Google Workspace
公開 2026.05.01

【Google Workspace Studio 入門 】 AI で業務フローを自動化する最短ルートとは

「Google Workspace Studio (旧称:Flow)」 は、プログラミングの知識がなくても、 Google Workspace のアプリと連携して定型業務を自動化できる 「AI エージェント作成ツール」 です。

この記事では、 Google Workspace Studio の概要から、初心者が押さえておきたい基本的な使い方までを解説します。

Google Workspace Studio とは?

Google Workspace Studio は、 Google からリリースされたノーコードの業務自動化プラットフォームです。以前は 「Flow」 という名称でテスト的に運用されていましたが、現在は Google Workspace Studio として提供されています。

最大の特徴は、 Gemini の AI パワーを活用できる点と、 Google Workspace と連携しやすい点です。 「Gmail に届いた請求書の内容を読み取って、 Google スプレッドシート に自動で転記する」 といった、複雑な設定やプログラミング (GAS : Google Apps Script) が必要だった作業を、直感的な操作で自動化できます。

Google Workspace Studio が使えるユーザー

Google Workspace Studio が利用可能なエディションは、以下の通りです。

  • Business: Starter / Standard / Plus
  • Enterprise: Starter / Standard / Plus
  • Education: Fundamentals / Standard / Plus / Teaching and Learning Upgrade アドオン
  • Frontline: Starter / Standard / Plus

個人向けサブスクリプション

以下の個人向け AI プランでも利用が可能です。

  • Google AI Pro for Education
  • Google AI Ultra for Business

また、2026年4月現在 Google Workspace Studio は画面は英語表示となりますが、プロンプトは日本語の自然言語で入力できます。

Google Workspace Studio でできること

Google Workspace Studio を活用すると、以下のようなワークフローを自動化できます。

  • メール処理の自動化

    特定の送信者や件名の Gmail を検知し、添付ファイルを Google ドライブ の指定フォルダに保存したり、本文の内容を抽出して Google スプレッドシート にまとめたりできます。

  • ドキュメントの自動生成

    Google スプレッドシート のリストに基づき、 Google ドキュメント で契約書や通知書の雛形を自動作成し、そのまま PDF としてメール送信するといった連携が可能です。

  • 通知の集約

    Google ドライブ に新しいファイルがアップロードされた際や、 Google フォーム に回答があった際に、 Google Chat へ特定のメッセージを投稿するように設定できます。

これらはあくまで一例です。複数のアプリを連携することで活用の幅をさらに広げることが可能です。

Google Workspace Studio を使うメリット

Google Workspace Studio を使うことで以下のようなメリットがあります。

  1. コードを書かずに自動化が可能

    ドラッグ & ドロップを中心とした操作パネルでワークフローを構築できます。複雑なコードを書く必要がないため、プログラミングの知識は不要です。現場の担当者が 「自分の業務に合わせた自動化」 を即座に実現できます。

  2. Gemini との高度な連携

    AI (Gemini) が搭載されているため、 「内容の要約」 や 「データの分類」 といった、人が考えて判断していた工程も自動化に組み込めます。例えば、問い合わせメールを AI が解析し、緊急度別にラベルを貼る、といった使い方が可能です。

  3. セキュリティリスクの低減

    Google Workspace のセキュリティシステムの中で動作するため、外部のサードパーティ製自動化ツールを利用する場合と比較して、データ漏洩のリスクを低く抑えられます。管理者にとっては、管理コンソールから利用状況を把握しやすいという利点があります。

Google Workspace Studio の基本的な使い方

具体的な操作手順を見ていきましょう。今回は、 「Gmail の内容を Google スプレッドシートに転記する」 手順を例に解説します。

  1. Google Workspace Studio のダッシュボードにアクセスします。

    ※管理者によって機能が有効化されている必要があります。アクセスできない場合は管理者までお問い合わせください。

  2. 「新規作成」 ボタンをクリックします。
  3. 「Starter」 でトリガー (起動の条件) を設定します。例えば、 Gmail の受信をトリガーにする場合は 「When I get an email」 (新しいメールを受信したとき) を選択します。
  4. さらに 「Specific email」 をクリックするとフィルター条件を詳細に設定でき、必要なメールだけを対象にできます。

    例えば 「差出人」 、 「特定のキーワードを含む場合」 、 「宛先」 、 「特定のラベルが付いている場合」 、 「添付ファイルがある場合」 などが設定可能です。

    今回は 「請求書」 というキーワードを含む場合で設定しました。

  5. 次に、トリガーが引かれた際に行う 「アクション」 を設定します。まず、 「Choose a step」 をクリックします。
  6. ここでは Google スプレッドシート を選択し、 「Add a row」 (行を追加する) というアクションを選びます。
  7. 「+Spreadsheet」 をクリックし、転記するスプレッドシートを Google ドライブから選択します。
    ヒント

    スプレッドシートには、あらかじめ項目を設定しておきます。

  8. 次に、メールからスプレッドシートに転記する項目を 「+Variables」 (変数) から選択します。

    差出人を転記する場合は 「Step1」 の該当の項目で 「Sender email address」 を選択します。
    他にも、以下の項目が選択できます。

    • Email subject = 受信したメールの件名
    • Email body = メールの本文内容
    • Email ID = 各メールに割り当てられた固有ID
    • Email thread ID = メールのスレッド(会話)の固有ID
    • Email date and time = メールが届いた日付と時刻
    • Drive links = Google Driveのリンク
    • Gmail Categories = プライマリ・ソーシャル・プロモーションなどの分類
    • Email addresses in ‘To’ = Toフィールドのメールアドレス(宛先)
    • Email addresses in ‘Cc’ = Ccフィールドのメールアドレス
    • Email addresses in ‘Bcc’ = Bccフィールドのメールアドレス
    • Email addresses of all recipients = To/Cc/Bcc全員のメールアドレス
    • Full names in ‘To’ = Toフィールドの表示名(宛先のフルネーム)
    • Full names in ‘Cc’ = Ccフィールドの表示名
    • Full names in ‘Bcc’ = Bccフィールドの表示名
    • Full names of all recipients = 全員の表示名
    • Sender email address = 差出人のメールアドレス
    • Sender display name = 差出人の名前(表示名)
  9. 1つ目の設定が完了し、さらにアクションを追加したい場合は 「+Add step」 をクリックします。
  10. 今回は、 「Notify me in Chat」 (Google Chat で通知を送る) のアクションを設定しました。

    このように Chat の通知を送る際のメッセージも設定できます。

  11. 設定が終わったら、 「Save changes」 というボタンをクリックします。
  12. 全ての設定が完了したらテストを行ってみましょう。
    こちらは受信したメール本文です。

    このようにスプレッドシートに転記されました。

    Google Chat にもこのような通知が届きました。

Google Workspace Studio の活用例

他にも、 Studio は下記のようなシーンでの活用が期待できます。

事例 1
メールに添付されたファイルをすべて Google ドライブに保管

見積書、請求書、提案書などがメールに添付されていた場合、自動的に Google ドライブに保管できます。

【手順】

  1. Starter (トリガー) を 「When I get an email」 (Gmail でメールを受信) に設定します。
  2. 「Specific email」 で 「Has the words」 や 「Subject has」 に 「請求書」 「見積書」 「提案書」 などのキーワードを入れます。
    さらに 「Has attachment」 にチェックを入れます。
  3. Action で 「Location for email attachments」 の 「Add email attachments to Drive」 から、保管するフォルダを選択し、さらに 「Gmail attachments」 で Email attachments を選択し、 「Save changes」 をクリックします。

事例2
ニュースウォッチ & 要約

「毎朝のニュースチェック」 を効率化し、重要な変化を逃しません。

【手順】

  1. Starter (トリガー) で On a schedule を選択し、メールを送る時間を設定します。
  2. Action で Ask Gemini をクリックし以下を参考にプロンプトを入れてください。

    —–
    最新の Web 検索結果から、指定したキーワード (例:競合他社名) に関する過去 24時間のニュースをピックアップしてください。それぞれのニュースが自社にとって 『チャンス』 か 『脅威』 かを判断し、簡潔にまとめてメールで送ってください。

  3. さらに、 「Notify me in Chat」 を選択し、 +Variables で 「Content created by Gemini」 を設定し 「Save changes」 をクリックします。

    このような通知が届きます。

事例3
問い合わせフォームへの 「パーソナライズされた返信下書き」 作成

Google フォームのお問い合わせ内容に基づいて、パーソナライズされた内容のメールを自動作成して、 Gmail の下書きフォルダに保存します。

【手順】

  1. Starter (トリガー) When a form response comes in (Google フォームのレスポンスがあった時) に設定し、該当の Google フォームを選択します。
  2. Action で Ask Gemini をクリックし、以下を参考にプロンプトを入れてください。

    —–
    フォームのお問い合わせ内容に基づき、弊社のサポート担当として誠実な返信メールのドラフトを日本語で作成してください。
    条件:
    ・冒頭は 「{ 会社名 }」
    「{ 氏名 }様」 で始める
    ・お礼を述べる
    ・内容について 「{ お問い合わせ内容 }」 に基づき自然な対応を行う。
    ・署名は不要
    ・200文字程度にまとめる
    —–

    ヒント

    {} 内は変数なので 「+Variables」 からフォームのタイトルを呼び出してください。

  3. さらに、 Gmail の 「Create draft (下書きを作成)」 を選択し、以下で設定しします。
    To→ 「+Variables」 からフォームのメールアドレスの項目を選択
    Subject → 任意 : (お問い合わせの件など)
    Message → +Variables で 「Content created by Gemini」 を選択
    設定が終わったら 「Save changes 」 をクリックします。

    このようなドラフト (下書き) が作成されました。

まとめ

Google Workspace Studio は、触れば触るほど 「これも自動化できるのでは?」 というアイデアが湧いてくるツールです。ぜひ、日々の 「ちょっと面倒な作業」 をリストアップすることから始めてみてください。

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