ワークフロー
公開 2020.05.21

テレワークを導入したい!ワークフローシステムでテレワークの課題を解決

働き方改革が進む中、テレワークの導入は各企業にとって優先事項のひとつです。ただ、導入には課題も多く、なかなかすぐにはテレワークを取り入れることができない企業も少なくないでしょう。そこで今回は、テレワークの課題やメリットを紐解き、その解決策としてのワークフローシステムについて解説します。

テレワークとは?

一般的な企業では、従業員は会社という職場に出社して業務に従事します。しかし、育児や介護、また病気や怪我など、さまざまな事情によって職場に出社して仕事を行うことが難しい従業員も実際少なくありません。そうしたさまざまな事情を抱えた従業員に対応する働き方として、テレワークというものがあります。

テレワークとは、自宅や外出先など、職場以外の場所で会社の業務に従事する働き方のことです。PCやスマートフォンといった情報通信技術を活用して、自宅で資料を作ったり、外出先からデータを送ったりして仕事を行うのがテレワークの基本的な流れです。場所にとらわれることなく働けるテレワークなら、育児や介護など、さまざまな家庭の事情を抱えている人でも無理なく働くことができます。

在宅が基本のテレワークではありますが、サテライトオフィスを利用して働いている人もいます。サテライトオフィスとは、本社や支社とは別に設けられた小規模なオフィスのことです。本社を中心に、恒星の周囲を巡る惑星(サテライト)のように設置されるオフィスであることから、このように呼ばれています。サテライトオフィスは、テレワークを支える新しいオフィスの形として注目されています。

テレワークは、主に会社に出社して働けない人に対応するための働き方である一方、働き方改革の一環としても推進されているワークスタイルです。テレワークを導入すれば、従業員は出勤や退勤にかかる時間を削減できます。その分、時間を有効活用できるようになり、労働時間の削減やワークライフバランスの確保など、現代社会が抱えるさまざまな労働問題にも対応することができるのです。

テレワーク導入による企業側のメリット

テレワークを導入することによって、従業員は出退勤時間の削減や自由な時間の確保など、さまざまなメリットがあります。その一方で、企業側にはテレワークを導入するメリットがどのくらいあるのでしょうか。以下、検証してみることにしましょう。

優秀な人材の確保・離職抑制

テレワークによって、従業員が会社以外の場所で働けるような環境になれば、多様な働き方ができ企業側は優秀な人材の確保をすることができるメリットがあります。育児や出産、介護といった家庭の事情で、今の職場を離れざるを得ないという人も決して少なくありません。その点、テレワークを導入すれば、従業員は在宅でも仕事ができるようになります。そのため、育児や介護という事情を抱えて出勤するのが難しくなっても、従業員は仕事を辞めずに済み、企業側にとっても優秀な人材が離職してしまうことを防ぐことができるのです。

今いる優秀な人材を確保して、離職を抑制することができれば、辞めてしまった人の代わりを雇って育てる必要もなくなるため、人材確保や人材育成のコストも削減することができます。とりわけ人材不足が深刻な業界では、テレワークの導入が課題を解消する手助けになることもあるだけに、人材の確保と離職の抑制ができるテレワークは大きな意味を持つといえるのです。

業務効率化

テレワークの導入は、業務の効率化という意味でも大きなメリットを持ちます。職場で仕事を行う場合、急な会議が入ったり、別の仕事を任されたりなど、なかなか自分の仕事に集中できないことも少なくありません。一方、テレワークで在宅やサテライトオフィスを活用した勤務ができれば、静かな環境で自分の仕事に集中して取り組めるようになります。その結果、より効率的な作業ができるようになり、会社としても生産性の向上につなげることができるのです。

ただし、業務効率化のためには、テレワークへの体制をしっかり整えておくことが重要になります。たとえば、テレワークの従業員と普通に出勤している従業員が円滑にコミュニケーションを取れるようなツールを導入したり、それぞれの働き方で不公平感が出ないように評価制度を新しく見直してみたりなど、テレワークに適した体制をきちんと整備しておくことが業務効率化にもつながっていきます。情報を共有するために、社内のペーパーレス化や資料の電子化なども必要になるでしょう。このように、テレワーク体制の整備と運用は、業務効率化だけではなく、テレワークそのものの成否をも左右する要素なのです。

企業イメージの向上

テレワークの導入は企業イメージの向上にも貢献してくれます。働き方改革が叫ばれる中、企業側も従業員のワークライフバランスをしっかり考えた仕組み作りが欠かせません。実際、従業員のワークライフバランスを重視する企業は信頼感を得られやすいという側面があります。その点、テレワークという新しい働き方は、従業員のワークライフバランスを確保するためのものでもあるため、企業イメージを大きく向上させることにも役立つ制度なのです。

企業のイメージが良くなれば、採用の面で良い影響が見込まれるだけではなく、今いる社員からの信頼度もアップさせることができるでしょう。その結果、優秀な人材の確保や従業員のモチベーションの向上、ひいては会社としての生産性の向上などにもつながっていきます。

非常時の事業継続への備え

テレワークは有事の際の備えにもなる働き方です。台風や地震などで公共交通機関がストップすれば、そもそも従業員は出社することができなくなってしまいます。また、感染症の拡大で都市が閉鎖されるなどすれば、会社は営業をストップせざるを得なくなってしまうでしょう。テレワークを導入していれば、そうした非常時においても事業を継続させることができます。非常時には、どの業種でも厳しい状況に晒されがちではありますが、社外からも仕事に参加できる仕組みをあらかじめ整えておけば、有事における被害を最小限にとどめつつ、事業の復旧をいち早く進めることができるようになるのです。

テレワークの課題

テレワークにはさまざまなメリットがある一方、実は課題も多いという実情があります。たとえば、コミュニケーションによる課題です。異なる場所で働く従業員が多ければ、その分だけ連絡や確認にもタイムラグが生じてしまうでしょう。その結果、事業に支障が出てしまう場合もあります。また、業務によっては出社しないと対応できないこともあるため、そのような事業に関わっている従業員には定期的に出社してもらわなければなりません。

会社によっては、テレワークに適していないルールが残っている場合もあります。たとえば、各種申請や稟議などを紙の書類で回すのがルールという会社では、サインやハンコが必要であるため、結局従業員を出社させなければならなくなるでしょう。出社してサインやハンコを押しても、後日に差戻しなどがあれば、また出社して対応しなければなりません。このように、テレワークを導入しても、会社の制度やルールによっては結局出社が必要になるうえ、隣にいればすぐに確認できることでも多大な時間がかかってしまうことになるのです。

ワークフローシステムでテレワークの課題を解決

テレワークを導入するにあたっては、まずしっかり体制を整えて、種々の課題を解決しておくことが何より大切だといえます。そのためにも、ワークフローシステムは欠かせません。ここでは、テレワークの解決策として活用されているワークフローシステムについてご説明します。

ワークフローシステムとは

ワークフローシステムとは、一連の業務の流れを図式化する仕組みのことです。通常の業務では、業務の申請や承認、確認といった作業を、主に書類を使って行っていきます。たとえば、管理部門の人間が商品を発注する場合、まず発注の申請を書類で出し、それを上司が承認してサイン・ハンコを押し、さらに上の責任者が確認してから、ようやく発注できるという流れになります。

ただ、このような流れの業務を書類で行っている場合、たとえば申請の際にどの申請書にすれば良いのか、また申請書を誰に提出すれば良いのかなど、各ステップの引継ぎの際に何らかの遅滞が起こってしまいがちです。ですが、ワークフローシステムを導入することで、紙ではなくデータになるため書類の管理がしやすくなり、人的にも金銭的にもコスト削減につながります。また、いつでもどこでも申請・承認の対応が可能なため業務がスムーズに行える、などのメリットがあります。

ワークフローシステムでは、まず各種申請書類や稟議などを自動化します。そして、オンライン上で申請・確認・承認・保管といった業務を実行できるようにし、一連の業務の流れをよりスムーズにするのがワークフローシステムの役割です。一般的なワークフローシステムでは、申請書類の入力フォームに必要事項を入力し、申請ボタンを押すなどすれば、あらかじめ設定されている承認担当者に通知がいくようになっています。

こうしたシステムは、会社に合わせてカスタマイズすることも可能です。承認者が並列して複数いたり、権限が低い順から高い順に数人いたりする場合でも、設定できるようになっています。また、一連の流れが図式化されているので、その進捗状況を確認することも可能です。

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ワークフローシステムとテレワーク

ワークフローシステムは、テレワークの課題を解決するための手段でもあります。オンライン上で一連の業務を実行できるワークフローシステムでは、まず紙の書類のように手渡しで引継ぎをする必要がありません。そのため、申請者や承認者が在宅勤務であっても、すぐに対応することができるのです。申請や承認に際して、わざわざ出社する必要もなくなるため、その分の時間も削減することができます。もちろん、社内で書類を回すより業務スピードも上がるため、業務にタイムラグが起こりがちなテレワークだからこそ、ワークフローシステムの徹底が不可欠だといえるのです。

他にもあるワークフローシステムのメリット

ワークフローシステムのメリットは、ペーパーレスで業務を自動化できることだけではありません。ワークフローシステムを取り入れれば、モバイルからの申請や承認も可能となるなど、ほかにもさまざまなメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。

内部統制の強化

申請や承認といったワークフローを書類で行っている場合、社内のルールが曖昧になっていて業務に支障をきたしてしまうことも珍しくありません。イレギュラーな方法で申請しても承認されてしまうことがあるなど、ルールが曖昧になっていれば間違った商品が発注されて会社に大きな損害が生じてしまうことなども考えられます。

ワークフローシステムをしっかり整備することは、一連の業務の流れについて社内のルールを厳格化するということです。ルールがしっかり決まっていて、厳密に運用されていれば、申請や承認といった流れも決められた書式、決められたルートしか使えなくなります。その結果、イレギュラーな対応をしてトラブルが起こるといったことも防げるようになるのです。

また、ワークフローシステムでは、誰が承認したかというログもデータに残ります。そのため、文書の改ざんもできなくなり、内部統制やコンプライアンスの強化にも大いに役立つのです。

業務効率化

ワークフローシステムは、テレワークに限らず、一連の業務を根本的に効率化してくれるシステムです。申請書類の選択や承認ルートが自動化すれば、従業員は迷いや間違いなく一連の手続きを進められるようになります。ワークフローシステムでは、申請書類への記入が入力フォームになっており、検知する機能があるシステムであれば、入力漏れや入力ミスがあっても未然に発見することが可能です。その結果、差戻しの件数も減り、業務の無駄を改善することにも貢献してくれます。

承認者が外出や出張に行っていても、ワークフローシステムがあれば帰りを待つ必要もありません。業務のスピードアップを図れると同時に、承認後の書類の保管や後からの検索もオンラインでできるため、管理の手間もほとんどかかりません。また、そもそも申請や承認といった社内作業は、事務的かつ副次的な業務といえます。そのような作業を簡略化できれば、従業員は他の仕事に手を煩わされることなく、自分の本来の業務に集中できるようにもなります。このように、業務の効率化という点で、ワークフローシステムは会社全体に利益をもたらしてくれる制度なのです。

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また、書類では必要な押印もワークフローシステムを導入すれば必要なくなります。詳しくはこちらの記事をチェック。

テレワークとともにワークフローの導入を

テレワークの課題はワークフローシステムの導入で解決できます。ワークフローシステムは、在宅はもちろんのこと、モバイルからの申請・承認もできるため、テレワークに限らず導入する価値の高いシステムです。rakumo ワークフローなら、コメント機能も搭載しているので、テレワークでコミュニケーション不足が心配という場合でも安心です。ワークフローシステムの導入を模索しているなら、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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