勤怠管理
公開 2020.12.11

エクセル管理は危険!勤怠管理システムでの有給管理で、多様な働き方に適応

働き方改革法案のひとつとして、2019年4月から年次有給休暇5日の時季指定取得が義務化されました。正社員、契約社員、派遣や業務委託のパートナーなど多様な働き方が増える中、全社員の有給休暇管理の煩雑さに悩んでいる企業は多いのではないでしょうか。

今回は、勤怠管理における有給休暇の管理のポイントや、勤怠管理システムを用いて正確に有給管理を行う方法についてご紹介します。

有給休暇とは

年次有給休暇は労働基準法で定められた労働者の休暇制度で、業種・業態関係なく一定の条件を満たした労働者全員に与えられるものです。年次有給休暇の対象となる労働者の条件と付与日数は以下の通りです。

【年次有給休暇の付与条件】

  • 雇い入れから6か月間継続して勤務している
  • 6か月間の全労働日のうち、8割以上出勤している

この付与条件に当てはまる場合は、正規社員だけでなく非正規のアルバイト・パート、契約社員にも年次有給休暇を付与する必要があります。

年次有給休暇の付与日数
週所定労働日数 1年間の所定労働日数 継続勤務年数[年]
0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
付与日数[日]
5日以上 217日以上 10 11 12 14 16 18 20
4日 169日〜216日 7 8 9 10 12 13 15
3日 121日〜168日 5 6 7 8 9 10 11
2日 73日〜120日 3 4 4 5 6 6 7
1日 48日〜72日 1 2 2 2 3 3 3

年次有給休暇は入社半年後に10日間付与され、翌年度には11日、翌々年度には12日と勤続年数が長くなるにつれて付与日数が増加します。また、短時間労働者は週の所定労働時間がフルタイム社員の4分の3以上を超えた時点で年次有給休暇が付与され、付与日数は出勤日数によって変動します。

労働者の雇用形態、所定労働時間によって付与日数が異なるため、人事労務担当は慎重に従業員の年次有給休暇を管理する必要があります。従業員の年次有給休暇を管理するための年次有給休暇管理簿については 「有給休暇は年次有給休暇管理簿で管理する」 で詳しく解説します。

働き方改革で何が変わった?有給休暇5日の取得義務について

日本の労働者は年次有給休暇の取得率が52.4%となっており、従業員数100人未満の事業所では有給取得率が47.2%と半数を割る結果となっています。(平成31年就労条件総合調査 結果の概況より) 有給取得が低い状況を受け、2019年4月に年次有給休暇5日間の時季指定が義務化となりました。年次有給休暇の時季指定への取組を怠ると、事業主に罰則が与えられるため注意が必要です。

■年次有給休暇5日間の取得義務・制度の概要

労働者に年5日の有給を取得させることを、使用者に義務化した制度です。年10日以上の年次有給休暇を付与される労働者全員が対象となり、短時間労働者も付与日数が10日超えた時点で義務化の対象となります。
年次有給休暇を労働者に付与した日を基準日とし、そこから起算した1年以内に取得時季を指定して有給取得をさせましょう。

■年次有給休暇の時季指定とは?

使用者が労働者に「いつ有給休暇をとりたいですか?」と聴取してから年次有給休暇取得日を指定し、取得させる方法です。

■年次有給休暇の時季指定が必要ないケース

労働者が既に5日間の有給を消化済の場合、使用者は時季指定をする必要がありません。

■年次有給休暇の5日取得を怠った企業に対する罰則は?

年次有給休暇の5日取得義務は、働き方改革法案で定まった全事業者向けの法律です。年5日の有給取得をさせなかった場合や、年次有給休暇の時季指定について就業規則に記載がなかった場合は30万円以下の罰金が科されることがあります。
基本的には労働者が希望した時季に有給を与えるルールですが、これに反した場合も6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があることを押さえておきましょう。
罰金を免れたとしても、従業員からの訴訟リスクや社名公開、ブラックリスト登録など、会社の信頼性を失う可能性もゼロではないため、年次有給休暇の管理・義務化への対応は必須です。

有給休暇は年次有給休暇管理簿で管理する

年次有給休暇の5日取得義務を遵守するための、有給休暇管理方法についてご紹介します。

有給休暇の管理には「年次有給休暇管理簿」が必要

年次有給休暇を管理する際は、「年次有給休暇管理簿」を作成することが義務付けられています。年次有給休暇管理簿は、賃金台帳や労働者名簿とあわせて作成しても大丈夫です。

労働者ごとに、年次有給休暇の基準日、年次有給休暇付与日数、時季、取得日数、残日数を明らかにして記載し3年間保存をしなくてはなりません。いつでも確認できるよう、システム上で管理する方法が望ましいでしょう。

有給休暇の管理方法

年次有給休暇の管理方法はアナログな手作業管理と、デジタルでの管理方法に大別されます。

■アナログな管理方法

  • 有給休暇の管理簿のひな形をダウンロードし印刷
  • 賃金台帳や労働者名簿が紙の企業は、そのまま紙に手作業で書き込んでカウント

紙媒体に有給日数を管理する方法です。雇用形態や、出勤日数が異なる従業員の有給日数を手作業でカウントするのは、管理が煩雑になるためあまりおすすめできません。

■デジタルを用いた管理方法

  • オンラインストレージを用いて、エクセルやスプレッドシートにまとめる方法
  • 勤怠管理システムを利用

インターネット上の無料の有給管理簿ひな形をダウンロードして、オンライン上に保存し書き込む方法があります。オンライン保存であれば、複数名が同時にアクセスできる利便性もありますが、日数の入力は手作業となるため計算ミスが起きる可能性があるでしょう。
一方、勤怠管理システムでの有給管理はリアルタイムで正確に日数カウントができるため、他の方法と比較すると安心な方法と言えます。

時間単位有給や半休の管理方法

年次有給休暇は労使協定を締結すれば、年5日まで時間単位で取得することが可能です。これを時間単位年休と言います。コロナウイルスの影響で、テレワークやフレックス制度を取り入れるなどより柔軟な働き方に注目が集まる中、時間単位年休の導入を検討する企業は少なくありません。
時間単位年休を年5日分付与するということは、所定労働8時間×5日=40時間分の年次有給休暇を管理することになります。1日単位での管理ではなく、時間数での管理が発生するため、リアルタイムに時間数を集計してくれる勤怠管理システムを利用すると良いでしょう。

また、最近では入社後半年を待たずして、入社初日を基準日とし年次有給休暇を付与する企業や、半日ごとの半休制度を導入する企業もあります。1日単位、半日ごと、1時間ごとと様々な角度から個々の労働者の年次有給休暇を管理するためには、デジタルツールの活用が必要不可欠です。

勤怠管理システムで有給休暇を正しく管理しよう

年次有給休暇の基準日や取得状況をリアルタイムで正確に管理するためには、勤怠管理システムを活用すると良いでしょう。勤怠管理システムとは、従業員の出退勤情報や休暇、時間外労働の状況をリアルタイムで管理できるシステムです。最近ではスマホやタブレット、複数端末やICカードリーダーと連動させたクラウド型の勤怠管理システムが主流になっています。

勤怠管理システムを利用すれば、年次有給休暇の日数が簡単にチェックできるだけでなく、各従業員の代休、振休、夏季休暇、慶弔休暇、企業独自の休暇までワンストップで管理することができます。もちろん、先に解説した時間単位年休や半日単位での有給取得も残日数・残時間を正確に記録することが可能です。
つまり、勤怠管理システムを導入すれば、年次有給休暇にまつわる法律順守をすることができ、手作業の管理を脱却すれば業務効率化につながるということです。

有給休暇の管理には「rakumoキンタイ」が最適

勤怠管理システム「rakumoキンタイ」では、従業員一人ひとりの有給状況を簡単に管理することができます。rakumoキンタイを導入することで、アナログな年次有給休暇の管理から脱却することができ、日数計上の煩雑な業務負荷が軽減させることが可能です。

rakumo キンタイのメリット

その他にも、rakumoキンタイの利用には次のメリットが挙げられます。

  • テレワーク時のモバイル打刻、Web打刻が可能
  • モバイルではGPSが付くので全国どこでも、外勤先や自宅でも勤怠管理できる
  • 勤怠状況が一覧化されるので、管理者にとって使いやすい
  • 有給以外にも、体調不良や家庭の事情などさまざまな「休暇申請機能」が利用可能
  • 付与方式を、「入社基準」「一与基準」など柔軟に設定でき、自動で付与することが可能

日常的な勤怠管理はもちろん、年次有給休暇の管理に関してもボタン1つで設定切り替えが可能です。また、管理者は、全スタッフの年休の取得状況も閲覧可能です。

年次有給休暇の管理は働き方改革法案で定められ、既に施行開始している法律です。まだ年次有給休暇の管理をデジタル化していない場合は、ぜひ勤怠管理システムに移行して効率的に勤怠と有給管理を進めていってください。
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