
申請・承認の押印を非効率と感じるなら! ワークフローシステムを導入しよう

多くの企業で日常的に行われている契約書の作成と締結。その中で、意外と見過ごされがちなのが 「押印」 の問題です。年間を通じて発生するこの業務は、経理担当者やバックオフィス部門に少なくない負担を強いるだけでなく、印紙代というコストも発生させます。この記事では、申請 ・ 承認の作業をより効率化したいと考える人に向けて、押印をなくすための方法を紹介します。
ワークフローの中に根付いた印鑑

現代のビジネスシーン、特に承認 ・ 申請作業の中で深く根付いているのが印鑑 (ハンコ) を用いた押印業務です。外部との重要な取り決めである契約書や誓約書をはじめ、社内では請求書、回覧板、各種申請書、稟議書など、多岐にわたる文書で押印が求められる傾向にあります。
こうした申請から承認までの一連の流れは、一般的に 「ワークフロー」 といわれます。組織内では、誰が業務を開始し、誰が処理を進め、最終的に誰が承認して完結させるのかを明確にすることが不可欠です。この業務の流れを明確にし、責任の所在を確認する手段として、押印作業が必要とされてきました。
しかし、この押印作業には看過できない手間と時間が伴います。特に社外とのやり取りを伴う書類であればまだ理解できるものの、社内手続きのために毎回印鑑が必要となることに、非効率性を感じる声も少なくありません。もし押印作業を省くことができれば、その分の時間と労力を大幅に削減し、業務の大幅な効率化が見込めるでしょう。
「承認の印鑑」 の役割 ・ 必要性
このような押印作業ですが、そもそも印鑑を使った押印が果たす役割やその必要性は何なのでしょうか。端的に言えば、その役割は 「その内容に問題がないと承認した」 という意思の表明です。これには、 「確かに自分本人の意思である」 という本人確認の意味合いも含まれています。書類の内容に納得したことの証明として、個人に紐付けられた印鑑を押すことになるのです。
さらに、生体認証では難しい点として、代理人が押印できるという利便性も印鑑にはあります。また、印鑑登録制度が印鑑の効力の大きさを支えているともいえます。印鑑登録された実印は、悪用ではないことを証明する上で非常に重要な役割を担っています。特に、多額の資金が動くような重要な契約の場面では、実印の押印が求められることが多くあります。
社内手続きで印鑑を使うことの課題
印鑑による承認フローの非効率の改善は、企業にとって大きな課題といえます。印鑑での承認作業をスムーズにする方法として、注目されているのが 「電子印鑑」 や 「電子署名」 です。
電子印鑑は、物理的な印鑑の陰影を電子データとして PC 上の書類に直接 「押印」 できるものです。これは社内承認業務には十分活用できます。しかし、電子印鑑はあくまで印影の画像をデータ化したに過ぎないため、企業間の取引においては証拠力に乏しく、信頼性の高い証明とはなり得ません。
一方、電子署名は電子文書が本物であり、かつ改ざんされていないことを技術的に証明するものです。こちらは法的効力を持つため、契約書や発注書といった重要書類での活用が急速に広がっています。
新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及した際、押印のためだけに出社せざるを得ない状況が 「ハンコ出社」 として大きく報じられました。この経験から、企業間の重要な契約においても、電子署名を用いた電子契約が今後ますます普及していくと予想されています。
電子印鑑 ・ 電子署名とは? 法的効力は?
これまでの説明で触れてきた電子印鑑や電子署名は、紙の書類における押印プロセスをデジタル化する有効な手段です。電子印鑑は印影のデジタルデータであり、主に社内での承認業務に用いられますが、企業間の重要な契約における証拠力は限定的です。
これに対し、電子署名は、文書の真正性と非改ざん性を技術的に保証し、法的効力を持つことから、企業間の契約など重要性の高い書類で活用が広がっています。
しかし、真にワークフローそのものを見直し、抜本的な業務効率化を図りたいのであれば、単に押印プロセスをデジタル化するだけでなく、押印の必要すらない 「ワークフローシステム」 の導入が推奨されます。ワークフローシステムとは一体どのようなものなのか、その詳細についてこれから詳しく見ていきましょう。
電子印鑑さえいらない! ワークフローシステムとは

ワークフローシステムとは、企業内の様々な業務プロセス (ワークフロー) をシステム上に組み込み、申請、確認、そして承認や却下といった一連の作業をすべてシステム上で完結できるようにするものです。このシステムでは、申請の種類に応じて、使用すべき正しい書類フォーム、適切な承認者、そして承認のためのルートを事前に細かく設定できます。
これにより、申請者はあらかじめ設定された書類フォームに必要事項を入力し、ボタンを押すだけで申請作業を済ませられます。申請が送信されると、承認者のもとには自動的に通知が届き、システム上で申請内容をすぐに確認できます。内容をチェックし、問題がなければ承認ボタンを押すだけで完了です。このように、電子印鑑さえも必要としないシンプルな手順で、承認作業を迅速に済ませることが可能になります。
ワークフローシステムとは?
ワークフローシステムでは、実は電子印鑑さえも必要ありません。 その理由は、システムへの 「ログイン」 自体が本人であることの証明となるためです。システムにログインしていることが前提となるため、他者による 「なりすまし」 の心配がなく、別途本人確認を行う必要がありません。
また、ワークフローシステムにおける申請や承認は、その当事者以外が閲覧したり編集したりできないように厳重に管理されています。権限のない人が勝手に承認や改ざんを行うことができない仕組みになっているため、非常に安心して利用できます。
つまり、ワークフローシステム上での承認は、印鑑が担ってきた 「承認するという意思表示」 と 「本人確認」 という二つの重要な役割を完全に代替していると言えるのです。
リモートワークへの貢献
「ログイン」 による本人確認が可能なワークフローシステムは、印鑑を不要にするだけでなく、企業にさまざまなメリットをもたらします。その一つが、 「リモートワークの導入に役立つ」 点です。
申請や承認といった一連の業務がシステム上で完結できるということは、システムにアクセスさえできれば、離れた場所にいても作業を進められることを意味します。これにより、承認者が外出中や出張中でオフィスにいなくても、場所を選ばずに承認業務を行うことが可能になります。
このように、ワークフローシステムは、リモートワークやその他の柔軟な働き方を導入する上で不可欠なツールであり、企業全体の業務効率化を強力に推進します。
ワークフローシステムその他のメリット

ワークフローシステムは、押印業務をなくすだけでなく、進捗管理においても大きな役割を果たします。システム上で各申請のステータスをリアルタイムで確認できるのが特徴です。
これにより、稟議書のように承認フローが長く複雑なものでも、現在誰のところで作業が止まっているのかが一目で分かり、業務のボトルネックを素早く特定し解消できます。
さらに、申請書類がデータ化されることによって、物理的な保管場所に困ることがなくなります。オフィススペースの有効活用につながるだけでなく、必要なときに申請者が過去の申請書類を簡単に検索 ・ 参照できるという利便性も生まれます。
このように、ワークフローシステムを導入することは、業務効率化、働き方改革の推進、そして内部統制の強化といった、企業にとって多岐にわたるメリットをもたらします。
コミュニケーションの温かみを残したいなら 『rakumo ワークフロー』
印鑑の使用を完全にやめ、抜本的な業務効率化を目指したい企業には、 「rakumo ワークフロー」 の活用をおすすめします。
「rakumo ワークフロー」 申請の承認・却下時に、単に可否を示すだけでなく、詳細なコメントや却下理由を付記できる機能を備えています。これにより、直接顔を合わせることなくとも、申請者と承認者間の円滑なコミュニケーションを促進し、業務プロセスにおける透明性と理解度を高めることが可能です。
また、特長として挙げられるのが、代理承認 ・ 代理申請の機能です。これにより、担当者が出張中や休暇中でも業務が滞ることなく進行します。さらに、申請に優先度を設定できるため、企業の業務状況に合わせて柔軟に活用でき、緊急性の高い案件を優先的に処理することが可能です。
それに加えて、 「rakumo ワークフロー」 は 「Google Workspace」 との強力な連携が大きなメリットです。 「Google Workspace」 をすでに活用している企業であれば、既存の環境とシームレスに統合することで、さらなる生産性の向上と業務効率化を期待できるでしょう。
※ Google Workspace とは
印鑑をなくして業務を効率化しよう!

印鑑には意思表示や本人確認などの重要な役割があります。ただし、毎日の業務で印鑑を使用する場合、業務が滞りやすいことが大きな課題です。
このような問題を解消するためには、ワークフローシステムを活用することがおすすめです。印鑑の役割をワークフローシステムに引き継ぎ、業務の効率化を目指してみてはいかがでしょうか。