デジタルオフィスの新常識
公開 2023.06.08

第5回 Office を捨てて街(クラウド)に出かけよう

社外に持ち出して置き忘れた PC から情報が漏れてしまったり、街中の Wi-Fi スポットに接続したらハッキングされてしまうなど、業務で利用している PC の持ち運びは、セキュリティのリスクを増大させます。こうした脅威の原因は、持ち出される PC が、業務で使う大切なファイルを本体のストレージに保存しているからです。PC に保存されているファイルを Word や Excel などの Office アプリで利用するため、常にハッキングされるリスクを抱えているのです。こうしたリスクを根本的に解決するためには、Office アプリに頼らないクラウドサービスを組み合わせた PC 利用で、ストレージにファイルを残さない運用が求められています。

クラウドサービスの利点は、すべての業務やデータ処理をウェブブラウザで完結し、手元で利用している PC にデータを残さない安全性にあります。Google Workspace で利用する Google ドライブというクラウドストレージも、ファイルの安全性を確保しています。Google ドキュメントや Google スプレッドシートで作成するファイルは、すべてクラウドストレージに保存されるので、手元の PC には盗まれる危険性のある情報が残りません。街中の Wi-Fi スポットを利用しても、Google ドライブにアクセスされる心配は低いので、持ち出した PC から情報が盗まれるリスクも低くなります。

また、Google Workspace を利用する社員も、職場や街中や自宅から自由にクラウドストレージを利用できるので、自由で柔軟な働き方を実践できます。コロナ禍による緊急事態宣言が発令された三年前には、自宅から職場の PC を遠隔操作するために、リモートデスクトップなどを設定して、それがセキュリティホールとなって情報が漏えいする事件も起きました。それに対して、クラウドストレージであれば職場の PC を遠隔接続する必要もなく、クラウド経由で他の社員と安全にファイルをやり取りできます。こうした柔軟なクラウドサービスの利活用は、コロナ禍が明けた後でも新しい働き方にとって、積極的に取り組むべきテーマです。

連載内容

第1回 これからのデジタルオフィスが目指すべき理想のDX基盤とは 第2回 働き方DXの第一歩は古い情報システムの断捨離 第3回 クラウドサービスだけで仕事をバリバリこなしている会社はある 第4回 Outlook を捨てて Chrome + Gmail でセキュリティ対策の強化 第5回 Office を捨てて街(クラウド)に出かけよう 第6回 ひとり情シスに寄り添う Google Workspace 導入術 第7回 ひとり情シスに寄り添う Google 管理コンソールの安心感 第8回 よりセキュアな働き方は Chrome + Google Workspace で解決 第9回 Google Workspace で Office のセキュリティ不安を解消 第10回 社員トランスフォーメーションは Google Workspace から 第11回 全社 Google Workspace 化が難しい企業の処方箋