栃木県 足利市役所
- 業種
- 地方公共団体
- 規模
- 1001人〜5000人
- 導入内容
- rakumo ワークフロー / rakumo ボード / rakumo コンタクト / rakumo カレンダー
コストやBCP対策の観点でオンプレミス環境がネックに―ローカルブレイクアウトによるクラウド化で業務効率が大幅に向上
課題
- コストやBCP対策の観点で見直しが必要だったオンプレミス環境
- Google Workspace にはワークフローや掲示板機能が非搭載
決め手
- 低コストでGoogle Workspaceの機能を補完できる
- ITリテラシに依存せず誰にでも使いやすいUI
- Google Workspace のアカウントで統合管理ができる利便性
導入効果
- 申請・承認処理の効率化・スピード化を実現
- 予定の入力・確認だけでなく設備予約なども容易に
- サムネイル表示やグループ分けなど掲示板の自由度がアップ
- 人事異動におけるアカウント管理の手間も削減
足利市では、運用保守にかかるコストやBCP対策の観点からオンプレミス環境の見直しを図るべく、Google Workspace とrakumoサービスを導入。申請・承認処理の効率化・スピード化、予定の入力・確認や設備予約などの利便性向上、サムネイル表示やグループ分けによる掲示板の自由度アップ、人事異動におけるアカウント管理の手間削減などを実現。今後はrakumo ワークフローの利用範囲拡大や、教育委員会と各学校間での連絡に使っているネットワークへの転用なども視野に入れているそうです。
運用保守のコストやBCP対策の観点からオンプレミス環境が課題に
足利市の特徴を教えてください。
栃木県 足利市役所 行政経営部 デジタル戦略課 福田 太希 様(以下、福田 様) :
人口約 14 万人、面積約 178 平方キロメートル。市の北部には緑豊かな山並み、中央部には渡良瀬川が流れる自然豊かなまちです。東京から電車で約 1 時間とアクセスも良く、首都圏からの移住者も増えています。市内には、日本最古の学校といわれる日本遺産「史跡 足利学校」、本堂が国宝に指定されている足利氏ゆかりの「鑁阿寺(ばんなじ)」などの歴史的遺産や、世界の夢の旅行先 10 か所に日本で唯一選ばれた、大藤やイルミネーションで有名な「あしかがフラワーパーク」などの見どころがあります。
従来の環境と、その課題についてお聞かせください。
福田 様 :
自治体における情報システムは、マイナンバー利用事務系/LGWAN接続系/インターネット接続系という3種類の独立したネットワーク構成「三層分離」になっており、さらにその形態によって「α/β/β’」、近年検討が進められている「α’」という各モデルに分けられます。このうち足利市役所が採用しているαモデルは、強固な情報セキュリティ対策が可能な一方で、在宅勤務やテレワーク、Web会議などの実現が困難という課題がありました。
栃木県 足利市役所 教育委員会事務局 学校教育課教育研究所教育 DX 担当 主幹(前所属:行政経営部 デジタル戦略課)菅谷 正隆 様(以下、菅谷 様) :
市民サービスに直結する基幹システムは2014年にクラウド化を実施しましたが、情報系・インターネット系システムについてはセキュリティなどの関係上、オンプレミスのままでした。
しかし、機器の老朽化に加えて運用保守に関するコストや災害発生時のBCP対策を鑑みるとクラウド化することがベストだと考え、システム更新に合わせて2022年11月からリプレイスの検討を開始したのです。
リプレイスに際しては「Google Workspace」と「Microsoft 365」が候補に挙がりましたが、コスト面の優位性に加えて初めて触れるユーザーでも直感的に使えるという点からGoogle Workspace を採用しました。ネットワーク構成としては、LBO(Local Break Out:ローカルブレイクアウト)によりLGWANを経由せずに接続する形式で導入しています。
一方で、Google Workspace にも課題はありました。従来のグループウェアにあった掲示板やワークフローを標準機能として備えていない点です。この課題を解決してくれたのがrakumoサービスでした。
使い勝手の良さに加えてコスト面でもベストな選択肢
rakumoサービスをお選びいただいた決め手についてお聞かせください。
福田 様 :
導入前のトライアルで触れた際、ITリテラシに依存することなく誰にでも使いやすいUIに仕上がっていると感じましたね。Google Workspace のアカウントで統合管理ができる利便性はもちろん、必要な機能を選んで使えるため、コスト的にもベストな選択肢でした。
そこで2023年9月頃からデジタル戦略課のメンバーが少数IDでrakumoサービスの検証を開始し、同年11月にGoogle Workspace の本格導入をスタート。2024年3月にrakumo Basicパック 1500IDを契約しました。
導入時のエピソードについてお聞かせください。
福田 様 :
導入フェーズは特に大きなトラブルもなく、スムーズに進行することができました。それもrakumoさんのサポートがあったおかげです。特に構築メンバーの方々には、直接設定していただいたり、教えていただいたりと大変お世話になりました。やり取りはチャットが中心でしたが、レスポンスも迅速で満足です。
庁内研修については、Google Workspace と同時に対面形式で5回ほど実施しました。その様子を録画した動画に加えて、構築メンバーの方々に制作していただいたオリジナルの操作動画をGoogle ドライブ上に保存し、庁内ポータルにリンクしてあります。そのほか、マニュアルについても庁内ポータルからいつでも閲覧できるようになっています。
菅谷 様 :
メールに関しては、オンプレミスのメールサーバがすでに更新を終えていたことから、現在Gmailは利用していません。rakumo ワークフローの通知はGmailへ送られてしまうため、庁内ポータル上でrakumoワークフローの申請状況を確認できるようにしました。
申請・承認処理やスケジュール管理などが大幅に効率化
導入された後の反応や手応えはいかがでしたか?
福田 様 :
これまで使用していたグループウェアと比べてかなり使いやすくなりましたね。まずrakumo ワークフローは、申請や承認の処理が効率化・スピード化されました。従来のワークフローは簡易的なものだったのでやれることが限られていましたが、rakumo ワークフローなら紙の書類ベースだった部分も含めて幅広い業務に活かせそうです。
現在は、チーム内で共有が必要な書類の回覧、アンケートの回覧や回答、他の市町村から送られてくる情報や確認事項の回覧などに使用しており、今後は部署間での申請処理等でも活用を予定しています。
rakumo カレンダーに関しては、スケジュールの入力・確認がとてもやりやすくなりました。会議室や公用車を予約できるだけでなく、空き時間の確認も非常にしやすいですね。Web会議の予約を入れる際、チェックひとつでMeetのURLが貼り付けられるのも大変便利です。部署を横断したスケジュール管理が必要なユーザーには、カスタムグループ機能も高評価です。
菅谷 様 :
rakumo ボードについては、テキストベースだった従来の掲示板と比べて、サムネイル表示やグループ分けなどの機能で自由度がアップしました。現在は庁内向けの事務連絡を中心として、システム情報や業務外のお知らせなどを投稿しています。投稿頻度は1日あたり数件で、画像やスライドを活用した内容も増えてきました。権限的にはメンバー全員が投稿可能となっています。
管理面では、Google Workspace と同期するだけで大抵のことが済ませられるのは嬉しいですね。地方自治体は定期的に部署異動を行うため、アカウント管理の手間が削減できて助かります。
教育委員会と各学校間のネットワークにも活用したい
今後のご予定やご要望についてお聞かせください。
福田 様 :
まだ紙やWord形式で回覧している業務が残っているので、今後はrakumo ワークフローの利用範囲を徐々に拡大していく予定です。また、総務省のセキュリティに関するガイドラインに抵触しないようであればGmailの利用や、業務全体をクラウドへ移行することも視野に入れています。要望としては、rakumo ワークフローの通知がチャットでも受け取れるようになると嬉しいですね。
菅谷 様 :
文部科学省でも、専用ではなく汎用クラウドツールの校務活用を推奨する声が高まっています。そこで、教育委員会と各学校間での連絡に使っているネットワークにもGoogle Workspace とrakumoサービスを活用し、既存の校務支援システムの機能をより整理・発展できればと考えています。
ありがとうございました。
(取材時期:2024年10月)
事例で利用されている「便利な機能」
栃木県 足利市役所
事業内容:地方公共団体
職員数:約1088名(2022年4月1日現在)
*掲載内容は取材時点のものです。