Gemini を搭載した動画制作ツール 「Google Vids」 の概要と使い方
Google が開発した大規模言語モデル 「Gemini」 を搭載した動画制作ツール 「Google Vids (グーグル ビズ)」 。
特別なソフトウェアや動画編集スキルがなくても AI を利用して動画が簡単に作成できるツールです。この記事では、 Google Vids の概要や具体的な使い方について説明します。
Google Vids とは?
Google Vids は、 Google Workspace に統合された AI を搭載した動画制作 ・ 編集ツールです。 Gemini が搭載されているので、テキストベースのプロンプトを入れるだけで動画やナレーションなどが自動で生成できます。
なお、作成できる動画は10分以内となります。
※ 一部の機能は日本語版未対応です。
Google Vids が使えるユーザー
2025年10月現在、 Google Vids は、 Google Workspace Business / Enterprise のすべてのプランで利用が可能です。また、 Google AI Pro プランまたは Google AI Ultra プランを利用している一般ユーザーも利用できるようになりました。
無料を含む上記以外のエディションのユーザーも Google Vids で動画の再生や編集は行うことが可能です。
Google Vids でできること
Google Vids を使うと、このようなことができます。
動画の生成
- テキストから動画を生成
プロンプトに沿って、テーマに合った動画コンテンツを自動で作成します。 (※2025年10月現在、日本語版未対応) - スライドから動画を生成
Google スライドのプレゼン資料を、クリック一つで動画に変換できます。 - Google ドライブ連携
ドライブに保存された動画や画像、ドキュメントなどを使って、動画を作成できます。 - Veo3 で画像からアニメーションを作成
複数の写真から音声付きのアニメーションを作成できます。 - パソコンのカメラで自身の動画を録画できます。
動画の編集 ・ カスタマイズ
- 直感的な編集画面
スライドを作成するような感覚で、シーンの追加 ・ 削除、テキストや画像の編集が可能です。 - AI によるナレーション
スクリプトから AI が自然な声でナレーションを自動生成します。声色やトーンも選べます。 (※2025年10月現在、日本語版未対応) - 音声録音
自分の声をナレーションとして録音することもできます。
共同編集
- リアルタイム共同編集
Google Workspace の他サービスと同様、複数のユーザーで同時に動画を編集できます。
Google Vids で作成したファイルは、 Google ドキュメントなどと同じように Google ドライブに保存されます。
Google Vids おすすめの使い方
Google Vids はビジネスユースに適した動画編集ツールです。このようなご利用がおすすめです。
- 社内研修 ・ マニュアル動画の作成
複雑な手順も動画で分かりやすく伝えられます。 - 製品 ・ サービス紹介動画の作成
顧客の興味を引くプロモーション動画を手軽に制作できます。 - プレゼンテーション資料の動画化
文字だけの資料を動画にすることで、より訴求力の高いコンテンツに生まれ変わらせます。
Google Vids の使い方
具体的な Google Vids の使い方を説明します。
Google Vids のはじめ方
Google Vids を始めるには、対応するエディションのアカウントにログインしてパソコンで Google Vids を開くと、下記のような画面が表示されます。
2025年10月現在、 AI を使用して動画を作成する機能は英語でのみ利用可能なため、今回はテンプレートを選択して動画を作成する方法を中心に紹介します。
テンプレートを使用せず、一から動画を作成する場合は 「空白の動画」 をクリックしてください。

なお、 Vids の最大の特徴は、スクリプトを入れるだけでAI を駆使した動画を生成できる点です。この機能は2025年10月現在、言語設定が日本語の環境では未対応となっております。
※ 下記は Google の公式動画のスクリーンショットになります。

テンプレートを選択して動画を作成する
ここではテンプレートを選択して動画を作成するやり方の一例を紹介します。
テンプレート以外の動画の作成開始方法は 「テンプレート以外の動画の作成方法」 を参考にしてください。
- 最初の画面で 「テンプレート」 を選択してください。

今回は、 「Reaction」 というテンプレートを使用してみました。こちらは新商品のプロモーションに適したテンプレートです。
テンプレートは、背景色やフォント、スタイルなどを変更して、ブランドイメージに合った動画を作成することができます。

- テンプレートの中のシーンのどのシーンを使用するか選択します。ここでは、 「すべてのシーンを挿入します」 を選びました。
シーンはあとからでもカット可能で、順番を入れ替えることも可能です。

- テンプレートを編集します。 テンプレートは、スライドを作成するような感覚で編集できます。編集方法は下記を参照にしてください。
【テキストの編集】
テンプレート内のテキストをダブルクリックして、自由に編集できます。フォント、サイズ、色なども変更可能です。

【画像の変更】
テンプレート内の画像をクリックして、右クリックをしたら、メニューの中から「画像を置換」を選択し、別の画像に差し替えることができます。
画像は、 「パソコンからアップロード」 「画像を生成」 「ドライブとフォト」 「ストックメディアとウェブ」 「記録」 (パソコンのカメラで動画を撮影) から選択できます。

「画像を生成」 を選択すると、プロンプトにより画像が AI 生成されます (日本語利用可能)。
ヒントAI による画像生成は、上メニュー 「挿入」 > 「画像を生成」 からでも可能です。

【動画や画像の追加】
動画や画像を追加したい場合は、追加したいシーンで上メニューの 「挿入」 > 「ドライブとフォト」 を選択します。

右側のプレビューから画像や動画を選択すると、新規で画像や動画が挿入されます。

【背景の変更】
シーンの背景色を変更するには、背景の部分を選択し、上のメニューから色を選んでください。

【アニメーションの変更】
画像などにアニメーションをつけたい場合はオブジェクトを選択し、表示される [アニメーションを変更] アイコンをクリックします。

右側にアニメーションの一覧が表示されるので選択してください。

【切り替えの変更】
シーン間の切り替え効果 (トランジション) を変更できます。下に表示されるタイムラインの切り替えのアイコンの箇所をクリックすると、右側に切り替え効果の一覧が表示されます。マウスを合わせるとプレビューを見ることができるのでお好みの切り替え効果を選択してください。

【シーンの削除 ・ 追加 ・ 順番の入れ替え】
シーンを追加や不要なシーンを削除するには、下のタイムラインで不要なシーンを選択し、右クリックから 「削除」 を選択します。

シーンを追加するには、タイムラインでシーンをいれたい箇所を右クリックし、 「新しいシーン」 を選択してください。

シーンの順番を入れ替えるには、下のタイムラインで順番を入れ替えたいシーンを選択し、ドラッグ & ドロップで移動できます。
ナレーションを入れる
Vids はナレーションを入れることができます。ナレーションを入れる方法は2つあり、 AI による自動生成ナレーションまたは自分で録音した音声を挿入することができます。
重要 : AI によるナレーションの自動生成は、2025年10月現在英語でのみご利用いただけます。ここでは、自分で録音した音声を挿入する方法を紹介します。
- 上メニューの 「挿入」 から 「音声」 を選択します。

- 下の録音ボタンを押すと、ナレーションの録音が開始されます。
ヒント
上部の 「現在のシーン」 「すべてのシーン」 のタブを選択することで、現在選択されたシーンにのみ音声を入れるか、すべてのシーンに音声を入れるか選択できます。

- 録音を終了したら、 「プレビュー」 で確認の上 「挿入」 をクリックしてナレーションを挿入します。

ナレーションを入れる位置は、下のタイムラインでドラッグ & ドロップすることで調整可能です。

- 上メニューの 「ファイル」 > 「スライドを変換」 を選択します。

- 挿入したいスライドを選択します。

- 動画に変換したいスライドのページを選択し、 「インポート」 をクリックします。

BGM を入れる
BGM を入れる場合、パソコンに音源を用意し、音源をタイムラインにドラッグ & ドロップしてください。
他のユーザーと共有 ・ 共同編集を行う
他のユーザーと共有、共同編集を行うことができるのも、 Vids の特徴です。
他の Google Workspace のアプリと同様に右上の 「共有」 をクリックし、共同編集を行うユーザーのメールアドレスを入力の上、編集または閲覧権限を付与してください。

ファイルを MP4 に書き出す
作成した Vids は MP4 に書き出せます。書き出すには、上メニューの 「ファイル」 > 「MP4 形式でダウンロード」 を選択してください。

Google スライドを挿入する
Google スライドで作成した資料を動画に挿入することも可能です。
スライドが動画として挿入されました。

テンプレート以外の動画の作成方法
Vids は、テンプレート以外でも動画を作成できます。
【テキストから動画を生成】
パソコンのカメラで撮影をして、自身が話しているところなどを動画にできます。

【アップロードしたデータで動画を生成】
Google ドライブや、パソコンからデータをアップロードして動画を作成できます。

【スライドから動画を生成】
作成済みのスライドから動画を自動で生成できます。

【ブランクの状態から動画を生成】
なにも素材がない状態から動画を生成できます。

【日本語未対応】 英語環境で可能な Vids の AI 機能の活用例
2025年10月時点ではまだ日本語に対応していない Vids AI 機能ですが、実装されればこのような使い方ができます。
テキストから動画を自動生成
簡単なテキストプロンプト (指示) を入力するだけで、 AI が動画の構成案、シーン展開、ナレーション、 BGM までを自動で作成します。
例えば、 「新入社員向けの会社紹介動画を作成して」 と入力すれば、 AI が自動的に構成を提案し、各シーンに合った映像や画像素材、ナレーション案を生成してくれます。特別な知識やスキルがなくても、プロフェッショナルな動画を短時間で作成できます。

既存のファイルを活用した動画作成
Google Vids は Google Workspace とシームレスに連携します。 Google ドキュメントや Google スライド といった既存のファイルを読み込ませることで、その内容に基づいて動画を生成することが可能です。
例えば、営業資料の Google スライドを読み込ませて 「この資料の要点をまとめた動画を作成して」 と指示すれば、 AI が資料の内容を理解し、自動で動画を生成してくれます。これにより、過去に作成した資料を動画コンテンツとして再活用でき、社内共有やプレゼン資料の動画化が容易になります。
AI によるナレーション自動生成
スクリプト (台本) を作成すれば、 AI が多様な声のタイプでナレーションを生成してくれます。プロフェッショナルなナレーションを簡単に加えられるため、より説得力のある動画を作成できます。
まとめ
Google Vids は、動画制作の知識がなくてもハイクオリティな動画を作成できる画期的なツールです。プレゼンなどのビジネスシーンにぜひ Vids を活用してみましょう。
