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【スプレッドシート】 Gemini サイドパネルの使い方とできること
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Google スプレッドシート の Gemini サイドパネルは、データの要約 ・ 分析 ・ 視覚化など、 AI を活用したさまざまな機能を備えているので、日々の作業の効率化に役立ちます。この記事では、スプレッドシートの Gemini サイドパネルの基本から活用方法を解説します。
スプレッドシートの Gemini サイドパネルとは
スプレッドシートの Gemini サイドパネルは、パソコンでスプレッドシートを開いた時に右側に表示される AI アシスタントです。
サイドパネルを利用することで、 Gemini アプリに画面を切り替えることなく、スプレッドシート上で Gemini と対話しながら様々なタスクを効率的に進めることができます。
スプレッドシートの Gemini サイドパネルでできること
2025年1月現在、スプレッドシートの Gemini サイドパネルではこのようなことができます。
- 新規の表を作成する
- 数式を作成する
- データ分析と分析情報を生成する
- グラフを作成する
- スプレッドシートの使い方を教えてもらう
Gemini サイドパネルは作業中のアプリ内の中の情報をベースに回答を提供するので、コンテンツの内容を反映した回答を得ることが可能です。
スプレッドシートの Gemini サイドパネルが利用可能なアドオン
2025年1月現在、 Google Workspace (有償版) では Business Standard エディション以上、 Google Workspace for Education では Gemini Education アドオンまたは Gemini Education Premium アドオン のユーザーが利用可能です。
スプレッドシートの Gemini サイドパネルを使う方法
まずはスプレッドシートで Gemini サイドパネルの利用を開始する方法を紹介します。
- スプレッドシートの右上にある Gemini のアイコンをクリックします。
- サイドパネルが開くので、プロンプト (指示文 ・ 質問文) を入れます。プロンプトは、
「このデータの平均値は?」 「売上トップ3の商品は?」
のように、自然言語で質問を入力できます。スプレッドシートで利用できるプロンプトについては、次で紹介します。
サイドパネルが使えない場合の対応方法
もしサイドパネルが利用できるオプションに加入してるにも関わらず、サイドパネルが利用できない場合は下記の手順で設定を行ってください。
- Gmail の設定 (右上の歯車マーク) > 全般 を開きます。
- 「他の Google サービスのスマート機能とパーソナライズ」 までスクロールして 「他の Google サービスのスマート機能とパーソナライズをオンにする」 にチェックを入れ、さらに一番下までスクロールして 「変更を保存」 をクリックします。
これでサイドパネルが利用可能になりました。もしこの作業を行なってもサイドパネルが利用できない場合は管理者にお問い合わせください。
プロンプトを活用してスプレッドシートの Gemini サイドパネルを使いこなそう
ここからはスプレッドシートの Gemini サイドパネルで使えるプロンプトの利用例を紹介します。
重要 : Gemini は、2025年1月現在まだ言語を学習中です。回答は試験運用中のものである可能性があります。
新規の表を作成する
サイドパネルにプロンプトを入れれば、新規で表を作成できます。
「マンションを販売する不動産会社の売上管理表の例をを作成して。行は10行作成して。」
とプロンプトを入れるとこのような表が自動で生成されます。
さらに具体的な指示を入れたい場合は
「A1セルに ‘物件名’ 、B1セルに ‘販売日’ 、C1セルに ‘契約者名・・・」
といったプロンプトを入れてください。
作成された表の下の 「挿入」 ボタン、またはパネル左下の 「挿入」 アイコンをクリックすると表が挿入されます。
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他にも、新しいプロジェクト管理表を作成したい場合は
「プロジェクト名、開始日、終了日、担当者、進捗状況の列を持つプロジェクト管理表を作成して。進捗状況はプルダウンで選択できるようにして」
というプロンプトを入れてみましょう。
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表からグラフを作成する
すでにある表に対してグラフを自動生成できます。
「この表の担当者別の売り上げをグラフにして」
というプロンプトを入れると、このような棒グラフが生成されました。
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データを分析する
Gemini サイドパネルはデータから分析を行うことも可能です。
すでにある表に対し、
「契約者の年齢層をヒストグラムで表示して」
というプロンプトを入れると、ヒストグラムを生成した上で下記のような分析結果を出しました。
分析結果
このスプレッドシートは、2023年度の自動車国内販売台数ベスト50のランキングを表しています。
契約者の年齢層の傾向を分析します。
統計的分析
平均年齢: 39.3歳
中央値: 36.5歳
標準偏差: 9.64歳
最小値: 29歳
最大値: 55歳
ヒストグラムの分析
ヒストグラムから、契約者の年齢層は20代後半から50代後半に渡って分布していることがわかります。
ボリュームゾーンは30代から40代です。
分析結果
これらの結果から、契約者の年齢層は幅広いものの、中心は30代から40代であることがわかります。
他にも、データ分析を行いたい場合にこのようなプロンプトを利用できます。
- 「このデータに異常値はある?分析結果をレポートにまとめて」
データの異常値を検出し、詳細なレポートを作成。データの信頼性を確認するのに役立ちます。 - 「売上高トップ5の商品と、その売上額をリストで表示して」
売上データから上位の商品を抽出。ビジネスの重点施策を検討する際に役立ちます。 - 「このデータの平均値、中央値、最頻値を求めて」
基礎的な統計量を瞬時に計算。データの全体像を把握するのに役立ちます。
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関数について質問する
スプレッドシートの Gemini サイドパネルでは自然言語で関数を設定できます。ここでは 次のようなプロンプトを入力してみましょう。
「W173に合計の数値を入れて」
というプロンプトを入れてみました。
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他にも、
「220点以上の場合は ‘合格’ 不合格の場合は ‘不合格’ と入れてください」
といった IF 関数などもプロンプトで設定できます。
スプレッドシートで使える関数はサイドパネルに質問することもできるので、作業中に使いたい関数がある場合はサイドパネルを活用しましょう。
Google スプレッドシートの操作方法を教えてもらう
スプレッドシートの Gemini サイドパネルでは、スプレッドシートの使い方がわからなくなった時に教えてもらうことも可能です。
例えば、次のようなプロンプトが利用可能です。
「カラースケールを使った条件付き書式の使い方を教えて」
回答
カラースケールを使った条件付き書式は、色のグラデーションを使ってセルを強調表示し、データ値を視覚的に比較する方法です。例えば、売上データの表を作成し、カラースケールを使って売上高の低いセルを赤、売上高の高いセルを緑で表示することができます。これにより、売上状況をすばやく把握することができます。
カラースケールを使った条件付き書式を作成するには、以下の手順に従います。
書式ルールを適用するセルまたは範囲を選択します。
「書式」 > 「条件付き書式」 を選択します。
「カラースケール」 を選択します。
カラースケールの種類を選択します。
必要に応じて、最小値、最大値、および中間値の色をカスタマイズします。
「OK」 をクリックします。
スプレッドシートの内容の概略をまとめる
スプレッドシートの内容を素早く理解したいときは、
「このスプレッドシートを要約してください」
というプロンプトを入れてください。
今回は日本の自動車の国内販売台数ランキングの表に対し 「このスプレッドシートを要約してください」 というプロンプトを入れてみたところ、このような回答を得ることができました。
回答
このスプレッドシートは、2023年度の自動車国内販売台数ベスト50のランキングを表しています。
含まれている情報は以下のとおりです。
順位 : 販売台数の順位。
車種名 : 車種の名前。
メーカー : 自動車のメーカー。
販売台数 (台) : その年度に国内で販売された台数。
この表から、どの車種がどの程度売れているのか、また、どのメーカーの車が人気があるのかが分かります。上位にはトヨタの車種が多くランクインしていることが分かります。
注意点 :
このランキングはあくまで国内販売台数であり、輸出台数は含まれていません。
軽自動車は含まれていません。
このデータは速報値等を含む場合があり、後日修正される可能性があります。
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スプレッドシート右上に表示されている 「この表を要約」 というボタンを押しても、サイドパネル上でスプレッドシートの内容の概略をまとめることができます。
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まとめ
スプレッドシートの Gemini サイドパネルはまだ進化の途中ではありますが、かなりのポテンシャルを持つ機能です。業務の効率を劇的に向上できるサイドパネルをぜひ活用しましょう。