第3回 クラウドサービスだけで仕事をバリバリこなしている会社はある
スマートフォンの普及によって、私たちはいつでもどこからでもインターネットにアクセスして、情報を調べたり友達とコミュニケーションを交わせるようになりました。ところが、ビジネスの現場ではスマートフォンのような便利な働き方ができません。なぜでしょうか?その理由は、会社のシステムがクラウドサービスを利活用していないからです。しかし、スマートフォンと PC は違う、と考えている人たちもいます。スマートフォンは個人の情報ツールであって、PC とクラウドサービスだけでは、ビジネスにならないのではないか、と危惧している経営者もまだ多いのです。そんな古い考え方をトランスフォーメーションしていくためには、クラウドサービスだけで仕事をバリバリこなしている会社の働き方を知る必要があるのです。
※出典 : 総務省「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」
クラウドサービスだけで仕事をバリバリこなしている会社は、Google Workspace を中心に複数のサービスを賢く組み合わせて働き方DXを実現しています。例えば、営業部門であれば Salesforce のような営業支援クラウドサービスを使って、顧客管理や営業活動を実践しています。また、経理部門であれば会計クラウドサービスを、総務部門では人事クラウドサービスなどを利用して、テレワークによる柔軟な働き方を推進しています。営業のようなフロントオフィスから総務や財務というバックオフィスまで、それぞれの業務に対応したクラウドサービスは数多く提供されています。そして、フロントオフィスからバックオフィスまで、あらゆる業務に必要な文書作成や表計算に、Google Workspace が活躍しています。企画書や提案書に社内通達など、あらゆる文書作成に Google ドキュメントを活用し、見積書や経費計算などに Google スプレッドシートを使っています。さらに、営業部門では Google スライドでプレゼンテーションを作成しています。
クラウドサービスだけですべての業務をこなせるようになると、社内ネットワークはインターネットへの接続だけを考えればよくなります。加えて、ファイルサーバーやアプリケーションサーバーが不要になり、ハードウェアの購入や運用のコストが激減し、サイバー攻撃によるリスクも低減します。セキュリティ対策の強化については、別の連載で詳しく解説しますが、クラウドサービスへの移行はコスト面でもセキュリティ対策の観点からも、効果が大きいのです。
ただし、クラウドサービスを活用した働き方DXを成功させるためには、もうひとつ重要な要素があります。それはワークフローです。稟議書や経費精算など、日々の業務には数多くの 「承認」 が求められます。従来のオフィスでは、紙と印鑑に頼っていた 「承認」 をクラウドサービスで実践していくためには、ワークフローというソリューションの利用が必須です。そして、それを実践している会社が、働き方 DX で先進的なワークスタイルを確立しているのです。