
【Google Chat】 チャットがもっと便利に! Gemini サイドパネルを活用しよう

チームメンバーとのやり取りはもちろん、ファイル共有やタスク管理にも役立つ Google Chat は、 Google の AI 「Gemini」 の統合によってさらに便利なツールへと進化しました。
この記事では、 Google Chat に統合された Gemini のサイドパネルを活用する方法と、その具体的なメリットについてご紹介します。
Google Chat の Gemini サイドパネルとは?
Google Chat の Gemini サイドパネルは、 Google Chat のサイドパネルに Google の AI モデル Gemini が統合されたものです。チャットを開いたまま、 Gemini に話しかける感覚で、会話の要約や情報抽出、返信の作成などをサポートします。
Google Chat の Gemini のサイドパネルでできること
Google Chat の Gemini サイドパネルでは、主に以下のことができます。
- 会話の要約長いチャットのやり取りを簡潔にまとめてもらい、議論のポイントを素早く把握する
- アクションアイテムの抽出この会話でのアクションアイテムを教えてと尋ねることで、誰が何をすべきかを明確にする
- 特定の情報への回答会話内容に関する具体的な質問をすることで、過去のやり取りの中から必要な情報を探し出す
これらの機能により、聞き逃した会話の確認や、重要な情報の検索、タスク漏れの防止に役立ち、チャット上でのチームコラボレーションがさらにスムーズになります。
Google Chat の Gemini のサイドパネルを使うメリット
Google Chat で Gemini サイドパネルを使うメリットは、主に以下の点が挙げられます。
- 情報の把握と理解するスピードの向上
長文のチャット履歴を Gemini が要約してくれることで、内容をすべて読み込む手間が省け、主要なポイントを素早く把握できます。
特に、会議に参加できなかった時や、プロジェクトの状況を途中から追いかける際に便利です。 - コンテンツ作成と作業がスムーズになる
チャットのやり取りをベースに、 Gemini に議事録の要点やアクションアイテムを整理してもらったり、クライアントへの報告メールのドラフトを作成してもらったりできます。作業時間を短縮し、より本質的な業務に集中できるようになります。
- コミュニケーションの質の向上
Gemini に返信のドラフトを作成してもらうことで、状況に応じた適切な返信を素早く送ることができます。例えばフォーマルな文面が必要な時など、コミュニケーションの質を向上させることにも役立ちます。
Google Chat の Gemini サイドパネルを利用するには
2025年8月現在、 Google Workspace (有償版) では Business Standard 以上、 Google Workspace for Education では Gemini Education アドオンまたは Gemini Education Premium アドオン のユーザーが利用可能です。
Google Chat の Gemini サイドパネルを使う方法
Google Chat で Gemini サイドパネルの利用を開始する方法を紹介します。
Google Chat での Gemini サイドパネル の使い方
- まずは、パソコンで Google Chat を開き、右上の Gemini のアイコンをクリックします。
- サイドパネルが開くので、プロンプト (指示文・質問文) を入れるか、またはドライブにあるファイルをドラッグ&ドロップしてプロンプトを入れてください。プロンプトは、このチャットで決定した次のアクションはなんですか?のように、自然言語で質問を入力できます。
プロンプトについては後ほど詳しく紹介します。
Google Chat の Gemini サイドパネル では Gem も利用可能
Google Chat の Gemini サイドパネルは Gem も利用可能です。 Gem とは、 Google の生成 AI である Gemini をユーザーのニーズに合わせてカスタマイズできる機能です。
【Gem の主な特徴】
- カスタマイズ性の高さプログラミング知識は不要で、自然言語で Gem の役割や口調、振る舞いを設定できます。プロジェクトの進捗を常に確認し、要点をまとめてくれるアシスタントや社内規定に詳しい Q&A ボットといった、特定のタスクに特化した AI を作成できます。
- 効率化と生産性向上繰り返し発生するタスクを Gem に任せることで、作業時間を短縮し、より重要な業務に集中できます。
- テンプレート機能自分で一から作成する以外に、 Google が事前に用意したプリメイド Gem を利用して、すぐに使い始めることも可能です。

【Google Chat Gemini サイドパネルの Gem の使い方】
- Google Chat の Gemini サイドパネルを開き、縦三点リーダー [︙] をクリックして 「ジェム」 を選択します。
ヒント
Gem を選択するとプリメイド Gem が表示されるのでそのまま利用することも可能です。
- 「Gem を作成」 をクリックすると別タブで Gemini アプリが開きます。
- Gemini アプリで Gem の名前や 「カスタム指示」 を入力します。
「カスタム指示」 では、 Gem にどのような働きをしてほしいかを具体的に指示します。 「知識」 には参考となる資料や URL を追加できます。
作成した Gem は、 Google Chat のサイドパネルから呼び出して利用できます。
サイドパネルが使えない場合の対応方法
もしサイドパネルが利用できるオプションに加入しているにも関わらず、サイドパネルが利用できない場合は、パソコンから下記の手順で設定を行ってください。
- Google ドライブ の設定 (右上の歯車マーク) > 全般 を開きます。
- 「他の Google サービスのスマート機能とパーソナライズ」 までスクロールして 「他の Google サービスのスマート機能とパーソナライズをオンにする」 にチェックを入れ、さらに一番下までスクロールして 「変更を保存」 をクリックします。
これでサイドパネルが利用可能になりました。もしこの作業を行なってもサイドパネルが利用できない場合は、管理者にお問い合わせください。
プロンプトを活用して Google Chat の Gemini サイドパネルを使いこなそう
ここからは Google Chat の Gemini サイドパネルで使えるプロンプトの例を紹介します。
重要 : Gemini は、2025年8月現在まだ言語を学習中です。回答は試験運用中のものである可能性があります。
長い会話の要約とポイント抽出
<活用シーン>
- 会議に参加できなかった時、すぐに議論の内容を把握したい。
- プロジェクトの進捗スレッドが長くなり、重要な決定事項を見つけたい。
- 過去の議論を振り返り、今後のアクションを整理したい。
<プロンプト例>
- 「このチャットの主要なポイントを3つの箇条書きで要約してください。」
- 「このスペースで話し合われている〇〇プロジェクトの、現時点での課題と次のアクションを教えてください。」
- 「先週の議論で決まった事項をリストアップし、担当者と期日をまとめてください。」
今回は、 「このチャットの主要なポイントを3つの箇条書きで要約してください。」 というプロンプトを入れてみました。
下記のような回答が戻って来ました。
- ××さんが〇〇さんにキービジュアルのチェックを依頼しました。
- 〇〇さんは、キービジュアルの左下の写真が分かりにくいと指摘しました。
- 〇〇さんは、左下の写真をより明確なものに差し替えることが可能か尋ねました。

特定の情報の検索と抽出
<活用シーン>
- 過去のチャットで共有された特定のファイルや URL をすぐに見つけたい。
- 誰が特定のタスクを担当することになったか、チャット履歴から確認したい。
- 顧客からのフィードバックや提案内容を特定のチャットスレッドから抽出し、整理したい。
<プロンプト例>
- 「〇〇の件で、山田さんが言及していた資料のURLを教えてください。」
- 「このチャットで提案された新しいキャンペーンのアイデアをすべてリストアップしてください。」
- 「田中さんが、来週の会議で準備しておくべきことを教えてください。」
今回は、 「このスレッドで参考サイトとして言及していた資料のURLを教えてください。」 というプロンプトを入れてみました。
下記のような回答が戻って来ました。
共有された参考サイトの URL は次のとおりです。
https://rakumo.com/gsuite/gws-hint/

返信やコンテンツのドラフト作成
<活用シーン>
- 返答に困るチャットや、フォーマルな文面が必要なチャットで、適切な返信を作成したい。
- チャットの内容を基に、より整理された議事録や報告書のたたき台を作りたい。
- ブレインストーミングのアイデアを、チャット上で共有できる形に整えたい。
<プロンプト例>
- 「この提案について、前向きに検討する旨を、丁寧な言葉で返信文として作成してください。」
- 「このチャットの内容を基に、ミーティングの目的、アジェンダ、参加者を盛り込んだ会議案内を作成してください。」
- 「〇〇の件で、顧客への進捗報告メールのドラフトを作成してください。」
今回は、 「このフィードバックについて、対応する旨を、丁寧な言葉で返信文として作成してください。」 というプロンプトを入れてみました。
下記のような回答が戻って来ました。
ご連絡ありがとうございます。いただいたフィードバックにつきまして、対応させていただきます。

チームでのブレインストーミング
<活用シーン>
- 新しいプロジェクトのアイデア出しをチャット上で行い、 Gemini に壁打ち相手をしてもらいたい。
- 複数のメンバーが出したアイデアを Gemini に整理・分類させたい。
- ある課題に対する解決策を、チャットの文脈を考慮しながら Gemini に提案させたい。
<プロンプト例>
- 「このプロジェクトのターゲット層を考慮して、新しいマーケティングキャンペーンのアイデアを5つ提案してください。」
- 「みんなが出してくれたアイデアを、実現可能性とインパクトの2軸で分類してください。」
- 「このチャットで議論された課題を解決するための、具体的なアクションプランを提案してください。」
今回は、 「このスレッドで出てきた課題の解決策を出してください」 というプロンプトを入れてみました。
下記のような回答が戻って来ました。
このスレッドで挙げられた課題と解決策は以下の通りです。
課題 : Slack にあり、 Spaces にない機能について。
解決策 :
メンションされたメッセージだけを見る機能はないが、**でのやりとりでは問題ない。
課題 : 大人数やチャンネルが乱立している場合に、どこで何が言われたか分かりにくくなる。
解決策 : 人数が少ない場合は問題ない。
課題 : 作成した Google Spaces に招待されたユーザーのメールが迷惑メールに入ってしまう。
解決策 : Google 側で対応が必要。

Google Chat の Gemini サイドパネルをさらに効率よく活用するためのポイント
Google Chat をさらに効率よく活用するためには、下記のポイントを意識してみましょう。
- プロンプトは具体的に、文脈を明確に
Gemini サイドパネルは、チャットの文脈を理解してくれますが、より具体的な指示を出すことで、欲しい回答を的確に引き出せます。
例 : 「このチャットの主要なポイントを3つの箇条書きで要約して。また、提案されている次のアクションがあれば教えてください。」
- 複数のファイルをドラッグ&ドロップして質問する
Google Chat の Gemini サイドパネルでも複数のドキュメントやファイルを読み込ませることができます。複数のファイルに散らばった情報を横断的に検索・集約したい場合に有効です。
活用例 :
- 複数の議事録から、特定のプロジェクトの決定事項だけを抜き出して整理する。
- チームメンバーが共有した複数の資料から、共通する課題点を洗い出す。
- ロールプレイングさせる
Gemini に特定の役割 (ロール) を与えることで、回答の質を高めることができます。
<プロンプト例>
- 「あなたは顧客対応の専門家です。このチャットのやり取りを読み、顧客への返信文を作成してください。」
- 「あなたはプロジェクトマネージャーです。この議論の内容を分析し、タスクの優先順位を提案してください。」
- 既存の回答をさらに掘り下げる
Gemini が生成した回答に対して、追加の質問をすることで、さらに詳細な情報を引き出せます。
<プロンプト例>
Gemini: 「このプロジェクトの課題は、予算と人員の不足です。」
あなた : 「予算不足の具体的な理由と、その解決策について、さらに詳しく教えてください。」
まとめ
Google Chat に Gemini が統合されたことで、チャット履歴の要約や情報検索、返信の作成といった作業の効率化が期待できます。
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ Google Chat で Gemini を最大限にご活用ください。