社内のコミュニケーション不足を解消する、低コストで実践可能な対策とは?
社内コミュニケーションの不備は、時に重大なトラブルへと発展する可能性があります。
現代では働き方の多様化に伴い、社内コミュニケーションのあり方も大きく変化しており、業務を効率的に進めるためには、社内コミュニケーション不足への対処がこれまで以上に重要になっています。
この記事では、コミュニケーション不足が引き起こす具体的な問題点と、その解決に繋がる方法、そして効果的なツールについて詳しく解説します。
社内コミュニケーション不足が引き起こす問題点
社内でのコミュニケーションが不足していると、どのような問題につながるのかを知っておくことは重要です。ここでは、コミュニケーション不足による主な問題点を4つ説明します。
問題点 (1) 突然の退職が増える
社内コミュニケーションが不足すると、 「サプライズ退職」 が増加する可能性があります。日々のコミュニケーションが不足しているせいで、社員同士の意思疎通がうまくいかず人間関係が悪化しやすくなり、仕事の相談もしづらくなるためです。
退職を決める理由の多くは人間関係だと言われています。マイナビの平成30年度の転職理由ランキングによると、第3位に 「職場の人間関係が好ましくなかった」 という人間関係に起因する理由がランクインしています。
人間関係に疲れた、社内の人とうまくいかないと感じている社員は、退職につながりやすいと認識しておくことが必要です。
また、そういった悩みを抱えている社員は、社内の人に相談することなく退職を決断してしまう傾向があります。そのため、会社側にとっては 「突然の退職=サプライズ退職」 となってしまうのです。
問題点 (2) 業務の非効率化と停滞
社内コミュニケーションが不足すると、業務が円滑に進まなくなってしまいます。
業務が円滑に進まないとは、具体的に次のような状況を指します。
- コミュニケーション不足で充分な情報伝達ができず、トラブルが発生してしまう。
- コミュニケーション不足で、社員同士のナレッジ共有や助け合い風土が醸成されず、仕事が属人化してしまう。
- コミュニケーション不足のせいで、経営層と現場の意見が食い違い、スピード感を持ったサービス提供ができなくなる。
個人のスキルや知識を結集して、大きな組織としてビジネスを進められる点が会社の強みです。社内のコミュニケーションが不足し、組織力が育たないままでは、会社の成長は期待できません。
問題点 (3) 企業評判の低下
社内コミュニケーション不足が続くと、企業の評判が低下し、業績に悪影響を及ぼすことがあります。社内でコミュニケーションが円滑に行われないことが要因で、業務が滞り、サービス品質の低下や納期遅延といった重大な事態に繋がる可能性があります。
例えば、営業担当と受注後のアフターフォロー担当者間で顧客情報が適切に共有されていなかったり、社内メンバー間でスケジュール共有が行われず納期が後ろ倒しになったりするケースが考えられます。
このように、コミュニケーション不足が原因で顧客に不便や迷惑をかけると、会社全体の信頼が失墜しかねません。会社の評判が落ちれば、新規顧客の獲得や採用活動にも悪影響が及ぶ可能性があります。
問題点 (4) コンプライアンス違反のリスク増大を招く
社内コミュニケーションの不足は、深刻なコンプライアンス違反を招く恐れもあります。
コミュニケーションが不足すると、社員間の信頼関係が希薄になり、適切な報告 ・ 連絡 ・ 相談 (報連相) が滞りがちになります。その結果、 「都合の悪いことは上司に報告せず隠蔽する」 「同僚に相談できず不正行為に走る」 といった行動が蔓延し、嘘や隠し事が当たり前の社内風土が醸成され、重大なコンプライアンス事故につながるリスクが高まります。
社員同士が適度なコミュニケーションを取りながら、相互に健全なチェック機能を果たせる環境を整備することが極めて重要です。
コミュニケーション不足を解消するための具体的な方法
コミュニケーション不足が様々な問題に繋がることが明らかになりました。ここでは、コミュニケーション不足を解消するための具体的な方法を3つ紹介します。
方法 (1) コミュニケーション機会を制度化して日常に組み込む
コミュニケーションを取ろうと思っていても、一日に何人とどのくらいの時間をかけてコミュニケーションを取ったか、細かく把握することは難しいものです。また、業務や顧客対応を優先して、無意識に社内コミュニケーションが減ってしまうことも少なくありません。
コミュニケーションには 「質」 と 「量」 がありますが、 「量」 を増やすことは、社内の仕組みで解決することが可能です。
例えば、週に一度はトークテーマを決めたオンラインランチを開催し、部署や年次に関わらず共通の趣味を持つ人と会話をする、オンラインでの 1on1 の実施、朝会をオンラインで実施し、雑談の時間を設ける、5分以上かかる相談や質問はWeb会議で実施するなど、強制的にコミュニケーションを取る機会を社内制度として取り入れます。
その他にもWeb会食支援制度など、自主的なコミュニケーションを促すような制度を設けることも有効です。
このように、コミュニケーション機会を仕組み化して、制度的にコミュニケーション量を増やす方法があります。
方法 (2) 「上にものが言えない」 企業風土の改善
二つ目のコミュニケーション不足解消法は、上司に意見を言いやすい企業風土を醸成することです。同僚や部下には意見を言えても、立場が上の者に対しては発言しづらいと感じるのが一般的です。
部下が何でも相談できる風通しの良い企業風土を築くためには、上司と部下の双方が以下の点を意識すると良いでしょう。
■ 上司が気を付けること
- 部下に話しかけられたら必ず手元の作業を止めて話を聞くようにする
- 部下から話しかけられるのを待つのではなく、上司から積極的に話しかけるようにする
- 話を途中で遮らず、最後まで聞いた上で意見を述べる
- できる限り部下の近くで仕事を行い、質問がしやすい環境を作る
- 1on1 ミーティングを設け、毎週必ず部下と会話するまとまった時間をとる
- 部下の特性や正確に併せてアドバイス、フィードバックを行う
■ 部下が気を付けること
- 悪いこともすぐ報告する癖をつける
- 上司との会話の中で 「自分がどこまで理解しているか」 「今どのような気持ちなのか」 など、自分の意見や感情をきちんと伝える
- わからないことや不安なことがあれば、こまめに相談を行う
- 相談する際は上司の予定を確認し、忙しい時間帯は避ける
- アドバイスやフィードバックは素直に受け取り、すぐに実践する
コミュニケーションは、お互いの協力があって初めて成り立ちます。上司と部下、それぞれの立場で傾聴と共感を意識しながら、コミュニケーションが活発な企業文化を醸成していくことが重要です。
方法 (3) 「ナナメの関係」 の構築促進
三つ目の方法は、社内でナナメの関係を構築することです。上司と部下の関係を 「タテの関係」 、同期や同僚を 「ヨコの関係」 とすると、直属ではない上司や、異なる部署の社員との関係は 「ナナメの関係」 と位置付けられます。
タテ ・ ヨコの関係だけでなく、ナナメの関係も意識してコミュニケーションを促すことで、社員同士が多角的に繋がり、コミュニケーションの総量を増幅させることができます。
ナナメの関係を構築するためには、社内イベントや別部署の社員とのシャッフルランチ、社内 SNS での交流などに取り組むことが推奨されます。また、自分とは異なる部署の業務内容を知り、実際に関わる機会を設ける取り組みも有効です。
自分以外の社員がどのような仕事をしているかは、意外と見えにくいものです。他部署の業務に興味を持って学ぶことで、社員それぞれの視野が広がり、良い刺激になるでしょう。
また、他部署の業務内容を理解することで、よりスムーズな部署間連携が可能となるメリットもあります。具体的には、マルチ担当制を導入し、一人の社員が複数の部署の業務を担当したり、一つの業務を複数の部署の社員が共同で担当したりする方法があります。マルチ担当制の導入は、業務の属人化防止にも繋がります。
コミュニケーション不足を解消するツール
社内のコミュニケーション不足を解消するためには、コミュニケーションに特化したツールを導入することも効果的です。
本章では、コミュニケーションを円滑にするためのツールをご紹介します。
社内 SNS や社内掲示板ツール
まず、社内 SNS や社内掲示板ツールの利用が挙げられます。これらを活用することで、場所を選ばずに気軽に双方向のコミュニケーションを行うことが可能になります。
社内 SNS はスマートフォンでも利用できるため、外出が多く社内にいる機会が少ない営業社員でも利用しやすいでしょう。また、別の拠点にいる社員や育児休業中の社員などとも簡単に繋がることができる点も大きなメリットです。
さらに、会社の新着情報やお知らせ、業務ノウハウなどの共有だけでなく、業務以外の趣味などに関するプライベートな情報についても積極的に発信してもらうことによって、その社員の人柄を理解するといった活用方法も有効です。
チャットツール
コミュニケーションを促進するツールとしては、 Slack や Google Chat、 Chatwork といった、メールよりも気軽にやりとりができるツールも数多く存在します。
チャットツールを利用することによって、社員同士のコミュニケーションはさらにとりやすくなるでしょう。また、チャットツール導入によってコミュニケーションの活性化を実現できれば、業務効率化につながることも見逃せないメリットです。
チャットツールは、相手に対してメンションをつけて発信できる機能があります。メンションをつけると、相手の端末に通知が届いてしまうので、メッセージを送る時間帯や曜日に配慮が必要です。
業務時間外の夜の時間帯にはメンションをつけない、深夜~早朝の時間帯はメッセージを送らない、業務時間外は通知をオフにする設定をしておくなど、一定のルールを導入しても良いでしょう。
誰でも気軽に使える社内掲示板 「rakumo ボード」
社内 SNS や社内掲示板などのコミュニケーションツールを導入する際は、 「社員の誰もが使いやすい」 「誰でも積極的に参加しやすい」 ものを選ぶと良いでしょう。
使いやすさに定評があるものとしては 「rakumo ボード」 が挙げられます。 「rakumo ボード」 は、 SNS の 「いいね」 のようにポジティブな評価を送れるグッジョブ機能やコメント機能を備えており、コミュニケーション活性化のきっかけづくりに貢献してくれます。
また文字装飾や画像、動画挿入なども簡単に行えて様々な表現が可能なため、見る人も発信する人も楽しむことができるのが特徴です。社内掲示板の導入にあたっては 「rakumo ボード」 も候補に入れて検討してみてください。
コミュニケーション不足は深刻な課題 : 今すぐ改善を
社内でのコミュニケーション不足は、単に職場の雰囲気が悪くなるだけでなく、離職率の上昇、業務の停滞、コンプライアンス違反の多発など、企業経営そのものに深刻な影響を与えるリスクをはらんでいます。
コミュニケーション不足の兆候が見られる場合は、早急な対策が不可欠です。まずは、社内 SNS や社内掲示板といったツールをうまく活用し、社内コミュニケーションを活性化させる第一歩を踏み出しましょう。
社内掲示板 ・ ポータルの導入をご検討の場合は是非 「rakumo ボード」 をご検討ください。