誰に提出すべきか」 「担当者不在時の代理承認者は誰なのか、あるいは代理承認の仕組みがないのか」 といった疑問点が次々と発生し、その都度確認作業が必要になります。
このように、人事異動の時期には、 「誰が」 「誰に」 「何を提出し」 「どのような流れで完了するのか」 といった詳細な確認作業や、申請書類の不備による差し戻しが頻繁に発生します。これは社内の混乱を招き、業務の停滞を引き起こし、結果として非効率な状態に陥ってしまいます。
人事異動に伴うアクセス権限の適切な管理
人事異動の時期には、システムにアクセスする権限に関しても見直しが必要です。異動によって担当者が変われば、システムの権限設定を変更しなければなりません。ここでは、権限の変更について説明します。
異動に伴う権限変更と新規アカウント作成の増加
社員による不正利用や外部からの不正侵入による被害を予防・最小限に抑えるためには、システムのアクセス権限を部署や役職に応じて適切に管理することが求められます。
人事異動が発生した際には、速やかに権限設定を変更することが極めて重要です。既存のアクセス権限の変更に加え、人事異動の時期には、新入社員、派遣社員、アルバイト、協力会社の社員など、新たにシステムを利用する人が増えるため、新規アカウントの作成やそれに付随する業務が大幅に増加します。
特に年度の変わり目には、新規アカウントの作成や権限変更の処理が集中し、担当部署にとって大きな負担となります。しかし、これらの業務は会社の運営上不可欠であり、ミスは許されません。
権限管理の不徹底が招くリスク
人事異動の時期は、異動者、新入社員、派遣社員の増加、退職者の発生など、人の動きが活発になり、それに伴う煩雑な処理が増加します。このような多忙な状況下であっても、アクセス権限の管理を確実に実施しないと、深刻な問題が生じる可能性があります。
例えば、本来であれば部長以上しかアクセスや編集ができないシステムを、誤って一般社員でも操作できるようにしてしまった場合を考えてみましょう。このような状況では、後になってデータの改ざんなどの不正がなかったことを証明することが極めて困難になります。
このように、アカウントを適切に管理できず、内部統制が確立されていない状態では、トラブル発生時の原因究明が難しくなり、監査の際にも問題が発生する可能性があります。
退職者の権限削除の重要性
特に、退職者のアクセス権限削除には細心の注意を払う必要があります。退職して社内にいない社員のアカウントがいつまでも残存していると、誤操作によるファイルの破損や機密データの漏洩といった重大なトラブルにつながる危険性があるからです。
Kaspersky が7,000人を対象に行った企業内のデータ管理・保護に関するインターネット調査では、退職後も会社の共有ファイルやメールにアクセスできると回答した人が全体の34%に上るという結果が報告されており、この問題の深刻さが伺えます。
新入社員や異動者のアカウント管理に忙殺され、退職者のアクセス権限の削除が後回しにされてしまうケースも少なくありません。しかし、会社を離れる社員のアカウントは、速やかに対応し、退職時に確実に削除することが求められます。
人事異動時のワークフローシステムによるメンテナンス

毎年、人事異動の時期になると、多くの企業でワークフローの見直しや権限設定の変更に追われ、担当者が疲弊しています。同様に、ワークフローシステムのメンテナンスもこの時期には必須となります。
ワークフローシステムとは?
ワークフローシステムとは、業務に必要な一連のプロセスをシステムに組み込み、申請や承認を自動で実行できる仕組みです。あらかじめシステム上で承認者を設定しておくことで、規定のフォームを使用して申請書類を作成すると、自動的に承認者へ送信されます。承認者は内容を確認し、システム上で直接承認したり、差し戻したりすることが可能です。
手書きの書類による運用では、書き損じによる修正の手間、提出先不明による混乱、承認者の不在による申請の停滞といった問題が発生しがちです。しかし、ワークフローシステムを導入することで、一連の流れが可視化され、業務を円滑に進めることができます。
システムの種類によっては、外出先からでも申請、確認、承認を行うことが可能です。これにより、担当者が不在であってもワークフローが滞ることなく進行します。申請や承認業務は、会社の利益に直接結びつくものではありませんが、業務を円滑に進めるためには確実に遂行すべき事項です。ワークフローシステムは、業務の停滞を防ぎ、スムーズな進行を支援することで、事務作業の効率化に大きく貢献します。
ワークフローシステム導入による人事異動後の混乱抑制
ワークフローシステムを導入することで、人事異動後の混乱を抑制し、業務効率を向上させることが期待できます。
これからワークフローシステムを導入する企業の場合、初期設定が重要になりますが、人事異動自体がシステム導入に大きな影響を与えることはありません。すでにシステムを運用している企業の場合は、異動後の組織体制や役職者の権限に応じて、システムの設定変更が必須となります。
人事異動の規模によっては、管理者にとって大きな作業負担となることもあります。しかし、ワークフローシステムの利用者にとっては、異動後、新しい部署で初めて申請を行う際でも、 「どの書類に記入すべきか」 「承認者は誰なのか」 「どのようなルートを通って完了するのか」 といった情報がシステム上で明確に整備されているため、申請や承認に関する混乱が生じることはありません。社員は申請や承認といった事務作業に時間を取られることなく、正確に業務を遂行でき、本来の業務に集中できるため、非常に効率的です。
人事異動時に課題となるワークフローシステムの特徴
市場にはさまざまなワークフローシステムが存在しますが、中には人事異動の際に期待通りの効果を発揮できないシステムも存在します。ここでは、そのような使いづらいシステムが持つ特徴について紹介します。
異動に伴う設定変更の難しさ
多くのワークフローシステムは 「カスタマイズ可能」 と謳っているものの、実際にはベンダーに依頼しなければ変更できないものも存在します。また、自社で変更が可能なシステムであっても、システム担当者や専門知識を持つ社員でなければ設定変更が難しいケースも珍しくありません。
社内の一部の人間しか変更できないようなシステムでは、その担当者に業務が集中し、設定変更に時間がかかり、結果として完了までに多くの時間を要してしまいます。ワークフローシステムを導入する目的は事務作業の効率化であるため、権限を持つ社員であれば誰でも簡単に編集できるシステムを選択することが重要です。
変更にかかるコストの高さ
ベンダーに依頼しなければ設定変更ができないシステムでは、人事異動や組織変更のたびに余計なコストや時間が発生してしまいます。これでは、かえって非効率です。
春の大規模な人事異動だけでなく、社員の配置転換は頻繁に発生します。中途入社や退職の頻度はさらに高いでしょう。その都度、時間とコストをかけてベンダーにカスタマイズを依頼するとなると、業務上の不便さだけでなく、ランニングコストも増加してしまいます。
設定 ・ カスタマイズに要する時間の長さ
自社で変更できても、設定やカスタマイズに手間がかかり、時間を要するシステムも存在します。このようなシステムでは、多数の人員が動く人事異動の時期などは膨大な手間がかかり、時間も必要になるでしょう。
そのため、年度の変わり目になると、担当者が徹夜したり数日間システムを止めたりして設定を変更する会社も見受けられます。ワークフローシステムは日々の業務に欠かせないため、やむを得ない措置かもしれません。
しかし、システム担当者が徹夜して作業するのであれば過度の負担を強いることになってしまい、システムを止めて変更作業をするとその間は申請や承認の作業が滞ってしまうので、大変不便です。
『rakumo ワークフロー』 なら人事異動に強い!
人事異動に強いワークフローシステムを具体的に知りたい人は多いでしょう。ここでは、 『rakumo ワークフロー』 を紹介します。
Google Workspace との連携による人事異動対応の効率化

rakumo ワークフローの大きな特徴は、 Google Workspace との連携が可能である点です。 Google Workspace は、 Gmail 、カレンダー、チャット機能、ドキュメント、スプレッドシートなど、 Google が提供する多様なサービスを利用 ・ 管理できるグループウェアサービスです。クラウドサービスであるため、どのデバイスからでも利用でき、作業効率の向上が期待できます。
rakumo ワークフローは、 Google Workspace のユーザーやグループ情報を一括で取り込むことで、人事異動の際にも対象者のグループを変更するだけで済むなど、煩雑な作業工数を削減できます。また、申請経路を個別に指定しなくても、 Google Workspace のグループ情報や役職情報に基づいて承認者を自動で割り当てることも可能です。 「申請者から見て上長にあたる人」 といった相対的な指定ができ、申請内容ごとに特定の個人を指定する必要がありません。
※ Google Workspace とは
申請経路を指定しなくても、 Google Workspace のグループ情報や役職情報から承認者を自動で割り当てることも可能です。 「申請者から見て上長にあたる人」 といった相対的な指定ができ、申請の内容ごとに特定の個人を指定する必要がありません。
誰でも簡単にカスタマイズできる直感的な操作性
rakumo ワークフローは 「使いやすさ」 を追求して設計されており、直感的に操作できる UI も大きな魅力です。カスタマイズにプログラミング知識は不要で、権限を持つ社員であれば誰でも簡単に扱うことができます。
人事異動に伴う設定変更だけでなく、組織編成、退職者、中途採用者の発生時など、様々な状況で簡単にカスタマイズできるため、非常に便利です。
『rakumo ワークフロー』 その他の魅力
従来のワークフローシステムの多くは、一方的な申請、承認、あるいは却下という流れが一般的でした。しかし、rakumo ワークフローにはコメント機能が搭載されています。これにより、申請から承認 ・ 却下に至るまでの一連の流れが可視化され、各個人の名前の横にコメントを添えることが可能です。
どのような理由で承認 ・ 却下されたのか、その背景が明確になるため、結果に納得しやすくなります。この機能は、デジタルツールの導入によって希薄になりがちな社内コミュニケーションの活性化にも役立つでしょう。
また、代理申請や代理承認も可能であるため、担当者不在によって業務が停滞するのを防げます。さらに、申請者や承認者にはメールや Slack による通知が届くため、重要な連絡を見落とすこともありません。優先度の設定も可能で、緊急性の高い申請書などを最優先で確認してもらうことができます。
さらに、rakumo ケイヒで作成した経費精算書をrakumo ワークフローに連携することも可能です。これにより、関連部署間でスムーズに情報が共有され、経費申請や処理が非常にスピーディに楽にこなせるようになります。
ワークフローシステムで人事異動を円滑に

人事異動の時期は引き継ぎなどするべきことが多く、社内は業務に追われがちになります。そのような状況で紙の書類による申請や承認を行っていたり柔軟な対応ができないワークフローシステムを利用していたりすると、業務が滞ってしまいかねません。
最悪の場合、情報トラブルが起こることもありえます。人事異動の時期も業務をスムーズに進めるためには、カスタマイズ性に優れたワークフローシステムを導入することが必要です。