Google Workspace のポテンシャルを最大化する。秋田県が選んだ「+rakumo」という選択肢
課題
- オンプレミスの既存グループウェアでは、県庁内外でのコミュニケーション活性化や情報共有の促進は実現困難
- Google Workspace 導入によるコミュニケーション活性化の一方で、従来の業務体系に即したスケジュール管理のための操作性改善が必要
決め手
- Google カレンダーにはない「組織階層に基づくユーザーの管理・検索」が可能
- 優れたUI/UXを備えるため旧グループウェアからスムーズに移行可能
- 信頼の置けるベンダーが開発した製品であるため長期にわたって安心して利用できると判断
導入効果
- 特にトレーニングを実施せずとも業務現場での利用がスムーズに定着
- 会議の日程調整をはじめとするさまざまな業務の効率化が実現
- 会議室予約や設備予約のシステム化による更なる業務効率化も可能
DXによる業務効率化と住民サービス向上を進める秋田県では、その一環としてGoogle Workspace を導入。クラウド型コラボレーションツールを中核とした県庁内外のコミュニケーション基盤構築に当たり、Google カレンダーの利便性を活かしつつ、現場での視認性や操作性をより一層高めるため、『rakumoカレンダー』を採用しました。その結果、カレンダー機能の使い勝手が大幅に向上しただけではなく、会議の日程調整や設備予約などさまざまな業務の効率化を実現できました。
庁内業務の生産性向上と市民サービス向上を目指しGoogle Workspace を導入
まずは秋田県のDXの取り組みについて教えてください。
伊藤 様:
2025年4月に就任した鈴木知事のもと、現在DX推進による地域活性化や住民サービス向上、庁内業務の効率化などに取り組んでいます。その一環として2025年4月からGoogle Workspace を、都道府県としては初めて全庁導入しました。
Google Workspace はどのような目的で導入されたのでしょうか。
伊藤 様 :
秋田県は全国でも特に深刻な人口減少に直面しており、2025年時点で約88万人いる人口が、2050年には約56万人まで減少するという推計もあります。そうなれば当然、行政サービスを担う県職員の人員確保も困難になります。そのような中で、今後さらに複雑化・多様化する県民ニーズに応えていくためには、組織全体の生産性を大幅に向上させる必要があります。そのための施策の一環として、庁内や将来的には庁外の関係者とのやりとりをより円滑化するために、コラボレーションツールを導入することになりました。

情報基盤・システム管理チーム 主査 伊藤 隼人 様
Google Workspace を導入する前は、コラボレーションツールは利用されていなかったのでしょうか。
髙橋 様 :
コラボレーションツールではなく、グループウェア製品を導入していましたが、同時編集の機能はなかったですし、LGWAN内に閉じて運用していたので、庁内のLGWAN環境にある端末からしか利用できませんでした。
Google カレンダーの機能を拡張するために「rakumo カレンダー」を導入
クラウド型のコラボレーションツールにはさまざまなものがありますが、その中からGoogle Workspace を選んだ決め手は何だったのでしょうか?
髙橋 様 :
2024年6月から9月にかけて、職員約1200人を対象に複数のコラボレーションツールを試験的に使ってもらい、比較評価を行いました。実証実験によりコラボレーションツールの有用性を確認できたため、プロジェクトチームでコラボレーションツールの比較検討を行った上で、Google Workspace の採用を決定しました。
伊藤 様 :
PC内のローカルアプリケーションに情報を閉じ込めてしまうのではなく、クラウド環境上で職員間でデータを共有しながら共同作業を進めていくという働き方へのシフトを促すためには、やはりクラウド上での作業を前提に作られているGoogle Workspace が最も適していると考えました。また導入が非常に簡単な点や、マルチデバイス・マルチOSに対応している点、スペックの低い端末でもChromeブラウザーさえあれば利用できる点なども高く評価しました。さらに、GIGAスクール構想によりGoogle Workspace に慣れ親しんだ世代が入庁してくることを見据え、将来性の高さも選定の決め手となりました。

情報基盤・システム管理チーム 高橋 柊太 様
今回、Google Workspace の導入と同時に「rakumo カレンダー」も導入していただきました。
髙橋 様 :
もともと利用していたグループウェアのカレンダー機能では、職員を所属組織の単位で管理できました。特定の職員のアカウントを検索する際も、まずはその職員の所属組織を指定し、そこからドリルダウンして職員の情報に辿り着くという使い方が現場に定着していました。しかしGoogle カレンダーの標準機能は階層構造での表示に対応していないため、操作に慣れるまでにかなりの時間を要することが懸念されました。そこで、Google カレンダーの機能を拡張し、組織構造に基づいて職員の情報を管理・閲覧できるようにするサードパーティー製品の導入を検討することになりました。
伊藤 様 :
当初は無償製品の導入も検討しましたが、実証実験に協力いただいた企業から「ガバナンス面にリスクがある」との指摘を受けました。そこでこの企業から紹介を受けたのが、rakumo カレンダーでした。実際に試してみたところ、非常に直感的な操作で利用でき、もともと使っていたグループウェアの使い勝手をほぼそのまま引き継げると判断しました。また管理性も非常に高いため、最終的にrakumo カレンダーをGoogle Workspace と一緒に導入することを決めました。
rakumo カレンダーの導入でGoogle Workspace の使い勝手が大幅に向上
Google Workspace およびrakumo カレンダーの導入作業はスムーズに運びましたか?
伊藤 様 :
2025年3月に導入作業を行ったのですが、私たちの方で職員や組織に関するデータを準備して環境構築を委託した企業にお渡しした後、実質1か月もかからずに本番稼働までこぎ着けることができました。なお既存のグループウェアに登録していたデータは移行せず、1年間の並行稼働期間中にもし必要が生じたらユーザーが自身でデータをエクスポート/インポートして移行する運用としました。
2025年4月から本番運用を始められたとのことですが、現場の職員の方々はすぐに使いこなせるようになりましたか?
髙橋 様 :
Google Workspace に関しては職員向けの研修を得意とする企業に業務委託し、ハンズオン形式の研修を全庁規模で実施しました。その成果もあり、比較的スムーズに現場に定着しつつあります。ちなみにrakumoカレンダーについては、特段の集合研修等は行わず、提供された操作マニュアルの配布をもって周知を図ったところですが、利用方法に関する問い合わせもほとんどなく、皆すんなり使いこなせるようになりました。UI/UXが極めて優れた製品であることを、あらためて実感しました。

rakumo カレンダーを導入したことで、どのような効果を実感されていますか?
伊藤 様 :
Google カレンダーの標準機能にはない「階層構造でのユーザーの表示や選択」が可能になったことは、Google Workspace 内で予定を管理する習慣の定着に一役買っていると思います。また、異なる部署に所属する職員を任意に選んでグループ化する「カスタムグループ」の機能も好評ですね。もともと使っていたグループウェアにも同様の機能はあったものの使いにくかったので、この点もとても助かっています。
髙橋 様 :
オンライン会議であれば、rakumo カレンダーを使うことで参加者の空き時間を簡単に検索・特定でき、かつそのままGoogle Meet の設定もできるので、会議の日程調整がとてもやりやすくなりました。さらに会議中に使う資料をカレンダーの中に登録することで、会議のセッティングをワンストップで行えるようになったほか、会議の音声データを自動的に文字起こしして、Geminiを使って議事録を作成できるため、会議に関する業務負荷を大幅に低減できました。

今後は会議室予約や設備予約もrakumo カレンダーでシステム化する予定
今後rakumo カレンダーをさらに広い用途で活用していく予定はありますか?
髙橋 様 :
現時点ではまだ旧グループウェアで会議室の予約を行っているので、これから会議室をGoogle リソースに登録して、オンライン会議だけでなく対面の会議についてもGoogle カレンダーとrakumo カレンダーの組み合わせで実施できるようにしていきたいと考えています。
伊藤 様 :
設備予約の業務についても、今後はrakumo カレンダーの機能を使って効率化していきたいと考えています。公用車などの設備の利用予約を行う場合、「利用予定日の何日前から予約申請を受け付ける」「業務時間外の予約は受け付けない」といったルールを設けています。
これまではそうしたルールを職員が一つひとつチェックして、ルールを逸脱した予約を手作業で削除するといった運用が行われていました。しかしrakumo カレンダーの設備予約の機能を使えば、システムの機能として予約ルールを適用できるようになるので、設備予約に関する業務を大幅に効率化できるのではないかと考えています。現在担当部署で機能評価を行っており、そこでOKが出ればすぐに本番適用する予定です。
最後に、今後rakumo カレンダーに期待することがあれば教えてください。
伊藤 様 :
rakumo カレンダーの機能にはとても助けられているのですが、Google カレンダーとの連携がさらに深まるとより便利に使えるようになると思います。また秋田県では職員個人が所有する端末「BYOD」の利用を認めており、rakumo カレンダーをモバイルアプリとして使えるようになるとさらに利便性が高まると思います。今後はぜひそのような機能強化にも期待したいですね。
ありがとうございました。
(取材時期:2025年11月)
事例で利用されている「便利な機能」
rakumo カレンダー
秋田県 秋田県庁
事業概要:地方公共団体
職員数:13,934人(※2024年12月 現在の正規職員数)
*掲載内容は取材時点のものです。




