業務効率を上げるスプレッドシートの AI 関数の使い方&活用術
スプレッドシートの作業をもっと効率化したいと感じていませんか?
スプレッドシートの AI 関数を利用すれば、長文の要約やデータの分類や数式の生成などが自然言語での簡単な指示だけで完了できるようになります。
この記事では、 AI 関数の使い方や具体的な活用事例をご紹介します。
AI 関数とは?
Google スプレッドシートの AI 関数とは、 Google の生成 AI Gemini を活用し、スプレッドシートのセル内で直接、テキストの生成、分類、要約、翻訳などを実行できる機能です。
これまで AI 関数は英語でのプロンプトにのみ対応していましたが、2025年9月以降順次、日本語対応が展開されています。
AI 関数の基本的な構文
AI 関数の基本的な構文は以下の通りです。
=AI("指示プロンプト", 範囲)
指示には AI に実行してほしい内容 (プロンプト) を自然言語で記述し、範囲にはその指示を適用したいセルやセル範囲を指定します。
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=AI(“この文章を日本語に翻訳して”, A2)
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AI 関数が利用できるエディション
AI 関数が利用できるのは以下のエディションのユーザーです。(2025年10月現在)
- 企業向けGoogle Workspace
Business Standard / Business Plus / Enterprise Standard / Enterprise Plus のユーザー - 個人ユーザー
Google AI Pro または Google AI Ultra に加入しているユーザー - 教育機関向け Google Workspace
Gemini Education アドオン / Gemini Education Premium アドオン に加入しているユーザー
AI 関数の使い方と活用事例
実際にスプレッドシートの AI 関数を使うやり方や活用事例を紹介します。
事例1 : 顧客名簿のフリガナ変換とデータの正規化
AI 関数を使えば、氏名や住所のデータの正規化を簡単に行うことができます。
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フリガナ変換: =AI(“この漢字の名前をカタカナに変換してください”, A2)
住所正規化: =AI(“この住所を都道府県名+市区町村名+番地の形式に整形してください”, C2)
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事例2 : 文章の校正
文章を校正するための関数を入れておけば、リアルタイムで原稿のチェックを行うことができます。
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=AI(“この文章を校正して。誤字脱字、文法、句読点を修正してください。”, A1)
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事例3 : 新製品のキャッチコピーやマーケティング文の生成
アイデア出しや文章作成にも AI 関数を使うことで、マーケティング担当者の業務負担を軽減します。
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=AI(“A2の製品名とB2の特徴に基づいて、消費者の購買意欲をそそるようなキャッチコピーを3案提案してください”, A2:B2)
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事例4 : 問い合わせ内容の分類と要約
カスタマーサポートなどで日々大量に届く問い合わせメールを、 AI 関数を使って自動で分類 ・ 要約できます。
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分類: =AI(“この文章を製品不良・交換依頼サービス内容の質問その他のいずれかに分類してください”, A2)
要約: =AI(“この文章を30字以内で要約してください”, A2)
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AI 関数をより便利に使うためのヒント
AI 関数の性能を最大限に引き出すためには、いくつかのコツがあります。
プロンプトは具体的に、簡潔に記述する
AI 関数は、ユーザーの意図を正確に理解するために、明確で具体的な指示を必要とします。
例えば、この文章をまとめてよりもこの文章をビジネスメールの件名として20字以内で要約してくださいのように、目的、文字数、出力形式を具体的に指定することで、より精度の高い結果が得られます。
プロンプトをセルに記述して参照する
同じ指示を繰り返し使う場合は、プロンプトを別のセルに記述し、それを参照する形式がおすすめです。
例えば、 B1 セルにこの文章を50字以内で要約してくださいと入力しておき、 =AI(B$1, A2) のように記述すれば、後から指示内容を変更したい時も B1 セルを修正するだけで済み、効率的です。
範囲を適切に指定する
AI 関数に与える範囲は、単一のセルだけでなく、特定の列や複数のセル範囲をまとめて指定することも可能です。
これにより、大量のデータを一括で処理でき、手動でのドラッグ&ドロップやコピー&ペーストの作業をなくすことができます。
まとめ
AI 関数の登場によって、データ整理や文章作成といった定型作業が誰でも簡単に自動化できるようになりました。
この記事の活用事例を参考に、 AI 関数を活用して業務を効率化していきましょう。
