株式会社アシスト
- 業種
- ITサービス/インターネット
- 規模
- 1001人〜5000人
- 導入内容
- rakumo ボード / rakumo API
“情報の洪水”状態からの脱却―社内メールを約95%削減し、API活用でアーカイブを含む横断検索も可能に
課題
- 多い時で1日あたり10数通、年間1100通以上に達していた全社向けメール
- 取扱製品の増加や新プロジェクト発足のたびに増え続ける約300個のイントラサイト
- 情報を分かりやすく分類・整理し、効率良く発信できる・探し出せる環境が必要
決め手
- Google Workspaceとの連携でアカウント管理が容易に行える
- 直感的な使いやすさに加えて投稿を“見たい”と思わせるUI
- 画像が貼り付けられるのはもちろん、サムネイル状態でも動画再生が可能
導入効果
- 導入前と比べて社内メールを約95%削減
- 横断検索ツールとAPI、ハッシュタグの活用でアーカイブも含む情報の検索性を向上
- ユーザーが必要な情報を“見やすく”“探しやすい”環境へ
「超サポ愉快カンパニー」を目指すパッケージ・インテグレーターの株式会社アシストでは、年間1100通以上の全社メールや約300個のイントラサイトで“情報の洪水”状態となった社内環境を改善するべく、新たな情報共有の場としてrakumo ボードを導入。横断検索ツールとrakumo ボード APIの併用、ハッシュタグの活用、現場の意見を取り入れた適切な運用ルールの制定などにより、見やすさと検索性に優れた情報共有を実現しました。今後もブラッシュアップを繰り返しながら、より最適な運用体制を目指していくそうです。
年間1100通以上の全社メールや約300個のイントラサイトで“情報の洪水”状態
御社の企業概要を教えてください。
株式会社アシスト 経営企画本部 広報・人事部 広報課 課長 仲谷 靖洋 様(以下、仲谷 様) :
1972年に設立された弊社は、より良いソフトウェアやサービス、技術サポート、教育およびコンサルティングなどを提供しているパッケージ・インテグレーターです。社名には“お客さまを成功に向けてアシストする”という想いが込められており、サポート面は特に注力しています。サポートといっても単なる技術支援ではなく、弊社が掲げているのは「全社員が圧倒的な顧客志向の下、アシスト価値の訴求に全力で取り組む」という「超サポ」です。より質の高い「超サポ」を実現するため、社員一人ひとりが真剣かつ愉しみながら取り組み、お客さまも思わずワクワクするようなビジネス提案を展開していく、それが弊社の目指す「超サポ愉快カンパニー」なのです。おかげさまで、現在6,400社を超えるお客さまとお取引きさせていただいています。
従来の環境と、その課題についてお聞かせください。
株式会社アシスト 経営企画本部 ITサービス企画部 岡田 優治 様(以下、岡田 様) :
弊社はパッケージ・インテグレーターとして商社に近い業態であることから、実にさまざまな情報を保有・発信する必要があります。こうした情報は取扱製品の増加とともに日々増え続けており、ストレージに保存してあるデータ容量が約100TBに達しているほどです。この膨大な量のデータから、必要かつ最新の情報へ素早くアクセスするのが難しくなっていました。
また、社内向けの情報発信に関しても問題を抱えていました。弊社では全社向けのメール「かわら版」を配信していたのですが、その中身は販促資料や価格変更の告知、営業情報やお客様の情報などさまざま。総務部が、各事業部・各部から情報を受け取り、配信システムに仕込み配信するメールは、多い時で1日あたり10数通、年間で1100通以上もの量になっていたのです。ユーザー側で自分に必要な情報を分別・保存・検索してもらっていましたが、これだけの数になると後から探し出すのも大変です。
株式会社アシスト 経営企画本部 広報・人事部 広報課 越智 さゆり 様(以下、越智 様) :
社内に約300個ものイントラサイトが存在している状況も悩みの種でした。イントラサイトは、取扱製品の増加や新プロジェクト発足のたびに作成されるのですが、約10年で57個から297個まで増加しており、これだけの数があると社内ポータルの一覧から見つけ出すのにも時間がかかってしまいます。
株式会社アシスト 経営企画本部 担当部長 沖 冠吾 様(以下、沖 様) :
このように、当時の社内は“情報の洪水”状態でした。そこで、いかに情報を分かりやすく分類・整理し、効率良く発信できる・探し出せる環境へ変えていけるかが重要だと考え、メールに代わる情報共有のベースとして掲示板ツールの導入検討を開始したのです。
直感的な使いやすさに加えて投稿を“見たい”と思わせるUI
製品・サービスの選定ポイントはどのようなものでしたか?
岡田 様 :
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によってデジタルワークスペースの構築が求められたこともあり、弊社では約5年前から「Google Workspace(当時の名称はG Suite)」を使用していました。そこで掲示板ツールの選定においても、Google Workspaceと連携できることを重視し、3製品に絞り込んでそれぞれトライアルを実施しました。
rakumoサービスをお選びいただいた決め手についてお聞かせください。
越智 様 :
機能自体はそこまで大きく変わりませんでしたが、rakumo ボードで特筆すべきはUIの素晴らしさでした。誰でも直感的に使えるというだけでなく、ユーザー視点で投稿を“見たい”と思わせるデザインが魅力的でしたね。画像が貼り付けられるのはもちろん、サムネイル状態でも動画再生ができる、といった部分も弊社のニーズに合っていました。
導入時のエピソードについてお聞かせください。
岡田 様 :
ライセンスの割り当てに関して若干戸惑う部分はありましたが、導入自体は比較的スムーズに行えました。どちらかというと、社内ルールの制定やマニュアル作成といった作業に時間を要しましたね。社内教育については2回ほど説明会を実施し、その様子をエンタープライズ動画管理基盤「Panopto」にアップロードすることで、誰もがいつでも見られるようにしてあります。
越智 様 :
掲示板の数や投稿内容についても慎重に精査しました。「どのような掲示板が必要か」はもちろん、部署によって代理投稿や直接投稿など方法が異なるため、「誰がどのように投稿するのか」も重要です。そこで個人単位の権限割り当てではなく、Google グループで投稿ロールを設定するという管理方法を選びました。その上で、投稿の手続きや原稿の書き方についてマニュアルにまとめてあります。
岡田 様 :
事業部ごとに1~2名ずつ任命した推進担当者の存在も、rakumo ボードの円滑な普及と運営改善を図る上で大きかったと思います。推進担当者は、各事業部において普及やサポートを行うキーマンであると同時に、現場で実際に挙げられた運用改善案をまとめる役割も担っています。その内容を基に運用ルールやマニュアルなどをブラッシュアップし、社内へとフィードバックすることで、継続的な運用改善が図れるという仕組みです。
ハッシュタグ活用で検索性を高め、社内メールは約二〇分の一に
導入された後の反応や手応えはいかがでしたか?
越智 様 :
現在は既存の全社向けメール告知の「かわら版」を廃止し、大半の情報発信・共有がrakumo ボードに集約されました。関係者が多い情報発信だけは全社向けメール、ちょっとした確認や即時性が必要なコミュニケーションはチャットなど、目的に応じて各ツールの使い分けが自然に行われはじめております。もともと情報発信の文化が社内に定着していたので、rakumo ボードへの投稿に対する抵抗もありませんでしたね。rakumo ボードの導入後、社内メールは約二〇分の一にまで削減しています。
仲谷 様 :
情報の検索性を高めたことも、ユーザー側の利便性向上に役立っていると思います。具体的には、あえてツリー形式でのカテゴライズを避け、代わりにハッシュタグを活用したことですね。たとえば、記事内に「#Panopto」のように製品名を入れておくと、対象製品に関する投稿だけを簡単に抽出できますし、「#必読」「#締切あり」といったハッシュタグも非常に有効といえます。こうした検索性の向上と同時に、“1投稿あたり1コンテンツ”に制限したのもポイントです。1つの投稿に複数の内容を盛り込むと、どうしても情報のフォーカスポイントがブレますし、ハッシュタグでの検索・分類もしづらくなってしまいます。そこでハッシュタグ活用と投稿内容のシンプル化で、必要な情報を素早く見つけられるようにしました。
API活用でアーカイブも含めた横断検索を可能に
今後のご予定やご要望についてお聞かせください。
仲谷 様:
rakumo ボードの投稿は、一部を除き3ヶ月で非表示にする運用ルールを設けると同時に、投稿から2週間でPDFにアーカイブを行っています。Google ドライブ上へ保存したPDFについては、Google ドライブやGmail、Salesforceなどさまざまなプラットフォームに対して横断検索ができる生成AIベースのSaaS型インサイトエンジンで弊社取り扱い製品でもある「Glean」で、いつでも探し出せるという仕組みを作成しました。さらにrakumo ボード APIを用いることで、最新の投稿も検索対象としてカバーできるようにしました。
これは現時点での暫定的な対処であり、まだベストな運用方法だとは言い切れませんが、今後もブラッシュアップを繰り返しながら、より弊社に最適な情報共有環境を目指していく予定です。
要望としては、現在手動で行っている投稿記事からPDFへのアーカイブ作業を、rakumo ボード上で自動化できるようになると嬉しいですね。あとは投稿の表示回数や利用ユーザー数が把握できると、管理者側の利便性がさらに向上すると思います。今後のアップデートにもぜひ期待したいですね。
ありがとうございました。
(取材時期:2024年4月)
事例で利用されている「便利な機能」
rakumo ボード
会社名:株式会社アシスト
事業内容:パッケージ・ソフトウェアの販売、技術サポート、教育およびコンサルティング
従業員数:1,337名(2024年4月現在)※グループ会社含む
*掲載内容は取材時点のものです。