情シスを管理業務から解放! オンプレサーバーから Google Workspace でクラウド化
サーバーの老朽化、セキュリティ対策の煩雑さ、運用コストの増大など、オンプレ (オンプレミス) サーバーが抱える課題は尽きません。そんな課題を解決する手段として、クラウドサービスへの移行を検討してみませんか?
この記事では、クラウドサービスでも特に導入しやすい Google Workspace に焦点を当てて、コスト削減や、 Google の高度なセキュリティ、そして全社の生産性向上といった具体的なメリットを紹介します。
サーバー管理の悩み、 Google Workspace が解決してくれた

システム管理者 : 城 資寿彦 (じょう しすひこ) さん
情報システム部
社内のシステム管理を担当している。
セキュリティ対策やネットワークに関する知識が豊富。

Google Workspace 導入担当者 : 布呂 真音美 (ぷろ まねみ) さん
事業推進部
Google Workspace の導入担当者。社内調整が得意。
現在は Google Workspace の活用を促すため社内セミナーや勉強会などを実施している。

城さん、おつかれさまです。最近はなんだか前よりお元気そうですね! 何かありましたか?

わかりますか? 実は、 Google Workspace を導入したおかげで長年の悩みだったオンプレサーバーの管理から解放されて、心も体も軽くなったんですよ。今だから言えますが、あの頃は本当に大変でした…。

どんなところが大変だったんですか? 私はサーバー管理についてはよく分からなくて。

一番は、コストと時間ですね。サーバーの維持には、物理的なハードウェアの購入費、設置スペース、電気代、冷却費用、そして何より保守 ・ 管理の人件費が膨大にかかっていました。
突然のトラブル対応で深夜に会社に駆けつけることもありましたし、セキュリティアップデートの適用も常に神経をすり減らしていました。

そうだったんですね…。

ええ。それに、社員が必要とするツールのインストール作業に加え、導入後もサーバーの増強作業などが必要になったりするため、新しい技術を取り入れるスピードがどうしても遅くなっていました。
Google Workspace を導入してからは、ドキュメントもスプレッドシートもドライブも、社員がフレキシブルに使えるようになりましたし、本当に Google Workspace を導入してよかったです!
Google Workspace への移行で得られた3つの大きなメリット

オンプレサーバーから Google Workspace を基盤としたクラウド環境に移行したことで得られたメリットをまとめてみました!
サーバー管理から解放されることで実現したコスト削減と生産性向上

オンプレサーバーの管理から解放されたことで、まず顕著に現れたのはコストの削減です。
- TCO (総所有コスト) の大幅な削減
ハードウェアの購入費や老朽化に伴う買い替え費用、データセンター費用、電気代などが一切不要になりました。 - 人件費の最適化
サーバーの運用 ・ 保守にかかっていた情シスメンバーの時間を、より戦略的で付加価値の高い業務 (例 : 新しいツールの導入支援、データ分析基盤の構築) に振り分けられるようになりました。

Google Workspace は契約するエディションやプランにもよりますが、1ヶ月あたり1ユーザー800円から利用できますし、かなりコストパフォーマンスもいいですよね。
強固なセキュリティと信頼性

インターネット経由でサービスを利用する場合、セキュリティ面が一番気になります。 Google のセキュリティって、大丈夫なんでしょうか?

その点こそ、 Google Workspace に移行して最も安心できた点です。 Google は世界中の膨大なデータを管理しているため、そのセキュリティ対策は非常に強固なんです。

具体的には、どのような対策がされているんですか?

まず、データ暗号化です。 Google のデータセンターでは、保存されているデータも、送受信されるデータもすべて強力に暗号化されています。これにより、万が一データが盗まれたとしても、内容を読み取られる心配がありません。

なるほど、それは安心ですね。

また、二段階認証や、不正アクセスを自動で検知する AI 機能も搭載されています。さらに、 Gmail には高度なスパム・フィッシング対策機能が備わっていて、社員が誤って危険なメールを開くリスクを大幅に減らすことができます。
これらの対策は、僕が一人でオンプレサーバーの管理をしていた時には、実現が難しかったレベルです。

確かに、そのようなセキュリティ管理は、私たちのような中小企業ではちょっと実現不可能そうですね…。

はい。それに、 Google のデータセンターは世界中に分散しているので、万が一の災害時でもデータが失われる心配がありません。 BCP (事業継続計画) の観点からも、非常に優れていると言えます。
全社の生産性向上とコラボレーションの促進

そして何より、全社の生産性が向上しました。クラウドに移行したことで、場所に縛られない働き方が可能になりました。

はい、私たちの部署でもスムーズにリモートワークが導入できました。特に Google ドキュメントやスプレッドシートの共同編集機能は画期的ですよね。
複数のメンバーが同時に1つのファイルに書き込めるので、以前のように 「ファイルが誰かの手元にあるから編集できない」 という待ち時間がなくなり、業務の進行スピードが格段に上がりました。
Google Workspace とオンプレサーバーの比較表

Google Workspace とオンプレサーバーの違いについて、表にまとめてみました。
| 項目 | Google Workspace | オンプレサーバー |
|---|---|---|
| 概要 | クラウド上で提供される、Googleのサービス群(Gmail, ドライブ, ドキュメントなど) | 自社内にサーバー機器やソフトウェアを設置・運用する形態が多い |
| 初期費用 | 安価または無料のトライアルから始められることが多い | サーバー機器の購入やネットワーク構築など、高額な初期費用が発生 |
| 運用コスト | ユーザー数に応じた月額・年額の利用料(ランニングコスト) | サーバーの維持管理費、電気代、人件費、固定資産税など |
| 導入までの期間 | 契約後、すぐに利用開始可能 | 機器選定、購入、設置、設定など、数週間〜数ヶ月かかる |
| カスタマイズ性 | 提供されるサービス内で利用するため、自由度は限定的。外部ツールとの連携は可能 | 自社で自由に設計・構築できるため、高度なカスタマイズが可能 |
| セキュリティ | Google の高度なセキュリティ体制を利用。常に最新のセキュリティ対策が自動適用される | 自社でセキュリティ対策をすべて管理。外部と切り離したネットワークを構築し、高い安全性を確保できる |
| BCP・災害対策 | サーバーは Google が管理するため、災害時も安定したアクセスが可能 | 自社でのバックアップや災害対策が必要。追加のコストや手間がかかる |
| アクセス性 | インターネット環境があれば、どこからでも、どのデバイスからでもアクセス可能 | 社内ネットワークに限定される場合が多い。リモートアクセスには別途設定が必要 |
| 保守・管理 | Google が運用・保守を行うため、自社での管理負担が少ない | 専門的な知識を持った担当者が必要。ハードウェアの故障対応やソフトウェアのアップデートなども自社で行う |

Google Workspace の導入によって、情シスの担当者以外の社員もさまざまなメリットを感じています!

一方、企業によってはクラウドではなくオンプレサーバーを選択するケースもあるでしょう。
例えば、特殊な業務プロセスやデータ処理など、自社の業務内容やシステムに合わせた柔軟なカスタマイズが必要であれば、オンプレサーバーのほうがクラウドと比較して細かな設定や構築を可能な場合があります。
Google Workspace への移行を成功させるためのヒント

Google Workspace の導入にあたり、成功させるためのヒントを振り返ってみたいと思います。
移行計画の策定と専門家の活用

今回の導入は社内の情シスメンバーだけでなく、外部の専門家の協力もいただきましたよね。

ええ。自社だけで移行を進めるには、かなりの時間と労力がかかります。特に、既存のメールデータやファイルデータを Google Workspace に移行する作業は、専門的な知識とノウハウが必要です。
移行支援の経験が豊富なパートナー企業に依頼することで、トラブルなくスムーズに移行を進めることができました。

そうですね。移行のロードマップを一緒に作ってもらえたことで、私も安心してプロジェクトを進めることができました。
従業員への教育と利用促進

移行後も、全社員が Google Workspace を使いこなせるように、色々な施策を考えましたよね。

はい。新しいツールの導入は、社員の IT リテラシーや既存の業務プロセスとの兼ね合いを考慮する必要があります。布呂さんが主導してくれた社内向けトレーニングや勉強会が、社員の定着率を上げる上で非常に効果的でした。

ありがとうございます! まずは、 Google ドライブの使い方や Gmail の便利な機能といった基本的な操作から始めて、徐々に Google Meet や Google Chat といったコラボレーションツールの使い方を広めていきました。

それに加えて、布呂さんが作成してくれた Google サイトの社内ポータルも役立っています。ツールの使い方マニュアルや、よくある質問を掲載することで、社員が困ったときにいつでも自己解決できる環境が整いました。

そうですね。社内のメンバーから 「こんな使い方があったんだ!」 という声を聞くと、とても嬉しくなります。
NotebookLM で社員の Q&A に自動で応答できる仕組みを作ったのも結構好評みたいです。
まとめ
Google Workspace の導入は社員の働き方もアップデートしてくれた

オンプレサーバーから Google Workspace への移行は、単にツールを変えるだけでなく、私たちの働き方そのものを大きく変えるプロジェクトだったんだなって思います。

物理的な管理業務から解放され、コストも削減できたことで、僕たち情シスは、社員の生産性を高めるための本来の業務に集中できるようになりました。また、 Google の強固なセキュリティは、会社の IT 環境全体を安全に保ってくれているので安心です。

移行当初は不安もありましたが、今では、社員みんなが Google Workspace を活用して、スムーズに仕事を進めているのを見て、本当に導入してよかったと感じています。
導入支援担当者からのワンポイントアドバイス
Google Workspace への移行は、単なる IT ツールの置き換えではありません。組織の働き方を根本から見直し、生産性とセキュリティを向上させるための重要なプロジェクトです。
まずは、現状の課題を洗い出し、どのような状態を目指すのか、目標を明確にすることから始めましょう。そして、移行のプロフェッショナルであるパートナー企業を頼ることで、安全かつスムーズな移行を実現できます。
また、移行後の定着には、社員の教育とサポートが不可欠です。社内勉強会やヘルプデスクの設置など、利用を促進するための体制を構築することで、 Google Workspace のメリットを最大限に引き出せるでしょう。オンプレ環境からの移行について不安な点があれば、こちらのフォームよりお気軽にご相談ください。






