
稟議の回し方を変えて効率アップ! ワークフローシステムで稟議を電子化

稟議書を回覧して承認を得るプロセスは長い時間がかかり、非効率だと感じている方も多いでしょう。稟議を円滑に進めるためには、電子化が有効な手段となります。
本記事では、稟議を電子化する具体的な方法と、そのメリットについて解説します。
稟議とは? 決裁とは違うの?

稟議とは、組織内で新たな取り組みや決定事項を導入する際に、その内容を書面にまとめ、関係者に回覧して承認を得る手続きのことです。例えば、備品の購入や契約の締結などを行う際に、稟議が実施されます。
稟議書は主に、組織内で権限を持つ者が確認します。回覧された書類を受け取った者は、内容を精査し、問題がなければ承認印を押します。ただし、重要な案件については、稟議ではなく会議を開催して審議する必要がある場合もあります。
稟議は、会議を開くまでもない、書面確認のみで判断が可能な案件に対して行われます。これにより、日常的な備品購入や簡単な契約などの手続きを、会議にかけることなくスムーズに進めることが可能になります。
稟議と似た言葉としては「決裁」が挙げられます。決裁は権限をもつ1人のみが承認を行うのに対し、稟議は複数の人から承認を得るという点で異なります。つまり、各承認者から決裁を得ることで、稟議の最終的な承認が完了することになります。
審議書を回すデメリット
稟議手続きにおいて、紙の書類を作成して回覧し、印鑑を押すという方法を採用している企業は少なくありません。
しかし、このような従来の方法には、多くのデメリットが存在します。ここでは、紙の稟議書を回覧することに伴うデメリットについて見ていきましょう。
スピード感がない

紙の稟議書を用いた手続きでは、関係者全員が確認を終えるまでに長い時間を要します。なぜなら、書類を順番に回覧するため、前の担当者が承認を完了しない限り、次の担当者は承認作業を進めることができないためです。稟議という手続き自体に時間がかかるという性質に加え、紙の書類を使用することで、決裁までのスピードはさらに遅延してしまうでしょう。
例えば、書類を手渡ししたりデスクに置いたりする必要があるため、書類を回覧する際には、承認者が席にいるかどうかを確認しなければなりません。また、承認者が外出している場合には、稟議書を確認することができず、手続きが停滞してしまいます。さらに、別の支店や本社など、遠隔地での確認が必要となる場合には、 FAX や郵送で稟議書をやり取りする手間も発生します。
現代のビジネス環境において、スピードは非常に重要な要素です。そのため、稟議書の回覧に時間がかかっているとビジネスチャンスの逸失にもかねまつながりかねません。
内容や金額によって手続きが変わるため覚えられない
企業によっては、多くの内容について稟議による決裁をおこなっています。しかし、稟議書のフォーマットは、内容や金額によってそれぞれ違うケースもあります。
また、稟議につけるべき資料や回覧するルートも異なっている可能性が高いです。その場合、稟議を回す申請者や権限をもつ承認者は、それぞれの手続きの違いをすべて完璧に覚えているとは限りません。
特に稟議の頻度が少ない事案であれば、正しい手続きを忘れてしまう恐れがあるでしょう。書類や回覧するルートに間違いがあれば最初からやり直さなければならず、稟議を終えるまでにかかる時間はさらに長くなります。
忘れられる・紛失される恐れがある
稟議の最終的な承認が下りない場合、どこかで回覧が止まっている可能性があるでしょう。稟議は前の人から次の人へリレー方式で回すので、まずはどこで止まっているのか確認するところから始めなければなりません。
実際には、承認者が後で確認しようと思っているうちに忘れていたり、書類が紛失されていたりするケースもあります。状況によっては、稟議書の作成そのものからやり直さなければならない可能性もあるでしょう。
決裁の状況を把握できないということは、仕事の進捗管理ができないとも言い換えられます。この点は、稟議の大きなデメリットだと言えるでしょう。
資料も添付して回す必要があり手間
稟議を回すには、単に稟議書を作成するだけでなく関連する資料も用意して添付する必要があるので、手間がかかります。複数の資料が関係する場合もあり、必要な部分をピックアップしたり印刷したりしなければなりません。
また、稟議書と一緒にクリップで留めるだけのケースも多く、回覧しているうちに紛失されるリスクもあります。加えて、稟議書を回し始めた後で資料に修正が必要になる場合もあるでしょう。その場合は稟議がどこまで回っているか確認し、そのうえで新しい資料に差し替えなければなりません。
管理が面倒

紙の書類で稟議を回す場合、書類の管理にも手間がかかります。例えば、稟議を確認する承認者は、回ってきた稟議書を一時的に保管するスペースを確保する必要があります。
また、紛失しないよう、責任をもって管理しなければなりません。さらに、稟議書の作成者は、最終的な承認が下りた後、決裁が完了した証拠として稟議書を保管する必要があります。
日常的に多くの稟議書を回しているなら、過去の稟議書の保管のために多くのスペースの確保が求められます。なお、後から過去の稟議書を参照したいと思ったときも、膨大な書類の中から探し出すのは一苦労です。
ワークフローシステムによって稟議書を電子化!
紙で回すと手間がかかる稟議書も、 「ワークフローシステム」 を組み込めば電子化できます。
ここでは、ワークフローシステムとはどのようなものか説明します。
ワークフローシステムとは
ワークフローとは、業務の一連の流れのことです。また、業務の一連の流れを可視化し、定義として定めたものをワークフローと表現する場合もあります。
つまり、ある業務において、どのような順番で誰が何をするかを表したものがワークフローです。例えば、稟議のワークフローは、申請者が稟議書を作成し、承認者から次の承認者へ回覧するという流れになっています。
そして、ワークフローシステムとは、ワークフローをコンピューターのシステムに登録して一元管理できるようにした仕組みのことです。
稟議書の電子化とは
ワークフローシステムを導入することで、稟議書をデータ化し、権限を持つ担当者へオンラインで送信することが可能になります。これにより、稟議書の内容を確認するだけでなく、承認までオンライン上で済ませられます。
ワークフローシステムでは、稟議の内容や金額ごとにあらかじめ回覧するルートを設定することも可能です。ワークフローシステムを導入すれば紙の書類による稟議のデメリットを解消でき、最終的な承認までスピーディーに進めやすくなるでしょう。
ワークフローシステムで稟議書を処理するメリット
ワークフローシステムを利用して稟議を電子化する場合、さまざまなメリットを得られます。
ここでは、ワークフローシステムで稟議書を処理するメリットについて具体的に紹介します。
コスト削減
稟議書を電子化すれば、稟議にかかるコストの削減できます。まず、稟議書を紙に印刷しなくて済むため、紙代や印刷代などのコストが必要なくなります。稟議書そのものだけでなく、添付する資料もオンライン上での送信が可能です。
さらに、他の支店や本店など離れた場所に紙の書類を送る必要もなくなるので、通信費も減らせます。一度にかかるコストは小さいとしても、年間を通して多くの稟議を回せばコストは積み重なっていくので、ある程度の期間でみると大幅な節約となる可能性が高いでしょう。
また、ワークフローシステムを導入した場合、稟議だけでなく、他の申請手続きもオンライン上で対応できます。稟議とともに社内の手続き全般を積極的に電子化すれば、コスト削減の効果もより実感しやすくなるはずです。
時間・手間・ストレスの軽減
稟議書を電子化すると、費用だけでなく、時間や労力などのコスト削減できます。紙の稟議書を確認できるのは承認者が社内にいる間だけなので、最終的な承認まで長い時間がかかります。
しかし、稟議書を電子化したうえでクラウド型のワークフローシステムを利用すれば、承認者は場所を選ばずに稟議の確認や承認作業を行うことが可能です。これにより、急ぎの案件も迅速に承認プロセスを進めることができるでしょう。
また、ワークフローシステムを利用すれば、承認者が次の承認者のもとに稟議書を運ぶ手間もかかりません。ワークフローシステムによる稟議書の電子化は、申請者と承認者双方の負担を軽減し、稟議手続き全体をよりスムーズで快適なものにします。
ミスを防げる
ワークフローシステムを活用することで、案件の内容や金額に応じた適切な稟議書フォーマットを容易に検索できます。これにより、書類の様式に関する基本的なミスを未然に防ぐことが可能です。
また、システム上での入力チェック機能により、記入漏れといった不備も減少するでしょう。稟議書の作成方法に迷う場合でも、過去の類似案件の稟議書や記入例を検索して参考にすることができます。
さらに、ワークフローシステムを利用することで、稟議の回覧中にミスが発覚し、手続きをやり直すといった手間も回避できます。
管理や保管が楽

稟議書を電子化すれば、管理や保管の手間も少なくなるでしょう。紙の稟議書や関連資料を管理する場合、紛失のリスクは避けられません。また、過去の書類を保管するには、物理的なスペースも必要です。
しかし、稟議書を電子化してオンライン上で管理や保管をおこなえば、紛失はもちろん、書類に汚れがついたり傷んだりする心配もなくなります。書類の量が多くても、邪魔になることはありません。
承認者も、稟議書を一時的にどこで保管すればいいか悩む必要はなくなるでしょう。さらに、過去の稟議書を閲覧したい場合も、電子化されていれば簡単に検索できます。
監査の際の効率アップ
稟議書の電子化により検索がしやすくなっていると、監査の際もスムーズに対応できます。
企業では定期的に内部監査や外部監査などが実施されますが、紙の書類の場合、必要なものをすべて探し出すのは大変な作業です。しかし、書類がオンライン上で管理されていれば簡単に検索をかけられるので、瞬時に見つけ出せます。
また、もともと丁寧に保管していても、紙の書類は時間の経過とともに劣化が進むので、古いものは読みにくくなっている可能性もあります。電子化した書類は劣化の心配がないため、必要な情報をきちんと提示できるでしょう。
ワークフローシステムで申請書類を電子化!
稟議を効率化したいなら、ワークフローシステムを導入して電子化すると効果的です。稟議がスピーディーに進むだけでなく、コストを削減できたり管理や保管もしやすくなったりします
rakumo ワークフローGoogle ドライブをはじめとするツールとも連携できるので必要書類も簡単に添付できます。rakumo ワークフローを導入して、稟議にかかる手間やコストから解放されましょう。