
ワークフローシステムの導入メリットと製品比較の4つのポイント

テレワークの普及により、紙ベースの申請業務や契約書の押印作業からの脱却、ひいては全社的な業務改善を目指す企業が増加しています。業務効率化にはワークフローシステムの導入が必要不可欠であると知っているものの、ワークフローの導入メリットや、製品比較のコツがわからない人もいるでしょう。
今回は、ワークフローシステムの導入を検討し始めたばかりの方のために、その基本概念から導入によって得られる具体的なメリット、さらには製品選定において価格だけでなく着目すべき重要な比較ポイントまでを解説します。
ワークフローとワークフローシステムとは?
まず、ワークフローという言葉の定義と、それをサポートするワークフローシステムについて確認しましょう。

ワークフローとは、業務における一連の流れ (フロー) そのもの、またはその流れを図式化したものを指します。
例えば、社内で頻繁に行われる有給休暇の申請をワークフローに落とし込むと、
従業員による有給申請
↓
上長による承認または差し戻し
↓
有給取得日以降の、取得状況確認
といった流れが発生します。申請から承認、そして確認に至るまでの一連のプロセスをまとめたもの、あるいは図式化したものがワークフローです。
一方、ワークフローシステムとは、これらの多岐にわたるワークフローをオンライン上で効率的に完結させるためのシステムです。紙の文書は電子化された申請フォームに置き換えられ、押印の代わりにシステム上で承認・決済ボタンが操作されます。関連する書類データはすべてシステム内に安全に保管されます。
業務上で発生する代表的なワークフローには、以下のようなものが挙げられます。
- 経理業務経費精算時の経費申請など
- 人事業務入退社手続き、人事異動申請など
- 稟議購買、契約、採用に関する上長の承認を得る作業など
- 日報営業日報、週報などの提出と承認など
- 企画新規事業やコンペ提案の企画制作と上長承認など
このように、日常業務の中でさまざまなワークフローが存在することがわかります。
ワークフローシステムの基本機能と導入メリット
ワークフローシステムの基本的な機能を確認しつつ、導入時のメリットを見ていきましょう。
ワークフローシステムの主な機能
ワークフローシステムの代表的な基本機能は以下の通りです。

- 申請書など文書フォームの作成Excel や Word ファイルを変換して利用したり、システムに内蔵された既存テンプレートから選択したりして、多様な文書フォームを作成できます。
- ワークフロー作成申請から承認、決済に至るまでの流れを自由に設計し、システムに登録します。
- 承認 ・ 決済 ・ 差し戻し ・ 代理承認申請の承認または決済、そして確認通知のメールや Slack などでの自動送信が可能です。申請内容にコメントを付けて差し戻したり、承認者が不在の場合に代理承認者が対応したりできるよう、複数の承認者を登録する機能も備わっています。
- 申請書の検索 ・ 編集履歴の閲覧 ・ 保存作成された文書フォームはシステム上に一元的に保管されます。システムによっては、複数の文書を一括でダウンロードしたり、申請時に添付したファイルを保存したりする機能も提供されます。
- 運用管理設定申請の流れの設計や、承認者 ・ 閲覧者の権限を設定する管理機能です。
これらの基本機能は、ほとんどのワークフローシステムに共通して備わっています。そのため、単に 「機能があるか」 だけでなく、 「実際に使いやすいか」 という視点で比較検討することが重要です。
ワークフローシステムを導入するメリット
ワークフローシステムを導入することで、企業は複数の側面から大きな恩恵を受けることができます。

- 業務効率化の推進
ワークフローシステムを導入することで、社内に点在する多様なワークフローを同時に進捗管理し、業務全体を効率化できます。紙ベースでの申請作業では、現在誰の手元で書類が止まっているのかを確認するのに時間を要していましたが、ワークフローシステム上では業務進捗のステータス (申請前、承認待ちなど) が可視化され、対応漏れを防ぐためのアラート通知も可能です。
これにより、 「上司が不在で承認が滞る」 「誤字や記入漏れを防ぐ」 「ワンクリックで作業が進み処理速度が向上する」 「郵送や手渡しにかかる手間が削減される」 など、多角的な視点から業務スピードを飛躍的に向上させることが可能となります。
- ペーパーレス化とテレワーク対応の強化
社内のワークフローに関わる文書をデータ化することで、広範囲にわたるペーパーレス化を実現できます。紙のやり取りがなくなることで、従業員が地理的な制約なくシステム上で作業を行えるようになり、結果としてテレワーク環境の推進に大きく貢献します。
- 内部統制の強化
紙の文書によるやり取りでは、 「上長が不在だからそのまま決済を進めてしまおう」 といった不正が発生しやすい環境になりがちです。ワークフローシステムを導入すれば、あらかじめ定められたワークフロー以外の取引をシステム的にブロックできるほか、万一の事態に備えて代理承認者を設定し、緊急時に自動で通知を送ることも可能です。ワークフローシステムの導入は、企業の規制強化と内部統制の強化に直結します。
- 申請フォーマットテンプレートやチャット機能の活用
多くのワークフローシステムは基本機能に加え、利便性の高いテンプレート機能や、申請者と承認者間でのスムーズなコミュニケーションを可能にするチャット機能、期日を知らせるアラート通知機能などを備えています。複数のワークフローシステムの機能を比較検討することで、自社に最適なシステムを見つけることができるでしょう。
- 決裁フローの可視化とデータ蓄積
過去の社内やり取りの履歴がデータとして蓄積されることは、ワークフローシステム導入の大きなメリットです。新たなワークフローを構築する際、これまでの社内決裁フローの確認や、ワークフローにおける課題点の特定が容易になります。
ワークフローシステム導入時の重要な比較ポイント
ワークフローシステムを導入すると、業務改善や不正防止など、さまざまなメリットがあることをご理解いただけましたでしょうか。最後に、ワークフローシステムを基本機能以外の側面で比較する際のポイントについてご紹介します。
- UI/UX の使いやすさ
ワークフローシステムを比較するとき、まず着目したいのが 「使いやすさにこだわった UI/UX」 です。基本機能が十分に備わっていたとしても、システムの文字が小さくて見づらい、文字が多すぎ・少なすぎて内容が理解できない、操作が難しいなどストレスを感じるワークフローシステムは、導入する意味がありません。
ワークフローシステムを利用する対象者に、実際にデモ画面を見てもらって、操作性やデザイン性の確認をすると良いでしょう。
- 既存システムとの API 連携性
ワークフローシステムを導入するときは、自社で活用している別サービスとの連携が可能かどうかという視点も重要です。
多様なクラウドサービスが増加している今、社内には複数の Web サービスが点在しています。組織拡大や、別サービスの導入時などに、ワークフローシステムとの API 連携が難しいと業務の幅を狭めてしまうので注意が必要です。
例えば、Google Workspace と基本連携している rakumo ワークフローでは、オプションで外部システムとの連携が可能です。
あわせて読みたいrakumo ワークフローのAPI連携機能によって、データ管理業務を改善した企業事例もあわせてご覧ください。
- 多言語対応機能
ワークフローシステムを比較するときは、多言語機能がありグローバル対応が可能かどうかも大切なポイントです。今後グローバル展開を考えている、または社内に外国籍メンバーが増えてきた企業は、なるべく多言語切り替えや、外国語マニュアルが備わっているシステムを選ぶと良いでしょう
例えば、 rakumo ワークフローでは英語 ・ 中国語の表記が可能で、運用管理画面では日本語と英語を選択できます。英語マニュアルも用意されているため安心です。
- 電子契約システムとの連携による利便性
ワークフローシステムは外部サービスとの API 連携がポイントになりますが、テレワークや脱ハンコを推進する場合は、電子契約システムとの連携も重要な比較要素となるでしょう。社内の簡単なワークフローはシステム上で作業完結できますが、契約書類の押印作業には電子契約の機能が必要不可欠です。
rakumo ワークフローはクラウドサインと連携しており、完全に Web 完結型のワークフローサービスが提供できるようになりました。社内の申請 ・ 承認作業とあわせて、社外との契約締結までワンストップで実施できると理想的です。
4つの比較ポイントを兼ね備えた rakumo ワークフローがおすすめ

ワークフローシステムは、業務で手間がかかっていた申請 ・ 承認 ・ 決裁作業をシステム上で一括管理し、業務効率化を図る重要なシステムです。どのワークフローシステムも基本機能はほぼ同じだからこそ、従業員目線の使いやすいインターフェースや、 API 連携機能、また管理者権限を複数名に割り振ることができるなど、構築 ・ 運用の負荷が軽減できるかどうかといった視点で選ぶことをおすすめします。
rakumo ワークフローは今回ご紹介した比較ポイントを網羅しつつ、大規模企業における複雑なワークフロー設計の課題にも寄り添った開発を行っています。
ワークフローシステムの導入を検討中で、 rakumo ワークフローにご興味がある方はぜひお気軽にお問合せください。