第5回 Office を捨てて街(クラウド)に出かけよう
社外に持ち出して置き忘れた PC から情報が漏れてしまったり、街中の Wi-Fi スポットに接続したらハッキングされてしまうなど、業務で利用している PC の持ち運びは、セキュリティのリスクを増大させます。こうした脅威の原因は、持ち出される PC が、業務で使う大切なファイルを本体のストレージに保存しているからです。PC に保存されているファイルを Word や Excel などの Office アプリで利用するため、常にハッキングされるリスクを抱えているのです。こうしたリスクを根本的に解決するためには、Office アプリに頼らないクラウドサービスを組み合わせた PC 利用で、ストレージにファイルを残さない運用が求められています。
クラウドサービスの利点は、すべての業務やデータ処理をウェブブラウザで完結し、手元で利用している PC にデータを残さない安全性にあります。Google Workspace で利用する Google ドライブというクラウドストレージも、ファイルの安全性を確保しています。Google ドキュメントや Google スプレッドシートで作成するファイルは、すべてクラウドストレージに保存されるので、手元の PC には盗まれる危険性のある情報が残りません。街中の Wi-Fi スポットを利用しても、Google ドライブにアクセスされる心配は低いので、持ち出した PC から情報が盗まれるリスクも低くなります。
また、Google Workspace を利用する社員も、職場や街中や自宅から自由にクラウドストレージを利用できるので、自由で柔軟な働き方を実践できます。コロナ禍による緊急事態宣言が発令された三年前には、自宅から職場の PC を遠隔操作するために、リモートデスクトップなどを設定して、それがセキュリティホールとなって情報が漏えいする事件も起きました。それに対して、クラウドストレージであれば職場の PC を遠隔接続する必要もなく、クラウド経由で他の社員と安全にファイルをやり取りできます。こうした柔軟なクラウドサービスの利活用は、コロナ禍が明けた後でも新しい働き方にとって、積極的に取り組むべきテーマです。