株式会社グリーンエナジー&カンパニー
- 業種
- エネルギー事業、住宅事業
- 規模
- 51人〜300人
- 導入内容
- rakumo ワークフロー / rakumo ボード / rakumo コンタクト / rakumo カレンダー / rakumo API
オンプレミス型からクラウド型グループウェアへの移行で安定稼働と利便性向上を実現
課題
- 天災被害が発生した際にリスクが高いオンプレミスのグループウェア
- 限られたユーザーしかアクセスできない社外からのVPN接続
- リモートワーク推奨環境下におけるセキュリティ対策強化の必要性
- Google Workspace だけでは旧グループウェアの全機能をカバーできない
決め手
- Google Workspace と rakumoサービスの親和性の高さ
- rakumo サービス全体でカバーできる範囲の広さ
- 業務アプリとの連携を可能にする rakumo API
- 豊富な実績・経験に加えて機能とコストのバランスが良い
- マニュアルなしで誰もが直感的に扱えるUIデザインの良さ
導入効果
- クラウド化によって安定稼働、セキュリティと利便性向上を両立
- 申請・承認のデジタル化に加えてAppSheet連携など将来的な拡張も可能
- 編集性が高く使いやすい rakumoボード で情報の円滑な発信・共有を実現
- Google カレンダー の使いづらさを補う一覧性でスケジュール管理が容易に
個人参加型の持続可能エネルギー社会の実現を目指している株式会社グリーンエナジー&カンパニー(取材当時:株式会社フィット)は、昨今の天災被害を鑑みたBCP対策の一環としてオンプレミスのグループウェアから脱却するべく、Google Workspace および連携できる rakumo サービスを導入。クラウド化による安定稼働と利便性向上を両立したことに加え、AppSheet 連携など将来性・拡張性も期待できる rakumo ワークフロー、情報発信ツールとして編集性が高く使いやすい rakumo ボード、Google カレンダー の弱点を補う一覧性の高い rakumo カレンダー といった、生産性の高い業務環境を実現しました。今後はワークフローのマスター連携やクラウドサインの連携にも着手していく予定です。
天災被害が発生した際にリスクが高いオンプレミス環境からの脱却が急務に
御社の企業概要を教えてください。
株式会社グリーンエナジー&カンパニー 情報システム部 高崎 倫輔 様(以下、高崎 様):
2009年にスマートホーム事業を手掛ける住宅会社として設立した弊社は、2012年にクリーンエネルギー事業へと参入し、以降もこの2つをメイン事業に進めてまいりました。2016年には東京証券取引所マザーズ(現:東京証券取引所グロース)に上場した後、2017年にコンパクトバイオマス発電所事業や電力小売りサービス事業を、2019年には不動産投資型クラウドファンディング事業をスタートしています。2022年には、クリーンエネルギーのマーケットプレイス「脱炭素デキルくん」事業も開始しました。
従来の環境と、その課題についてお聞かせください。
高崎 様:
弊社では従来、オンプレミス型のグループウェアを使用していました。しかし、昨今ではシステム構築当時の想定を大きく上回るような天災被害も多く、リスク回避としてBCP対策の必要性を感じるようになったのです。加えて、申請者のみ社外からのVPN接続を許可していましたが、限られたユーザーしかアクセスできないという不便さもあり、クラウドベースのシステムへリプレイスするべきだという声が上がり始めました。オンプレミス型システムのデメリットを改めて痛感しましたね。
また、コロナ禍におけるリモートワーク推進の兼ね合いもあり、リプレイスと同時にセキュリティ面の強化を図りたかったのも理由のひとつです。当時はまだIT関連の専門部署がなく、セキュリティ対策もウイルス対策ソフトウェアを導入していた程度でした。
こうした背景から、業務プロセスの革新およびローコストオペレーションのさらなる追求を目標に掲げ、DX推進の取り組みをスタートしました。その一環として、メールサーバやファイルサーバ、Web会議システム、ワークフローシステム、その他のグループウェアアプリケーションなど、働く環境に必要不可欠な各システムを集約するプロジェクトとして、2021年5月にクラウドシステムへのリプレイスを検討開始したのです。
rakumo選定の決め手は Google Workspace との親和性やカバー範囲の広さ
製品・サービスの選定にあたり、どのような点を重視されましたか?
高崎 様:
検討段階では「Microsoft 365」も候補に挙がりましたが、PC端末にかかる負荷の高さ、ユーザーの馴染みづらさ、コストの高さ、管理の難しさに起因する専任管理者の必要性などがネックに感じました。その点、「Google Workspace」はPC負荷が低いですし、ユーザーも馴染みやすく低コストです。加えて管理面でも、専任管理者を任命することなく簡単に管理者権限を行使できるのがポイントでした。
セキュリティ面に関しては、社内支給したモバイルデバイスの管理や、申請されていない個人所有PCの使用制限、社内と自宅以外からのアクセス制御などが必要要件でした。Google Workspace なら、モバイルデバイスの端末情報取得/機能制限/位置情報取得/禁止アプリ設定/リモートロック&リモートワイプなどを可能にする「MDM(Mobile Device Management:モバイルデバイス管理)」および、アプリに対する詳細なアクセス制御ポリシーを作成する「コンテキストアウェアアクセス」などの機能を使える「Google Workspace Enterprise Standard」を選ぶことで、これらの条件が満たせます。
株式会社グリーンエナジー&カンパニー 執行役員 IT・コーポレート統括部 統括部長 岩田 潤 様(以下、岩田 様):
Google のノーコード開発ツール「AppSheet」による業務アプリ開発を視野に入れていたことも、Google Workspace を選んだ理由のひとつです。こちらはまず、スマートホーム事業における生産性向上のためのデータ一元化を目的とした業務アプリを内製化し、社内である程度の開発ノウハウが蓄積できた段階で、外販まで行えればという計画でした。
rakumoのサービスをお選びいただいた理由についてお聞かせください。
高崎 様:
最終的には Google Workspace との親和性の高さが一番のポイントになりました。あとはカバーできる範囲の広さですね。他社の製品・サービスと比べても使いやすさが実感できた rakumo ワークフロー に加えて、社内の情報共有に役立つ rakumo ボード、Google カレンダー よりも一覧性に優れた rakumo カレンダー など、従来使用していたグループウェアの機能を一通り網羅しています。特にGoogle カレンダー は、若干癖があって使いづらいという人も多く、最初から現場での標準利用を考えていなかったので、rakumo カレンダー の利便性はまさに求めていたものです。さらに、オプションとして業務アプリとの連携が可能になる rakumo APIも提供されており、これらがすべて弊社のニーズに合致すると考えました。
岩田 様:
Google Workspace と連携できる製品・サービスとして、豊富な実績と経験を持っているのも魅力のひとつでした。製品・サービス自体が成熟しているのはもちろん、トラブル発生時には長年培ってきたノウハウによる課題解決能力の高さも期待できます。
また、実装されている機能とコストのバランスが非常に良いのも好印象でした。機能が多すぎるとユーザーが扱いきれなくなるだけでなく、システムの保守性にも影響しますから、このバランス感覚は見事だと思います。
マニュアルなしで使える操作性や充実のサポートに感動
導入フェーズについてお聞かせください。
高崎 様:
2021年7月に Google Workspace Enterprise Standardとrakumo Basicパック、AppSheetのアカウントを購入しました。最初は25IDのスモールスタートで経営者層を中心に使ってもらい、本格導入に向けて8月末にアカウントを追加購入しています。スケジュールとしては、9~10月にメールとカレンダーの移行期間を設け、同時にワークフローの整備を実施しました。
rakumoサービス自体はとてもスムーズに導入できました。苦労したのは、旧グループウェアからのメール移行で添付ファイルの容量が大きすぎてツールが使えなかったり、過去の稟議書を新しい環境で閲覧できるようにする仕組みづくりに時間がかかったりしたくらいです。
ユーザーへの対応としては、メール移行、Gmailの初期設定と使い方、rakumo ボード の使い方などに関して社内勉強会を実施するとともに、Googleサイトで社内向けのマニュアルを制作しました。マニュアルといっても内容は、Googleのヘルプサイトにリンクする簡素なものです。rakumoサービスに至っては、その簡易的なマニュアルすら制作する必要がありませんでした。これはまさに、誰でも直感的に使える優れた操作性があればこそのメリットですね。
サポート体制についてはいかがでしたか?
岩田 様:
ワークフローは、旧グループウェア内の稟議書にアクセス権を与えながら、Googleドライブ上にPDFファイルとして保存し、Googleフォームからの申請に応じてユーザーが限定的に閲覧できる仕組みを構築しました。運用開始は2022年2月からと少し時間はかかりましたが、無事に移行できたのは Googleの各種機能やアクセス権に対する知見に加えて、「Google Apps Script」にも詳しかったrakumoさんのアドバイスがあればこそです。技術情報を的確にフォローしてもらいながら、移行作業を進めることができました。旧グループウェア上にあった100個以上もの申請書を、rakumo ワークフロー 上で作成してくれたのも非常に助かりましたね。
またワークフローの件に限らず、質問に対するレスポンスの早さも素晴らしかったです。社内の方針を決める上で、技術的な確証を得るための答えが先にもらえるというのは本当に大事なことです。製品・サービスの優秀さはもちろんですが、迅速かつスムーズにシステムを移行できたのも、こうした rakumoさんの企業スタンスに助けられた部分が大きいと感じます。
ワークフローのマスター連携やクラウドサインの連携にも着手
導入された後の反応や手応えはいかがでしたか?
岩田 様:
Google Workspace については、ファイルサーバ上のファイルを更新していた従来環境と比べてドキュメント共有が容易になったほか、社外からアクセスしやすくなったのが便利ですね。営業職など社外にいることが多いユーザーにとっては、データへのアクセスや操作性が格段にアップしました。ユーザー管理によって情報が可視化でき、統制がとりやすくなったのもメリットです。
セキュリティ面も強化されており、社内支給のモバイル端末はすべてMDMの管理下にあります。PCに関しても、新規入社ユーザーには支給端末時に、既存ユーザーに対してはPC交換のタイミングでコンテキストアウェアアクセスの条件となる「GCPW(Google Credential Provider for Windows)」を導入し、アクセス制御を実現しました。
岩田 様:
rakumo ワークフロー に関しては、限られた時間内でクラウドへの移行を最優先したため、あえて項目の見直しは行わず、経路などを後から少し見直した程度です。それでも申請・承認の進捗状況が分かりやすい一覧性の高さや優先度設定など、ユーザーからは使いやすいと好評です。もう少し時間があれば、項目の見直しも行いたかったですね。
高崎 様:
rakumo ボード は全社的な連絡のほか、管理系やIT系部署からの情報発信、部署単位での情報共有にも利用しています。社外向けの広告物、たとえばYouTubeで公開した広告動画の社内リリースなども行っていますね。現在は双方向コミュニケーションというよりも情報発信ツールとしての位置づけで、「グッジョブ!」も活用されています。Google ドライブ内のファイルを添付したり、任意の文字列にリンクを張ったりと、編集性も高くて使いやすいです。
岩田 様:
Google カレンダー は、若干癖があって使いづらいという人も多いので、最初から現場での標準利用を考えていませんでした。その点、rakumo カレンダー は使いやすくて好評です。複数人の予定も見やすく表示してくれる一覧性や操作のしやすさなど、Google カレンダー でネックとなっていた部分をすべて解消してくれました。
また、rakumo サービス全般にいえることですが、誰もが直感的に扱える操作性も魅力ですね。詳細な社内マニュアルを制作しなかったにもかかわらず、問い合わせが少なくて大変助かりました。
今後の取り組みについてお聞かせください。
岩田 様:
rakumo ワークフローのマスター連携やクラウドサインの連携を行っていきたいですね。スマートホーム事業においてAppSheetを使った内製の業務アプリも軌道に乗り、ワークフローとの連携ができるようになれば、さらなる生産性向上が期待できます。
現在、スマートホーム事業の成功事例を基に、AppSheetの活用範囲を他事業に横展開中です。また、管理系の業務アプリも製作を進めているので、全社導入に向けて準備中です。
こうした中で、rakumoさんにはAppSheetと連携するつなぎ役としてのサポートや、API連携に関するGoogleの最新情報提供などを期待しています。
ありがとうございました。
(取材時期:2022年9月)
事例で利用されている「便利な機能」
rakumo ワークフロー
rakumo ボード
会社名:株式会社グリーンエナジー&カンパニー
事業内容:スマートホーム事業、クリーンエネルギー事業
従業員数:110名(2022年4月現在)
*掲載内容は取材時点のものです。