社内掲示板
公開 2023.09.28

社内ポータルで有益な情報共有を。導入メリットや事例・作り方を紹介

社内で共有すべき情報がまとまっていないと、業務の遂行やコミュニケーションに課題が生じる可能性があります。散らばりがちな情報を一元化して共有しやすくするためには、社内ポータルサイトが有用です。

本記事では、社内ポータルサイトの導入メリットから事例、構築手順、作成に使えるツールまで紹介します。自社の課題解決に役立つ社内ポータルサイトを導入する際に役立てましょう。

INDEX

社内ポータルサイトとは

社内ポータルサイトとは、企業が社員向けに提供する情報共有サイトのことです。業務に関する情報から社内報や社内規則・マニュアル・営業情報など、社内のあらゆる情報が一覧で掲載されます。

ナレッジベースや社員のスケジュール管理機能・プロジェクト管理機能・ストレージなど、業務に必要な機能をそろえることで社内ポータルの利便性の向上が可能です。モバイルからもアクセスしやすい設計なら、場所によらずいつでも必要な情報にアクセスできます。

社内ポータルサイトと類似したツールに、社内 SNS や社内掲示板があります。社内 SNS はコミュニケーションの活性化を目的としており、気軽なやり取りに向くツールです。社内掲示板は社員だけが閲覧・編集できるインターネット上の掲示板で、社内ポータルサイトとも連携できます。

社内ポータルサイトを導入するメリット

自社で社内ポータルサイトの作成を検討している担当者の中には、具体的にどのようなメリットがあるのか気になっている人もいるでしょう。社内ポータルを導入する主なメリットを紹介します。

必要な情報に手間なくアクセスできるようになる

社内ポータルサイトを作れば情報の一元化が可能となり、社員が必要な情報に素早くアクセスできます。仕事上でわからないことがあっても、社内ポータルサイトを見れば自己解決できるため、質問する手間が省けます。

情報共有のためだけに行われる会議も削減でき、その分の時間を他の作業に回せるため、業務効率や生産性の向上が見込めるでしょう。

情報を発信する側の負担が減る

社内ポータルサイトを作成すれば、情報を発信する側の負担削減につながります。どこに情報があるのかわからないと、似たような問い合わせが繰り返し寄せられるため、担当部署の手間が増えてしまいます。

社内ポータルサイトがあれば、多人数へ一度に情報を共有できるため、周知スピードの向上が可能です。他の部署に情報を共有したいときにも、社内の情報を一元管理している社内ポータルサイトを使うことで効率化できます。

コミュニケーションが活性化する

社内ポータルサイトを使うことで、コミュニケーションの活性化につながります。チャットやコメント機能が使える社内ポータルサイトなら、メールよりも手軽なコミュニケーションが可能です。結果としてカジュアルなやり取りが増え、情報を共有しやすい状況が生まれます。

ただし、社内ポータルサイトを構築できる全てのツールに、チャットやコメント機能が備わっているわけではありません。チャットやコメント機能付きの社内ポータルサイトを作る方法としては、主に以下の3パターンが考えられます。

  • チャットやコメント機能がないツールに、他のツールや拡張製品を組み込む
  • チャット・コメントの機能を備えたツールを使う
  • グループウェアを社内ポータルサイトとして活用する

自社でコミュニケーションの活性化を図るために必要な機能によって、選定するツールを決めましょう。例えば他部署ともやり取りできるチャット機能を設ければ、部署間での協働がしやすくなります。社内ポータルサイトで他部署の進捗管理や関連資料を共有すると、部署の垣根を越えて横断的なやり取りが可能です。新しいアイデアが生まれる可能性もあります。

メンバーの積極的な情報共有を促せる

社内で情報を共有する場所やツールがバラバラだと、発信する側・受信する側両方の手間がかかります。さらに情報共有に関するルールが決まっていない状態では、社員の混乱を招く事態を懸念して、積極的に発信しないメンバーもいるでしょう。その発信に関係ない人にまで情報が届いて混乱する可能性を考え、グループチャットなどを使いにくいケースが考えられます。

そこで社内ポータルサイトを作れば、情報の一元化ができ、情報共有のルールも決めやすくなります。情報共有のネックを解消できる社内ポータルサイトの作成は、積極的な情報共有を促すための良い施策です。

働き方の多様性に対応しやすくなる

社内ポータルサイトを設けることにより、多様な働き方への対応が可能です。テレワーク環境では、基本的にオンラインでの情報共有が全てとなります。対面でわからないことや業務状況などの情報を得にくいでしょう。

社内ポータルサイトで業務に関連する情報をまとめておけば、テレワーク時でも状況把握や問題解決がスムーズになります。

接客業なら店舗、建設業なら現場など職種によって働く場所が異なる組織にも、社内ポータルサイトの導入は効果的です。オフィスにいなくても必要な情報に簡単にアクセスできるため、業務の効率化につながります。

業務の属人化を解消できる

社内ポータルサイトは、業務の属人化の解消に役立ちます。業務の属人化とは、ある業務を特定の社員のみが担当することで、業務内容や関連情報が担当者しかわからなくなる状態です。

特定の社員だけが持っている情報やノウハウが多くなると、人材の育成が難しくなります。業務内容や状況が見えないため、非効率があっても是正されにくい上、業務を担当するエース社員の離職・休暇時に売り上げや業務進捗への影響が大きいという問題も見過ごせません。

社内ポータルサイトを活用することで、業務マニュアルやノウハウを知るべきメンバー全員に共有できるようになり、属人化の解消につながります。

研修が効率化する効果も

研修が効率化するのも、社内ポータルサイトを作るメリットです。研修には対象者への資料共有をはじめとして、大きな手間と時間がかかります。

そこで社内ポータルサイト上に研修用のコンテンツを作り、必要な情報をまとめておけば、参加者にアクセスしてもらう形での研修が可能です。オンラインで研修を実施すれば、時間やコストの削減につながります。定期的にコンテンツを更新すれば、研修後のアフターフォローも効率化するでしょう。

社内ポータルサイトの成功事例

自社の課題を踏まえて成功事例を見ることで、社内ポータルサイトの導入が課題解決に役立つかどうか判断しやすくなります。自社の状況に合わせてうまくツールを選定し、課題解決につなげた事例を二つ見てみましょう。

600件以上の FAX を電子化 「東横イン」

東横インでは業務の効率化と可視化を目指し、 Office 365 のアドオン製品( Discoveries InSite )を社内ポータルサイトとして活用しています。

また、導入支援コンサルティングを利用して、運用開始から半年後に 「 T-net 」 と名付けた社内ポータルサイトの運用を開始しました。 T-net の活用により、毎月600〜700件もの FAX が電子化され、費用対効果が大幅にアップしています。

教育研修に使う映像コンテンツも、 DVD での配布から T-net への掲載に移行しました。再生回数の把握が可能になり、効果を測定しやすくなる成果が出ています。

管理の負担減もユーザーの利便性向上も実現 「アルファ・コミュニケーションズ」

アルファ・コミュニケーションズでは、 Linux 版のグループウェアをオンプレミスで利用していましたが、販売・サポートの終了に伴いリプレイスが必要になりました。

以前の課題だったスマホ対応ができる Google Workspace を候補に挙げていましたが、ワークフローや社内掲示板・社内ポータルなどの機能が不足していたことが課題でした。そこで Google Workspace の弱点を補える rakumo サービスの導入を決定したという流れです。

Google Workspace の拡張製品である rakumo サービスを活用し、スムーズに短期間でのスタートができています。 Google サイトで作ったポータルサイトに rakumo サービスのガジェットを埋め込むことで、必要な情報を見やすく表示できるようになりました。

rakumo サービスは Google Workspace のアカウントを使ってログインできるため、管理負担の軽減にもつながっています。

社内ポータルサイトの作り方

社内ポータルサイトのメリットや成功事例を押さえたところで、実際に社内ポータルサイトを作成する方法を紹介します。社内ポータルサイトの作り方は、大きく 「自社で開発する方法」 と 「外部サービスを使う方法」 の二つです。それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

自社で開発する

自社開発で社内ポータルサイトを構築する方法は、スクラッチ開発とも呼ばれます。自社のニーズに合わせて、一からシステムを作り上げることが可能です。

自社開発のサイトはニーズに合わせて自由にカスタマイズでき、必要な機能を追加できます。顧客管理システム・勤怠管理システムなど、他システムとの連携がスムーズである点もメリットです。既存のツールでは実現しないオリジナルの機能を実装したい、他社と差別化したいという場合に向いています。

一方で、ゼロから制作するため開発期間が長く、費用も高額になる傾向があります。また、システムやプログラムに関する知識や技術を要するため、社内にエンジニアがいない場合は自社だけでの開発は難しいでしょう。

外部サービスを使う

外部サービスを使って、社内ポータルサイトを構築する方法もあります。 Microsoft の SharePoint や Google の Google サイトなど、ノーコードでサイトを構築できるサービスを活用すれば、エンジニアがいなくてもサイトの立ち上げが可能です。ゼロから自社開発するよりも手軽で、時間やコストを節約できるメリットもあります。

ただ、カスタマイズ性が低いため、オリジナル要素の強いサイトが必要な組織には不向きです。選ぶツールによっては、別途セキュリティ対策が必要になる場合もあります。特に機密事項が多い・利用する社員数が多いというケースでは、十分なセキュリティ対策が施された外部ツールを選びましょう。

社内ポータルサイトを作成するステップ

事前の準備なしで社内ポータルサイトを作成しても、目的の達成は難しいでしょう。自社開発のケースと外部サービスを利用するケースに共通する、社内ポータルの作成ステップを紹介します。全体の流れを把握し、必要な準備から始めましょう。

社内ポータルサイトの目的を明確化する

社内ポータルサイトで自社の課題を解決するためには、まず何のために作成するのかを明確化するフローが必要です。目的が決まらないまま導入すると、サイトの構造やコンテンツ内容が定まらず、最適化が難しくなります。

利用する社員の混乱を招き、非効率になる、サイトの形骸化につながるといった事態の原因にもなるでしょう。現在解決すべき課題を整理し、理想とする結果とともに言語化した上で、要件定義に進むのが基本です。

必要な機能を検討する

社内ポータルサイトの目的が明確化できたら、続いて必要な機能や仕組みを細かく決める要件定義を行います。要件定義とは、システム開発の前に開発者の視点も踏まえて要求をまとめ、具体的な進め方を決定することです。

外部ツールを使う場合は、選定にあたってどのような機能が必要なのかを決める作業が、要件定義に該当します。自社で開発するケースと違って開発者へのヒアリングは必要ありませんが、社内の情報システム担当者をアサインして協力を求めたり、外部サービスの担当者のサポートを受けたりしながら進めるとスムーズでしょう。

要件定義では、課題解決に必要な機能はもちろん、開発・ツール導入の予算や運用スタートまでの期間などの条件も考慮する必要があります。

要件定義があいまいなまま手を付けてしまうと、求めていた形になっていないなどの理由でやり直しが入り、運用開始までの期間が長引く可能性もあります。導入を成功させるためにも、正確かつ丁寧な要件定義が大切です。

社内ポータルサイトの機能一覧

社内ポータルサイトの主な機能としては、以下のような種類があります。

  • 社内 Wiki
  • 社内チャット
  • 社内掲示板
  • レポート
  • ワークフロー申請
  • スケジュール・プロジェクト管理
  • 勤怠管理

社内 Wiki は、業務に関連するノウハウ・情報を集積した百科事典のようなものです。社内ポータルサイトに社内 Wiki があれば、必要なタイミングですぐ情報にアクセスできます。

社内チャットがあれば他の社員と気軽にやり取りでき、従業員同士間でのコミュニケーションが活性化するでしょう。

社内掲示板では全社的な情報共有の他、部署やチームを越えた情報交換が可能です。コメント・リアクション機能がある掲示版なら、カジュアルなやり取りも促進できます。

レポート機能は、報告書のような資料を作成、提出できる機能です。データ入力によるグラフ作成機能など、報告書の作成業務の効率化に役立ちます。

ワークフローの申請機能では、各種申請作業をオンラインで完了させることが可能です。交通費の精算もでき、決裁がスムーズに進みます。

スケジュール管理機能やプロジェクト管理機能があれば、チームや部署における管理業務を効率化できます。個人のタスクや進捗状況を集約でき、チーム内での日程調整も効率的です。

勤怠管理機能を搭載すると、タイムカードや Excel などを使って部署別に管理していた勤怠情報を、社内ポータルサイト上に集約できるようになります。

目的を達成するために、自社の社内ポータルサイトに必要な機能を見極めましょう。

デザインを決める

社内ポータルサイトに必要な機能を決定したら、サイトのデザインを考えます。現場で活用されるためには、使いやすいデザインが重要です。コンテンツ作成に入る前に、全体のデザインを決めておきましょう。

社内ポータルサイトは情報共有がメインであるため、デザインに過剰な装飾は不要です。コンテンツを重視し、必要最低限の装飾のみを施したシンプルなデザインにすると、見やすいサイトになります。色を選ぶ際は会社のコーポレートカラーを基準とし、アクセントカラーを2色選んで組み合わせるとよいでしょう。落ち着きとまとまりのあるイメージになります。

外部ツールを使って構築する際には、テンプレートを使用するケースがほとんどです。テンプレートから自社の社内ポータルサイトに合うものを選ぶだけで、簡単にデザインを決められます。

コンテンツを企画・作成する

ここまでの工程が全て完了したら、社内ポータルサイトのコンテンツを企画し、実際にコンテンツを作成していきます。内容を考える際には、目的から逆算して業務に有益な内容を盛り込むことが重要です。

必要な資料やデータを収集し、社内ポータルサイトに掲載するコンテンツを準備していきます。トップページには、使用頻度の高いツールやページへのリンクを貼ると便利です。

特定のコンテンツやページごとに閲覧権限を設ける場合は、対象者を意識してコンテンツを企画する必要があります。例えば、経験が浅い人向けの研修専用に作ったページには、新入社員や新しく配属された社員へのノウハウや情報だけが必要です。ベテラン向けの内容を入れると、かえって混乱を招きかねません。

「使える」社内ポータルサイトを作るポイント

社内ポータルサイトを導入しても、実際に活用されなければ、作成にかかった時間やコストが無駄になってしまうでしょう。実際に使える社内ポータルを作るために、押さえておきたいポイントを紹介します。

レスポンシブデザインを採用する

社内ポータルサイトには、画面レイアウトをデバイスに合わせて自動調整してくれるレスポンシブ対応が必要です。レスポンシブ非対応のサイトでは、パソコンからは快適に閲覧できても、スマホからだと文字が小さく見づらい可能性があります。

必要な情報をすぐに確認したい社内ポータルサイトには、パソコン・スマホ・タブレットなどデバイスの種類を問わず、快適に閲覧できるレスポンシブデザインが必須と考えましょう。

また、インターネット環境によっては表示が遅くなるなどの問題も考えられます。近年はテレワークの普及もあり、デバイスや環境によらず必要な情報を確認しやすい業務環境が必要です。

用語・文章を極力シンプルにする

マニュアルや社内 Wiki をはじめとした文章のコンテンツでは、読みやすくシンプルな文章が求められます。関連知識がない人や新入社員など、誰が読んでも理解できるようまとめましょう。

専門用語の多用や冗長な表現、過剰な装飾があると内容がわかりにくくなるため、使いすぎないよう注意が必要です。文字だけで伝えられない内容であれば、画像や表・グラフなどを積極的に使って、視覚的に理解しやすくなる工夫をしましょう。

検索しやすい仕組みを用意する

社内ポータルサイトは、業務に必要な情報にアクセスできる窓口という役割があります。検索性が悪いと次第に使われなくなるでしょう。当初の目的である情報共有はもとより、ナレッジやノウハウの蓄積も難しくなってしまう可能性があります。

社内ポータルサイトには、全ての情報を横断的に検索できるような仕組みが必要です。データのカテゴリーやラベルを使って整理する、同じカテゴリーごとにタイトルを統一するといった工夫を取り入れ、高い検索性を実現しましょう。

社内ポータルサイト導入の注意点

社内ポータルサイトを導入するにあたっては、事前に対策を考えておきたい注意点もあります。社内ポータルサイトの運用を成功させるために気を付けたいポイントを、三つまとめました。

既存ツールと連携できないと現場に不便が生じる

社内ポータルサイトにより情報共有がスムーズになるとはいえ、既存ツールを生かせなければ現場にとって不便になる可能性があります。

例えば以下のようなケースでは、現場は不便を感じるでしょう。

  • 情報を一元管理するために全く新しいフォーマットに情報を登録し直す
  • 全ての機能を別サービスに完全移行し、既存ツールをすぐに解約する

登録のし直しが発生すれば、現場にとって運用スタートのハードルが高くなります。既存ツールの解約も、新しいツールに慣れる前だと負担に感じる人がいるはずです。

自社開発でない場合は、よく使うツールを可能な限りそのまま使える拡張製品や、外部連携がしやすいツールを選ぶとよいでしょう。自社開発でも、よく使うアプリを組み込む必要があるため、まず現場の状況を把握する必要があります。

ルールと専任の運用担当者が必要

社内ポータルサイトの運用には、ルールと専任の担当者が必要です。ルールを定めず運用した結果、全員が活用できない状態が発生する可能性があります。関係者全員に行き渡るようなルールを策定しましょう。

問い合わせやトラブルに対してスムーズな対応ができるよう、専任の運用担当者をアサインし、必要な対応に割ける予算も確保しておく必要があります。サイト構築はツールで簡単にできたとしても、運用にはある程度の手間やコストがかかるという認識が必要です。

セキュリティ対策が求められる

社内ポータルサイトには、漏えいできない自社の機密情報が集約されるため、高いセキュリティレベルが必要です。アクセス制限やファイルの閲覧制限などの機能を用いて、万全なセキュリティ対策を講じましょう。

自社開発の場合、情報漏えいを防ぐセキュリティと通信品質の確保を目指せるVPN環境の構築といった対策が求められます。外部のサービスを使う場合は、事前にセキュリティの強固さを確認しておくことが大切です。

漏えいのリスクを減らすためには、細かく権限を設定できるシステムが望ましいでしょう。

社内ポータルサイト作成ツールの選定ポイント

社内ポータルサイトの構築に使えるツールは複数あるため、自社に合うものを見つけることが大切です。社内ポータルサイトの作成ツールを選ぶ際のポイントを、三つ解説します。

自社に必要十分な機能があるか

社内ポータルサイトの作成ツールは、過不足ない機能性を備えている必要があります。組織によって社内の情報共有に関する課題は異なるため、自社に必要十分な機能が備わっているものを選びましょう。

例えば、コミュニケーションの活性化が目的に含まれるなら、チャット機能付きのものが、営業数値の集計・分析に役立てるなら、レポートと分析の機能が豊富なものが向いています。逆に使わない機能が搭載されていても、操作性が複雑になって現場で敬遠される可能性があることに注意が必要です。

使いやすい操作性と UI を備えているか

使いやすい操作性や UI 設計を備えているかどうかも、社内ポータルサイトの作成ツールを選ぶにあたって重要です。操作性が悪く見にくいツールで社内ポータルサイトを作ってしまうと、活用されなくなる可能性があります。

必要な機能がそろっているだけでなく、直感的・視覚的にチェックや操作をすべき場所がわかるツールを選びましょう。

価格設定・プラン内容が自社に合っているか

社内ポータルサイトを作るツールの選定では、価格設定や料金プランの内容も重要です。必要な機能がそろっていても、予算に合わなければ現実的な選択肢ではありません。特にサブスクリプション型のクラウドサービスは、社内ポータルサイトとしての長期的な活用を考える上で、予算に対して無理のない価格設定であることが大切です。

複数のプランからニーズに合わせて選べるものや、必要な機能をカスタマイズして料金を決められるツールは予算に合わせやすい傾向があります。無料トライアル利用できる場合は、テスト運用の中で現場に利用してもらいながら判断していく方法も有用です。

社内ポータルサイト作成におすすめのツール

外部サービスを活用して社内ポータルサイトを作成する場合、複数の選択肢から自社に合うツールを選ばなければなりません。機能性や操作性に優れたツールをいくつか知っておくと、選定の参考になるでしょう。社内ポータルサイト作成におすすめのツールを4製品紹介します。

SharePoint

SharePoint (シェアポイント)は、 Microsoft が提供するイントラネットツールです。 Word や Excel といった Microsoft Office 製品との連携がスムーズで、 Microsoft 365 のアプリがあればスマホからのアクセスも可能です。

テンプレートやカスタマイズ機能が充実しており、プログラミングの知識がなくてもサイトを構築できます。ファイル共有や共同作業の円滑化を得意としており、複数人で同時に作業しやすいのも魅力です。

ワンクリックで欲しい情報が検索できる操作性を備えているため、ユーザーの利便性を考慮したシンプルなポータルを作成するのに役立ちます。ただカスタマイズ性も作成の難易度も高いので、自社に合うようこだわったサイトを作りたい組織向けです。

料金プランはニーズに合わせて選べる3種類が提供されています。必要な機能と予算のバランスを見て無駄なく利用できるでしょう。

Google サイト

Google サイトは、Google が提供している Google Workspace の1アプリケーションです。豊富なテンプレートや設定項目が用意されており、誰でもシンプルな操作で Web サイトを構築できます。

Google のコンテンツや YouTube 動画、外部のページの埋め込みもスムーズなため、わかりやすいドキュメントの作成が可能です。共有設定でアクセスを制御すれば、社内の人だけが社内ポータルサイトにアクセスできる環境を素早く構築できます。

Google Worksapce のライセンスがあれば、追加料金はかかりません。既に会社で Google Workspace を契約している場合におすすめです。ただ、時系列に投稿が並ぶ機能や掲示板はないため、マニュアルや社内規定・社内 Wiki といった静的ページに特化したツールを求める組織に向いています。

Garoon

Garoon (ガルーン) は、サイボウズが提供するグループウェアツールです。 kintone や Microsoft 365 などの外部ツールとシームレスに連携できます。カスタマイズ性が高く、自社の用途に合わせたサイトの構築が可能です。

Garoon は社内イントラやメッセージ機能、予定管理、備品管理など、業務に必要なあらゆる機能を網羅しています。クラウド版はユーザー数とオプションで利用料金が決まります。30日間の無料トライアルが使えるので、操作性を確認してから判断してもよいでしょう。

rakumo ボード

rakumo ボードは、 rakumo が提供する Google Workspace の拡張製品です。ストック型の情報共有ツールで、単体では社内掲示板としての利用に向いています。 rakumo ボードのガジェットを Google サイトに埋め込むことで、充実した社内ポータルサイトを構築するのも活用方法の一つです。

rakumo シリーズの製品は全て、 Google Workspace のユーザーアカウントやグループ、認証情報をそのまま使えます。 Google Workspace の各アプリケーションの情報を容易に連携できるのが、 rakumo シリーズの魅力です。これまでも Google Workspace を活用してきた組織なら、導入・管理がスムーズでしょう。モバイル対応で、場所を問わずタイムリーな情報共有が可能です。

単体なら1ユーザーあたり150 円(税別)と割安ですが、同社のグループウェア製品を追加した二つのパックプランも選べます。30日間の無料トライアルがあるので、自社のニーズに合いそうな場合はテスト運用が可能です。

社内ポータルサイトの運用を成功させるポイント

社内ポータルサイトは、構築・導入で終わりではありません。現場に活用されて初めて成功といってよいでしょう。社内ポータルサイトを効果的に運用するためのポイントを紹介します。

積極的にメリットを周知する

社内ポータルサイトが活用されるためには、使う人にメリットを認識してもらうことが重要です。管理者は社内ポータルサイトを導入すれば情報共有が楽になると思っていても、現場にとっては単に 「手間のかかる運用変更」 と思われる可能性もあります。

現場に浸透するまでは、一定の負担がかかるのは避けられません。とはいえ、導入目的とともに現場が享受できるメリットを具体的に周知しておけば、社員からの理解と協力を得やすくなるでしょう。

現場からフィードバックをもらう

運用を開始して一定期間がたったら、使用している現場の社員にフィードバックを依頼しましょう。社内ポータルサイトを日常的に使用する現場の社員は、実際の使いやすさや見やすさをよく知っています。

利用者の不満を解消しない状態で運用を続けると、いずれ使われなくなってしまう可能性が高いでしょう。運用担当者は積極的に現場からのフィードバックを求め、問題点があれば早急に改善するよう努める必要があります。

定期的に更新する

社内ポータルサイトは、定期的に更新することも大切です。社内ポータルに掲載されている動的な情報は、更新が止まってしまうとその時点で役に立たなくなります。

古い情報が多く使えないポータルサイトだと、存在していてもほとんどの社員が見ていないという事態になりかねません。また、古い情報を放置していることでミスが起こる、混乱を招くといった問題もあります。

アクセスすれば最新の情報が手に入る環境を維持するために、情報の更新と整理整頓は必須です。

社内ポータルサイトでスムーズな情報共有を

社内ポータルサイトは、社内の業務に関する情報にアクセスするための窓口です。社内ポータルサイトを活用することで情報共有がスムーズになり、コミュニケーションの活性化や情報発信の負担軽減といった効果が期待できます。

社内ポータルサイトの構築にあたっては、自社が抱えている課題に応じて導入目的を決め、必要な機能を精査していく工程が必要です。紹介した事例や社内ポータルサイト構築に使えるサービスを参考にしながら、現場がスムーズに情報を共有できる社内ポータルサイトを作りましょう。

おススメツール
コミュニケーション
一元化
情報共有
社内ポータル

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