社内掲示板
公開 2023.09.28
更新 2025.11.10

社内掲示板とは? 自社に合うツールの選び方や導入方法、運用の注意点

リモートワークが普及し、多様な働き方に対応した情報共有の必要性が高まっています。特に、全従業員がスムーズに情報を共有し、コミュニケーションを円滑に行うためには、適切なツールの導入が不可欠です。そんな中、多くの企業に取り入れられているのが 「社内掲示板」 です。

今回は、オンラインで使えるタイプのデジタル社内掲示板について、メリットや活用方法、自社に最適なツールの選び方や導入時のポイントなどを詳しく解説します。

INDEX

社内掲示板とは

社内掲示板とは、業務連絡や社内スケジュールなどの伝達事項を社員に対して共有するためのツールです。

以前は、社内掲示板というとホワイトボードに伝達事項を手書きしたり、資料をプリントした紙を貼り出したりする 「アナログ」 な社内掲示板が主流でした。しかし昨今では、オンラインで全社員に情報を共有できる 「デジタル」 の社内掲示板が増えています。

アナログな社内掲示板は、情報の記載ミスや社員の確認漏れなど、情報共有にバラつきが出てしまうのが問題点でした。

一方、オンラインで使える社内掲示板を活用すれば一度の発信で全社員に情報を共有できます。さらに、情報の修正や変更、確認状況の可視化ができるため、記載ミスや確認漏れを防止できる点が強みです。

社内掲示板の活用方法

社内掲示板で共有できるのは、業務連絡だけではありません。以下のように、さまざまな用途で利用されています。

業務効率化と生産性向上

従業員一人ひとりにメールで個別に連絡したり、問い合わせに対応したりする手間は、想像以上に時間を要します。重要な情報が埋もれてしまったり、見たい情報がどのメールに入っているかわからなくなったりすることも少なくありません。

社内掲示板に情報を集約することで、従業員は必要な情報を自ら検索できるようになり、問い合わせ対応にかかる時間や手間を大幅に削減できます。

また、入社 ・ 退社時のメンバー管理もスムーズです。新入社員は過去の情報を遡って確認でき、退職者のアカウント削除も簡単に行えるため、バックオフィス部門の業務効率化にも貢献します。

情報の蓄積とナレッジ共有の促進

社内掲示板は、業務に関する資料やデータだけでなく、日々の業務で得られたノウハウやナレッジを蓄積する重要なプラットフォームとなります。 「こんな失敗があった」 「この方法で解決した」 といった知見は、本来属人化しやすい情報です。

しかし、社内掲示板を活用すれば、これらのナレッジをメッセージとして蓄積し、全従業員がいつでも参照できる状態を作り出すことができます。

これにより、特定の従業員に情報が集中する 「情報のブラックボックス化」 を防ぎ、組織全体の知識レベルを底上げすることが可能になります。

コスト削減とペーパーレス化の推進

紙ベースで社内伝達を行っている企業では、社内掲示板の導入がペーパーレス化を推進します。紙資料の印刷費や保管場所の削減に加え、 PDF などの電子データとして保存できるため、物理的なファイルやキャビネットも不要になります。

さらに、複数の拠点を持つ企業では、紙の資料を回覧する手間も省け、回覧機能のあるツールを使えばオンラインで完結できます。

気軽なコミュニケーション

一部の社内掲示板ツールに備わっているメッセージ機能を活用すれば、社内コミュニケーションの活性化にもつながります。

従来はメールでのやりとりが主流でしたが、メールは冒頭に挨拶文が必要だったり、やりとりを遡るのに時間がかかったりなど、手間がかかる側面がありました。

メッセージ機能を使えば、メールよりもスピーディにやりとりできるだけでなく、挨拶文が不要だったり、スタンプが使えたりなど、よりカジュアルな使い方が可能です。

コミュニケーションのハードルが下がると社員同士のやりとりが活発になり、新しいアイデアの創出やチームワークの強化などが期待できます。

おすすめの社内掲示板ツール5選

社内掲示板ツールは多数リリースされており、それぞれ機能や特徴が異なります。

ここでは、おすすめの社内掲示板ツールを5つ紹介します。気になるものをピックアップして比較し、自社に合うものを探してみてください。

LINE WORKS | 個人版と同じ操作で使いやすい

「LINE WORKS」 は、メッセージアプリとして使われている 「LINE」 のビジネス版アプリです。パソコンだけでなく、スマホやタブレットのアプリを通して LINE と同じようにメッセージのやりとりができるほか、社内掲示板としての機能も備えています。

管理者は、掲示板ごとに閲覧 ・ 編集権限を編集でき、さらに既読メンバーの確認や再通知が可能です。投稿に対してはコメントやスタンプで反応できるため、 LINE と同じような感覚でコミュニケーションがとれます。

利用料金は、無料から1ユーザーあたり月額800円 (税抜) までの3プランが用意されています。プランによって利用人数や作れる掲示板の数、サポート内容が異なりますので、確認が必要です。

kintone | 自社に合う仕様にカスタム可能

「kintone(キントーン)」 は、日々の業務改善を支援するクラウド型のツールです。

顧客管理や経費申請、日報の共有、プロジェクト管理、さらにはお弁当の注文まで社内のあらゆる業務効率化に使用できます。カスタマイズ性が高く、自社に必要な機能だけを選んでオリジナルアプリの作成も可能です。

社内の情報共有やコミュニケーションの場として活用できるため、社内掲示板のように使用することもできます。資料の中身までキーワード検索して必要な情報をピックアップする機能を備えており、資料やデータ置き場としても活用できるツールです。

利用料金は1ユーザーにつき月額1,000円のライトコース、月額1,800円のスタンダードコース、月額3,000円のワイドコースの3プランで、いずれも初期費用は無料です (いずれも税抜)。

GRIDY | 無料で使えるグループウェア

「GRIDY(グリッディ)」 は、無料で使用できる SaaS 型のグループウェアです。グループウェアとは、社内コミュニケーションや業務効率化を促進するための多機能なソフトウェアのことで、 GRIDY でもスケジュールや設備予約、プロジェクト管理といった23機能を使用できます。

「トピック」 という機能を使うと、社内掲示板のようにスムーズな情報共有が可能です。 「報・連・相」 の3つのカテゴリからトピックを作成でき、役職や所属チームなどの軸で閲覧権限管理もできます。

GRIDY は完全無料で利用でき、月額費用や初期費用、機能追加によるオプション料金なども一切かからないのが特徴です。しかし利用できる全体のストレージ容量が1GBまでだったり、サポートが利用できない、等、複数の利用制限があるのがネックです。

Talknote | 導入企業も多いコミュニケーションツール

「Talknote(トークノート)」 は、リアルタイムの情報共有やアップデート、データの蓄積などを行う情報共有プラットフォームです。国内で1,100もの企業が導入しています。

伝達事項をノートとして作成し、タイムライン上に表示できるため、社内掲示板として活用できます。ノートにはコメントやスタンプで反応できるほか、 「サンクス」 機能を使ってメンバーに感謝や賞賛を伝えることもでき、社内のコミュニケーション活性に最適です。

また、自社に専属の担当者がつき、導入だけでなく運用までサポートを受けられる点も魅力です。カスタマイズだけでなく 「社内に浸透しない」 といった課題への対処法も相談できます。

ただし、月額利用料金以外に初期費用がかかります。それぞれの具体的な金額は導入規模や使用する機能に応じて変動するため、詳しくは問い合わせが必要です。

rakumo ボード | Google Workspace をさらに便利に

「rakumo ボード」 は、 Google Workspace を機能拡張して使う情報共有 ・ 社内コミュニケーションツールです。

情報の内容をカテゴライズし、一覧で表示できるボード機能は、投稿内容を一目で見分けられるシンプルな UI が特徴です。テキストだけでなく写真や動画も掲載できるため、サムネイル代わりに使ってボードをさらに見やすく整理できます。投稿へのリアクション機能やコメント機能もあり、社内のコミュニケーション活性化にも期待できるでしょう。

「Google サイト」 と組み合わせて社内ポータルを構築したり、回覧機能を利用して、未読者にはリマインドメールを送り、見逃しを防止したりすることも可能です。

利用料金は1ユーザーあたり月額300円 (税別) で、他にもお得なパックプランがあります。

3分でわかる rakumo ボード

社内掲示板のメリット

社内掲示板を導入すると、企業にはさまざまな変化が見込めます。ここでは、社内掲示板のメリットを解説します。

業務効率化につながる

メールなどで個別に連絡する場合、メールの見落とし、見たい情報がどのメールに記載されていたかわからなくなるなどのケースが散見されます。一方、社内掲示板に情報を集約しておけば、社員は見たい情報を自身で検索できるため、問い合わせ対応にかかる手間の削減になるでしょう。

また、従業員の入社 ・ 退社があった場合も、メンバー管理がスムーズです。メールシステムやチャットツールは、従業員が加わったり退社したりした場合、その都度チームへの追加 ・ 除外と、情報共有の手間が発生します。

一方、社内掲示板は、従業員が増えた場合も、アカウントを作成すれば過去の情報まで確認可能です。退社する従業員のアカウントも、削除するだけで対応が完了します。

このように、社内掲示板を使うことで情報共有に関するあらゆる手間の削減になるため、バックオフィス部門の業務効率化につながります。

ノウハウや知識が蓄積される

社内掲示板には、業務に関するさまざまな情報がストックされていきます。

資料やデータだけでなく、普段の業務に関して 「こんな失敗があった」 「このような工夫で解決した」 などのノウハウを蓄積することも可能です。属人化しやすい細かな業務ノウハウも、メッセージを通して掲示板上に蓄積し、全社員が参照できます。

また、情報を社員個人が保有していると、その社員が退社した場合にブラックボックス化してしまいます。社内掲示板を活用することで情報の共有漏れを防ぎ、必要なときに社員の誰もが検索して情報を見つけ出せるようになるでしょう。

情報の見落としを防ぐ

従来の社内コミュニケーションの主流であったメールやチャットには、受信数が増えて見逃しが発生する、投稿が流れて見失ってしまうなどの問題がありました。

社内掲示板を活用すれば、後から情報が整理されたうえで掲載されるため、情報をもれなく把握しやすくなります。

さらに、未読 ・ 既読が可視化されるツールであれば、未読者にリマインドして確実に連絡を確認してもらえるでしょう。

コスト削減にも期待できる

社内伝達を紙で行っている企業の場合には、ペーパーレス化にもつながります。

PDF 化した紙資料などの電子保存に対応しているツールも多いため、これまで紙資料を保存していたファイルやフォルダ、保存場所の削減にもつながるでしょう。印刷費も削減でき、コストカットもできます。

加えて、複数の拠点がある企業で、資料の回覧を紙ベースで行っていた場合には、回覧にかかっていた手間も省けます。回覧機能のある掲示板ツールを選べば、オンラインで資料の回覧が可能です。

社内掲示板のデメリット

メリットの一方、社内掲示板の導入には一定のデメリットがあることも把握すべきです。社内掲示板の代表的なデメリットを紹介します。

社内に浸透するまでに時間がかかりやすい

デジタルの社内掲示板を導入する場合、社内に浸透するまで一定の時間がかかることを覚悟すべきです。

特に、パソコンやタブレットなどのデジタルデバイスが苦手な社員やアナログツールに慣れている年配の社員などは、なかなか使用頻度が向上しないかもしれません。

導入前に使用方法をレクチャーする講習会を実施するなど、デジタルツールが苦手な社員をフォローする機会を作るとよいでしょう。また、最初はできるだけシンプルな機能からスタートし、徐々に拡充していくといった工夫も必要です。

ツールの利用料がかかることもある

前述の通り、社内掲示板の利用料金はツールによりさまざまです。

基本的にはユーザー1人あたりに対して月額料金が設定されているものが多いため、自社の社員数が多ければ多いほど総額は高くなります。

また、月額利用料のほかに初期費用やメンテナンス費用がかかるツールもあります。予想外の出費があると予算を超えてしまう可能性があるため、導入前の確認が大切です。

情報漏えいにつながる可能性がある

社内の情報を集約できるのは便利な一方、全社員がアクセスできる状況は情報漏えいのリスクが高まります。

機密情報が社外に漏れるとビジネスアイデアが模倣される可能性があるだけでなく、取引先からの信頼にも関わります。全ての情報をオープンにするのではなく、情報によってアクセス制限を設けるなどの対策が必要です。

詳しいセキュリティ対策については、次章で解説します。

社内掲示板の導入時に考えたいセキュリティ対策の例

社内掲示板だけでなく、社内に新たなツールを導入する際には、セキュリティ対策を意識するべきです。ここでは、社内掲示板の導入時に対応すべきセキュリティ対策について紹介します。

セキュリティ対策が強固なツールを使う

最も簡単な方法は、もとからセキュリティ対策が装備されている社内掲示板を選択することです。セキュリティ対策の内容は製品やツールによって異なりますが、不正アクセスやサイバー攻撃などに対応しているものもおすすめです。

一般的な社内掲示板に搭載されているセキュリティ対策としては、以下があげられます。

  • データの暗号化
  • ログイン時の二段階認証
  • IPアドレスによるアクセス制限
  • アクセス権限の制限・管理の可否

導入を検討しているものに上記のような機能が備わっているか、確認しておきましょう。

ウイルス対策ソフトをインストールしておく

社内で使用するパソコンに、ウイルス対策ソフトをインストールしておくことも大切です。法人向けにライセンスを一元管理できるツールが多数ありますので、このようなソフトを選ぶと効率的に管理できるでしょう。

また、一定のルールに基づいて通信を断絶するファイアウォールの設定も有効です。ほかにも、社内掲示板上での資料ダウンロードや持ち出しができない仕組みを作る方法も効果があります。

従業員のセキュリティ教育を行う

毎日の業務で社内掲示板を使用する従業員に対して、セキュリティ教育を行うことも重要です。

企業側がどんなにセキュリティ対策を行っても、従業員が問題のある使用方法を続けていては、情報漏えいのリスクはなくなりません。データの持ち出しや危険なサイトへのアクセスをしないことを伝え、危機管理を徹底させましょう。

定期的にセキュリティ研修の機会を作るなど、従業員の情報リテラシーを高める取り組みを検討する方法もおすすめです。

社内掲示板を活用している企業の事例

業務効率化が推進される昨今では、多くの企業が社内掲示板を導入しています。前述で紹介した社内掲示板を導入し、成果を得ている実際の企業事例を3つ紹介します。

サッポロ不動産開発 | LINE WORKS でスタッフの自主性向上

商業施設やオフィスビルなどを運営するサッポロ不動産開発では、施設管理を外部の協力会社に委託しています。

従来はグループウェアを利用していましたが、パソコンから使うことがメインで、外部スタッフとのタイムリーな情報共有が難しいという課題がありました。災害発生時も、被災状況の把握が困難だったといいます。

しかし、スマホアプリで操作できる LINE WORKS を導入した後は、メッセージ送信が容易になり、未読・既読も一目で確認できるようになったそうです。イベントの準備時などにも、掲示板上に投稿された情報を見てスタッフが自発的に行動してくれるようになり、個別連絡の手間が減ったといいます。

さらに、災害発生時の情報共有でも LINE WORKS を活用しています。以前は各担当者から共有された被害状況をホワイトボードに書き出していましたが、 LINE WORKS を通して情報共有することで、全体の状況把握がスムーズになりました。

リクルートキャリア | 新規事業のアイデア出しに kintone を活用

リクルートキャリアでは、新規事業のアイデア共有の場として kintone を活用しています。

kintone 導入前は事業の全体像をまとめたシートを作成し、各人がアイデアを持ち寄るという方式をとっていました。しかし、アイデアが各社員のフォルダで止まってしまい、ブラッシュアップされないという課題があったのです。

しかし kintone 導入後、ブラッシュアップの質やスピードが大きく向上したといいます。リクルートキャリアでは、発案者が事業のアイデアを kintone に登録し、チームメンバーがそれに対して自由に意見を書き込むという流れで運用しています。

スマホやタブレットから、社員の好きなタイミングで閲覧やコメント付与が可能になった点も、大きく貢献したといえるでしょう。

エステー | 見やすさ重視で rakumo ボードを導入

エステーでは、社内業務の DX に関する情報共有の一環として、 rakumo ボードを導入しています。

従来は、グループウェアの回覧板機能を利用して社内情報を発信してきましたが、情報過多による連絡の見逃しが懸念されていました。DX 関連の情報を社内に確実に周知するため、 rakumo ボードの導入を決定したのです。

導入においては、使い勝手の良い UI や多様なコメント ・ リアクション機能、そして従来から利用してきた Google Workspace と連携できることが決め手となりました。使いやすさや見やすい UI が社内で好評を得ており、導入した部署以外からも 「うちの部署でも使いたい」 という声が上がっているそうです。

社内掲示板を導入する流れ

実際に社内掲示板を導入する手順を、4つのステップに分けて解説します。各手順で重要なポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

導入目的や必要な機能を洗い出す

まず、社内掲示板の活用によってどのような課題を解決したいのか、導入の目的を明確に定義することが、失敗しない導入の第一歩です。目的があいまいなままツールを選定すると、形骸化を招きかねません。

導入目的として考えられる主な課題解決の例

  • 社内の情報共有を促進したい
    部署や拠点を超えた情報格差の解消、スピーディな情報伝達の実現
  • 従業員のコミュニケーション活性化を目指したい
    心理的安全性の高い環境での意見交換、雑談の促進
  • 業務効率化を図りたい
    メールや会議による情報伝達コストの削減、承認 ・ 回覧プロセスの迅速化
  • 情報漏えい防止 ・ 社内セキュリティの強化をしたい
    文書管理の一元化とアクセス権限の適切な管理

目的が明確になったら、それを実現するために掲示板が担うべき機能 (要件) を洗い出します。例えば、 「全社的な重要事項の回覧」 が目的なら、 「既読管理機能」 は必須となります。

導入するツールを検討して決定する

定めた導入目的と要件に基づき、導入する社内掲示板ツールの具体的な検討に入ります。この際、最初から一つに絞るのではなく、目的に合いそうな候補を複数選定し、機能性、コスト、サポート体制など多角的な視点から比較検討することが重要です。

特に、ツールの使い勝手は、社内への浸透率に直結するため、可能であればトライアル導入ができる製品を活用し、実際の操作性を確認することを推奨します。

具体的な社内掲示板の選び方については、後述の 「失敗しない! 自社に合った社内掲示板の選び方」 で詳細に解説しますが、ここでは以下の5つの観点をもとに選定を進めます。

  • 操作性や機能性
  • かけられる予算 (コスト)
  • 既存のツールとの連携しやすさ
  • 利用可能なデバイスの種類
  • ベンダーのサポート体制

目的が明確であれば、これらの観点から最適なツールを自然と絞り込むことができるでしょう。

運用ルールや使い方を決める

導入を成功させ、掲示板を継続的に活用するためには、運用開始前に具体的なルールを定めておくことが非常に大切です。ルールがないと、掲示板が意図しない用途で使われたり、逆に利用が停滞したりするリスクがあります。

設定すべき主な運用ルールの例

  • 投稿して良い内容
    公私を問わず、どのようなトピックの投稿を許可 ・ 推奨するのか
  • 公開範囲と閲覧 ・ 編集権限
    誰がどの情報を見たり、編集したりできるのかを明確にする
  • 禁止事項
    ハラスメントや情報漏えいにつながる行為の定義
  • 内容に関するチェック体制
    特に重要な情報における承認プロセス
  • 更新頻度
    最低限維持すべき投稿頻度 (例 : 週に一度の経営層メッセージなど)

また、掲示板の管理者や責任者を決定しておくことで、トラブル発生時の対応や、運用が停滞した際のテコ入れがスムーズに行えます。

社員にも通知して使用を始める

ツールの決定と運用ルールの設定が完了したら、いよいよ全社員への周知を行い、利用準備を開始します。ツールを導入しても、社員に使用方法が浸透しなければ、その価値を発揮することはできません。

効果的な告知 ・ 浸透のための方法

  • 複数の方法での告知
    朝礼やチームミーティングでの口頭周知、社内ポータルやメールでの報告書の配信、目立つ場所へのポスター掲示など
  • 使用方法に関する研修
    特にITリテラシーの格差を考慮し、シンプルなマニュアルの提供やオンライントレーニングを実施する
  • トップからの積極的な利用
    経営層や管理職が率先して情報発信を行うことで、利用を促す文化を醸成する

紹介した社内掲示板の一覧

これまでに紹介した5つの社内掲示板を一覧でまとめました。

製品名 特徴 料金(税抜)
LINE WORKS
  • 「LINE」 のビジネス版アプリ
  • 掲示板ごとに閲覧・編集権限を編集でき、既読メンバーの確認や再通知が可能
  • LINE と同じような感覚でコミュニケーションできる
無料~月額800円/人
kintone
  • 多様な機能から必要な機能を選んで実装して使う
  • オリジナルアプリも作成できる
  • 資料の中身までキーワード検索可能で、資料やデータ置き場としても活用できる
  • ライトコース:月額1,000円/人
  • スタンダードコース:月額1,500円/人
  • スタンダードコース:月額3,000円/人
GRIDY
  • 完全無料で利用できるグループウェア
  • 「トピック」 という機能を使うと、社内掲示板のようにスムーズな情報共有が可能
  • スケジュールや設備予約、プロジェクト管理といった23機能を使用できる
無料
Talknote
  • リアルタイムで情報共有できるプラットフォーム
  • 伝達事項をノートとして作成すれば社内掲示板として活用できる
  • 専属の担当者がつき、導入から運用までサポートを受けられる
要問い合わせ
rakumo ボード
  • Google Workspace を機能拡張して使う情報共有・社内コミュニケーションツール
  • シンプルで見やすい UI が特徴
  • 回覧機能も備えており、未読者にはリマインドメールを送って見逃しを防止できる
  • カテゴリ・投稿・閲覧などの権限設定が柔軟にできる
  • Google サイトと組み合わせれば社内ポータルを構築可能
  • 基本プラン:月額300円/人
  • Basicパック(その他3製品含む):月額680円/人
  • Suiteパック(その他5製品含む):月額1,100円/人

このように、ツールによって特徴やサポート内容、料金が異なるため、しっかり比較検討して自社に合ったものを選ぶのが大切です。気になるものがあれば、まずは資料請求や問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。

導入する社内掲示板の選び方

自社に合った社内掲示板を決定する際は、以下5つの観点をもとに選定してみてください。

操作性や機能性で選ぶ

自社が求める機能が備わっていることが大前提ですが、操作性の良さはそれ以上に重要です。機能が充実していても、使い方が複雑では社内に浸透しません。

特に、 IT リテラシーの低い社員でもスムーズに使えるシンプルな UI / UX を持つツールを選ぶことが、利用率を高めるための絶対条件となります。

かけられる予算で選ぶ

今回紹介した社内掲示板の中には、無料と有料のものとがあります。完全無料で使えるものから、1人あたり月額100円程度で使えるもの、1,000円近くかかるものまで、料金設定はさまざまです。

多くの社内掲示板ツールは1ユーザーあたりで利用料金を設定していますので、自社の社員数が多いと予算をオーバーしてしまう可能性も考えられます。初期費用やメンテナンス費用なども含めて、予算に収まるかどうかを丁寧に確認してください。

既存のツールとの連携しやすさで選ぶ

社内で使用している既存ツール (例 : Google Workspace、Microsoft 365など) と連携可能かどうかも重要なチェックポイントです。

連携性が悪いと、情報の二重入力やエラーの原因となり、かえって業務効率が悪化するリスクがあるため、 API 連携や認証連携への対応を確認しましょう。

使えるデバイスの種類で選ぶ

利用度を最大化したいのであれば、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなど複数のデバイスに対応していることが必須です。

通勤時間や営業先などからも最新情報を自由にチェックできる環境は、リモートワーク環境下における情報格差の解消に貢献します。また、オンライン利用の場合、アプリ型かブラウザ型かという点も確認しておくと良いでしょう。

サポート体制で選ぶ

サポートの充実度合いも、ツールによって異なります。社内掲示板のカスタマイズから運用支援、トラブル時のフォローなど、利用料金にどこまで含まれるのか確認しましょう。

中には、専属の担当者がついて導入における社内課題の解決までサポートしてくれるツールもあります。導入に不安がある場合は、フォロー体制の手厚いものを選ぶと安心です。ただしその分の費用が発生する可能性もあるため、よく確認してください。

社内掲示板に関する Q&A

最後に、社内掲示板の導入についてよく寄せられる質問に回答します。ここから解説する内容も踏まえて、導入の要否や具体的なツールを決定してみてください。

Q. 社内掲示板は絶対に必要?

A. 現代の多様な働き方においては、企業運営の円滑化に不可欠な基盤ツールとなりつつあります。

社内掲示板は企業に必ず必要なものではありませんが、時間や場所を選ばずに社内情報を確認できるという特性から、リモートワークやハイブリッドワークを導入している企業には極めて有効です。

導入によりコミュニケーションの活性化や業務効率化といった具体的な成果を得ている企業は多数存在します。

Q. コミュニケーションに特化したツールとグループウェアのどっちが良い?

A. 自社の主要な導入目的と、既存の IT 環境によって選択が異なります。

組織のチームワークや社員エンゲージメントの向上など、コミュニケーションに重点を置くなら 「Talknote」 のようなコミュニケーション特化型が効果的です。

一方、情報の可視化や業務全体の効率化、多様な機能の一元管理を求めるなら、 「kintone」 や 「GRIDY」 のような多機能なグループウェアが適しています。

Q. 社内掲示板は Excel などで自作できる?

A. 導入コストは抑えられますが、運用面で多くの課題が発生するため推奨しません。

Excel での自作は初期コストを抑える選択肢の一つですが、共有編集の難しさ、情報の更新性の維持、アクセス権限の複雑な管理、そしてセキュリティ面の課題が考えられます。

社員が自由に情報を掲載できるようにしたい場合や、長期的な利用 ・ メンテナンスを考慮すると、専用の社内掲示板ツールを使用する方が無難です。

Q. 社内掲示板にどんな内容を書いたらいいか分からない…

A. 会社の公式情報から始めて、徐々に社員の役に立つ情報へと範囲を広げていきましょう。

最初は、新商品の発売や業績報告、社内ニュースといった、全社員に確実に伝えるべき公式情報から掲載を始めると良いでしょう。

慣れてきたら、社内イベントや講習会のお知らせ、経営者メッセージ、社員のスキルアップに役立つ書籍紹介など、社内の多様な伝達事項へと範囲を広げていくのが効果的です。

社内掲示板の利用で業務効率化をはかろう

社内掲示板の導入には、業務効率化や社内コミュニケーションの促進、社員エンゲージメントの向上など、さまざまなメリットが期待できます。

特に多様な働き方が求められる現代において、オンラインでいつでも情報にアクセスできるデジタル社内掲示板は、組織の DX 推進に不可欠なツールと言えるでしょう。

ただし、社内の情報を集約させている分、情報漏えいのリスクがつきまといます。社員の IT リテラシーを高める取り組みを実施し、セキュリティ対策ができるツールを同時に導入するなど、細心の注意を払わなくてはなりません。

導入の際には、機能性だけでなく使い勝手やサポート内容などの観点から複数のツールを比較検討し、自社に合う社内掲示板を選定してください。

より視認性が高く、使い勝手の良い社内掲示板を探しているなら 「rakumo ボード」 がおすすめです。 IT ツールを使い慣れていない社員でもスムーズに使える UI が好評ですので、ぜひご検討ください。

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